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11 新たな衝撃
ユリウスは一礼し、言葉を選ぶように丁寧に口を開いた。
「実のところ、父からカミーユ様のことは以前から伺っており、俺もお会いできるのを楽しみにしていました。ですが――お腹にお子様がいるのなら、その命を第一に考えるべきです。それと……」
一瞬だけ言葉を切った彼は、ふっと息を吐き、小さく首を振った。
「これだけ大切に育ててくださったレティシア様のご恩を、踏みにじるようなことをされたのだとしたら……正直、人として残念です」
その言葉に、カミーユの顔がさっとこわばった。
「あなたにそんなこと言われる筋合いなんてないわ! 私には私の事情ってものがあるのよっ!」
先ほどまで見惚れていた相手を、今は憎々しげに睨みつけている。嫁げないとわかった途端に、そんなふうに態度を変えるなんて――。
私は椅子からゆっくりと立ち上がった。心の中の葛藤を飲み込み、静かに口を開く。
「私は――離婚します。そして、この家を出て行きます」
「ちょ、ちょっと待って、レティシア叔母様。そんなことしないで! 私、そんなつもりじゃなかったのよ!」
「あなたが何を思っていたとしても、私の決断は変わらないわ。あなたたちは、お腹の子に責任を持って育ててほしい。それが、私の唯一の願いよ」
淡々と告げた。決して意地悪からではない。
ただ、そういう関係になり命を宿した以上は、最後まで責任を取るべきだと思っただけだ。
「無理……そんなの無理よ……私、レティシア叔母様を追い出したかったわけじゃないの。こんなはずじゃなかったのよ……叔母様がいなくなったら、それこそ困るって、今やっとわかったの。だから、お願い、許して! あれは……ほんの、期間限定の恋だったのよ。わかるでしょう?」
カミーユは足元をふらつかせながら、泣き言のように呟いた。その姿を見ても、私はカミーユが可哀想とは思えないし、共感なんてできなかった。ただ、彼女との間にどうしようもない壁があることを、実感しただけだった。
「ごめんなさい。私には、それがさっぱりわからないわ」
かつては娘のように思っていた姪が、いまやまるで異国の言語を話す他人のように思えた。
言葉が通じない。常識も、価値観も、何もかもが噛み合わない。
同じ時間を過ごしてきたはずなのに――どうして、こんなにも遠く離れてしまったのだろう。
そのときだった。
「出て行ってはいけません!」
ずっと黙っていた専属侍女のマリーが、震える声で叫んだ。
その目には、大粒の涙がにじんでいる。
「奥様は、ここにいらっしゃるべきです! どうか……お願いです、出ていかないでください……!」
マリーは涙をこらえながら、ゆっくりと一歩、前に出た。
「私が……私がどれほどの思いで、あなたをお守りしてきたか……」
私はマリーを見つめた。その瞳に宿る思いの強さに、言葉を失う。
――そして、そこで私は、二つ目の衝撃的な事実を知ることになる。
•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
※またまた衝撃の事実が明かされます。
※「続きが気になる」「面白いかも」「カミーユやオズワルド、ほんとムリ……気持ち悪い」「レティシアを応援したい」など、少しでも何か感じていただけたら、💓や応援をいただけると励みになります。よろしくお願いします!
「実のところ、父からカミーユ様のことは以前から伺っており、俺もお会いできるのを楽しみにしていました。ですが――お腹にお子様がいるのなら、その命を第一に考えるべきです。それと……」
一瞬だけ言葉を切った彼は、ふっと息を吐き、小さく首を振った。
「これだけ大切に育ててくださったレティシア様のご恩を、踏みにじるようなことをされたのだとしたら……正直、人として残念です」
その言葉に、カミーユの顔がさっとこわばった。
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先ほどまで見惚れていた相手を、今は憎々しげに睨みつけている。嫁げないとわかった途端に、そんなふうに態度を変えるなんて――。
私は椅子からゆっくりと立ち上がった。心の中の葛藤を飲み込み、静かに口を開く。
「私は――離婚します。そして、この家を出て行きます」
「ちょ、ちょっと待って、レティシア叔母様。そんなことしないで! 私、そんなつもりじゃなかったのよ!」
「あなたが何を思っていたとしても、私の決断は変わらないわ。あなたたちは、お腹の子に責任を持って育ててほしい。それが、私の唯一の願いよ」
淡々と告げた。決して意地悪からではない。
ただ、そういう関係になり命を宿した以上は、最後まで責任を取るべきだと思っただけだ。
「無理……そんなの無理よ……私、レティシア叔母様を追い出したかったわけじゃないの。こんなはずじゃなかったのよ……叔母様がいなくなったら、それこそ困るって、今やっとわかったの。だから、お願い、許して! あれは……ほんの、期間限定の恋だったのよ。わかるでしょう?」
カミーユは足元をふらつかせながら、泣き言のように呟いた。その姿を見ても、私はカミーユが可哀想とは思えないし、共感なんてできなかった。ただ、彼女との間にどうしようもない壁があることを、実感しただけだった。
「ごめんなさい。私には、それがさっぱりわからないわ」
かつては娘のように思っていた姪が、いまやまるで異国の言語を話す他人のように思えた。
言葉が通じない。常識も、価値観も、何もかもが噛み合わない。
同じ時間を過ごしてきたはずなのに――どうして、こんなにも遠く離れてしまったのだろう。
そのときだった。
「出て行ってはいけません!」
ずっと黙っていた専属侍女のマリーが、震える声で叫んだ。
その目には、大粒の涙がにじんでいる。
「奥様は、ここにいらっしゃるべきです! どうか……お願いです、出ていかないでください……!」
マリーは涙をこらえながら、ゆっくりと一歩、前に出た。
「私が……私がどれほどの思いで、あなたをお守りしてきたか……」
私はマリーを見つめた。その瞳に宿る思いの強さに、言葉を失う。
――そして、そこで私は、二つ目の衝撃的な事実を知ることになる。
•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
※またまた衝撃の事実が明かされます。
※「続きが気になる」「面白いかも」「カミーユやオズワルド、ほんとムリ……気持ち悪い」「レティシアを応援したい」など、少しでも何か感じていただけたら、💓や応援をいただけると励みになります。よろしくお願いします!
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