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30 レティシアの幸せー7
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※これ以降ノルディアン大公に統一します。なにかオズワルドと間違いそうなので。あえて閣下という敬称は省きます。
•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
観劇の夜。私は、ノルディアン大公の馬車に迎えられた。漆黒の馬車は、月明かりすら弾くような光沢を放ち、重厚な銀の装飾が静かに威圧感を纏う。
御者台の脇にはノルディアン大公家の紋章が刻まれ、衛兵が控えるその姿はまるで移動する城のようだ。
この日のために選んだのは、深緋のドレス。華やかさよりも、どこか静けさを湛えた色味が、今の自分の心を映しているように思えた。
馬車の扉が開き、ノルディアン大公が私に視線を向けた瞬間、微かに笑みを浮かべた。
「今日のレティシア嬢はとても美しいね。……あの夜、舞踏会で出会った少女が、こんなにも素敵な淑女になるとはね。その姿、誰にも見せたくないよ」
その言葉に、思わず頬が熱を帯びた。
「……エルダール亭でも、ノルディアン大公は幼い頃出会ったパーティの話をしましたね」
「あのパーティの記憶は、今も変わらず――私にとって、かけがえのないものですからね」
言いかけたところで、ノルディアン大公はふと口をつぐんだ。馬車の揺れの中、窓の外に目を向けたその横顔には、言葉にしきれないためらいと、わずかな悔いが滲んでいるように見えた。
「あなたに出会ったあの日から、ずっと後悔していました。なぜもっと早く動かなかったのか。私はあなたの隣に立とうとしていました。父上に話をして婚約の手はずを整えていた矢先に、ルーベルト公爵に先を越されてしまった」
その言葉に、私の中でも過去の記憶がゆっくりと浮かび上がる。あのパーティの日の淡い恋心。
「ルーベルト公爵があなたに深い傷を残したと知ったとき……私は、ひどく自分を責めました。もしあのとき、私が隣にいられたなら。どんな時でも、あなたの笑顔を守れたはずだと――今でも、そう思わずにはいられないのです」
静かに紡がれる言葉が、私の胸に沁み込んでくる。
「私は、あなたの過去も、今も、そしてこれからも、すべてを受け入れたいと思っています。……もう一度だけ、あなたの隣に立つ機会を、私に与えてもらえないでしょうか」
ふと、車窓の外に劇場の光が見えた。柔らかな明かりが、ゆらゆらと夜の闇を照らしている。
まるで、それが私たちの未来を示しているかのように――そう思いかけて、私はすぐに首を横に振った。
心が揺れているのは、確かだった。でも、それは“答え”に近づいたというよりも、ただ過去と今の想いが絡み合って、もつれているだけのような気もする。
ノルディアン大公の言葉は優しくて、真っ直ぐで、嘘のない想いだった。けれど――それを受け入れるには、私はあまりにも多くを背負いすぎている。
私は黙ったまま、深く息を吸い込んだ。
すぐには答えを出せない。だけど、目を背けてはいけない。
そんな想いだけが、胸の奥にじっと残っていた。
「ごめんなさい。すぐにはお返事できないです。当時7歳の私は、ノルディアン大公に憧れのようなものを感じていました。もし、あの頃ノルディアン大公と婚約できていたら、私の人生も変わっていたでしょうね」
「人生は今からでも変えられる。もし許されるのなら、私は貴女と、新たな物語を紡いでいきたい」
そして、ノルディアン大公が用意してくださった劇場の席は――
•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
※ここからノルディアン大公の良さが全開していきます!
だらだらと長くつづきますが💦ヒロインの幸せが一番メインなんで
ハッピーエンドまで、お付き合いいただけると、嬉しいです。
あのぉーーざまぁの時より💓がだいぶ減っててぇーー😢😢
読者の皆様、指をちょっとだけ💓に近づけてぇー連打、連打!で、ここで指の運動してみましょう。
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観劇の夜。私は、ノルディアン大公の馬車に迎えられた。漆黒の馬車は、月明かりすら弾くような光沢を放ち、重厚な銀の装飾が静かに威圧感を纏う。
御者台の脇にはノルディアン大公家の紋章が刻まれ、衛兵が控えるその姿はまるで移動する城のようだ。
この日のために選んだのは、深緋のドレス。華やかさよりも、どこか静けさを湛えた色味が、今の自分の心を映しているように思えた。
馬車の扉が開き、ノルディアン大公が私に視線を向けた瞬間、微かに笑みを浮かべた。
「今日のレティシア嬢はとても美しいね。……あの夜、舞踏会で出会った少女が、こんなにも素敵な淑女になるとはね。その姿、誰にも見せたくないよ」
その言葉に、思わず頬が熱を帯びた。
「……エルダール亭でも、ノルディアン大公は幼い頃出会ったパーティの話をしましたね」
「あのパーティの記憶は、今も変わらず――私にとって、かけがえのないものですからね」
言いかけたところで、ノルディアン大公はふと口をつぐんだ。馬車の揺れの中、窓の外に目を向けたその横顔には、言葉にしきれないためらいと、わずかな悔いが滲んでいるように見えた。
「あなたに出会ったあの日から、ずっと後悔していました。なぜもっと早く動かなかったのか。私はあなたの隣に立とうとしていました。父上に話をして婚約の手はずを整えていた矢先に、ルーベルト公爵に先を越されてしまった」
その言葉に、私の中でも過去の記憶がゆっくりと浮かび上がる。あのパーティの日の淡い恋心。
「ルーベルト公爵があなたに深い傷を残したと知ったとき……私は、ひどく自分を責めました。もしあのとき、私が隣にいられたなら。どんな時でも、あなたの笑顔を守れたはずだと――今でも、そう思わずにはいられないのです」
静かに紡がれる言葉が、私の胸に沁み込んでくる。
「私は、あなたの過去も、今も、そしてこれからも、すべてを受け入れたいと思っています。……もう一度だけ、あなたの隣に立つ機会を、私に与えてもらえないでしょうか」
ふと、車窓の外に劇場の光が見えた。柔らかな明かりが、ゆらゆらと夜の闇を照らしている。
まるで、それが私たちの未来を示しているかのように――そう思いかけて、私はすぐに首を横に振った。
心が揺れているのは、確かだった。でも、それは“答え”に近づいたというよりも、ただ過去と今の想いが絡み合って、もつれているだけのような気もする。
ノルディアン大公の言葉は優しくて、真っ直ぐで、嘘のない想いだった。けれど――それを受け入れるには、私はあまりにも多くを背負いすぎている。
私は黙ったまま、深く息を吸い込んだ。
すぐには答えを出せない。だけど、目を背けてはいけない。
そんな想いだけが、胸の奥にじっと残っていた。
「ごめんなさい。すぐにはお返事できないです。当時7歳の私は、ノルディアン大公に憧れのようなものを感じていました。もし、あの頃ノルディアン大公と婚約できていたら、私の人生も変わっていたでしょうね」
「人生は今からでも変えられる。もし許されるのなら、私は貴女と、新たな物語を紡いでいきたい」
そして、ノルディアン大公が用意してくださった劇場の席は――
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※ここからノルディアン大公の良さが全開していきます!
だらだらと長くつづきますが💦ヒロインの幸せが一番メインなんで
ハッピーエンドまで、お付き合いいただけると、嬉しいです。
あのぉーーざまぁの時より💓がだいぶ減っててぇーー😢😢
読者の皆様、指をちょっとだけ💓に近づけてぇー連打、連打!で、ここで指の運動してみましょう。
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