(完結)婚約破棄から始まる真実の愛

青空一夏

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アダムの提案(トリスタン王視点)

 「まずは、私の妃に言い寄ったお前からだな? お前の名前は?」

息子のノーランはカンカンだ。あのバカ姫の婚約者の色男に食ってかかる。ここは、徐々に痛めつけ少しづつ懲らしめる計画でいたのに台無しになってしまったが、まぁ、いいだろう。

「私は、ジェイデン・アドラー公爵だ。いくら、王族と言えど一国の貴族にお前などと無礼ではないですか?」

「いや、少しも無礼とは思わないな。我が妃に言い寄る時点で、大罪人だからな。知らないのか?他国の王族の妃に手を出そうとする者は、大罪人になることを?もし、妃がその男の子供を身ごもりそれが次期王になるとすれば、国を乗っ取ろうとする、あるいは国家転覆罪となり万死に値する罪になる。なので、その危険性を排除するために、手を出そうとした時点で死刑は確定なのだ。よく、覚えておくがいい。そして、この女性は私の妃になると確定している大事な身だ。『一緒に遠い国に逃げよう』と言ったな?死罪か、あるいはお前が一人で遠い国、砂漠にでも行けば良い。」

「え?いや、私は三日後にアリッサ王女と式をあげることに決まっています。さきほどの言葉は冗談なのです!」

 冗談だと? これには私も苛ついた。

「ジェイデン殿。今、冗談と申したか? カルロス王国の月に等しい大事な姫君に、冗談で戯れ言を申したというのか? カルロス王国を謀る愚か者め! この男を縛り上げ隅にでも転がしておけ」

 私が我が兵士に命令するが、同行していたブルジョワジーのドンのアダムに止められた。

「せっかくですから、結婚式はさせましょう。結婚式の際に全てを暴いて、ブルジョワジーの集まる商業地域に置き去りにすれば、民が裁いてくれます。あの地域は昔からカミラ女王様を崇拝する熱狂的な国民が多数住んでいます。そこの広場に、罪状を全て書いた札を立て、一人ひとり、縛り上げた後に放置すればいいのです。こうすることで、カルロス王国が無駄にブロンディ王国の国民から反感をもたれることもないでしょう」

 アダムが、言うことも一理ある。カルロス王国の介入は大きくない方がいいだろう。特に王族達の処分はデリケートだ。だが、邪悪な者どもには相当きつい処分だとは思う。

 民衆は、時に凄まじく残酷だからだ。同じ殺すにしても簡単には死なせない。しかし、国民を欺き、愚かな政治を行った罪は国民に裁かれて当然か・・・・・・


「ジェイデン殿。アリッサ王女の元に戻られよ。このことを知らせたらすぐさま殺す。民の裁きを一緒に受けなさい。貴方は命までは取られまい」

 
ジェイデンは、アタフタと走り出し奥の宮殿に消えていった。

「さて、晩餐会に出席するのに、ディダ様を着飾らせましょう」

 マディソンが素晴らしい提案をしてきた。あぁ、これも楽しみのひとつだった。忘れておったわ。

「ふむ。これ以上ないくらい、美しくさせるのだ」

 私は満面の笑みを浮かべて言ったのだった。
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