27 / 34
私は悪くない(モリー視点)ーバイオレットとアリッサの母親の処分
私は貧乏な男爵家の末娘のモリーだ。贅沢なドレスを着て宝石で身を飾る高位貴族達に憧れていたが男爵家ではそれも叶わない。どうにかして、玉の輿に乗りたいと思っていた矢先にハドソン・ブロンディと出会った。
ハドソンは王宮で舞踏会が催されていた庭園の隅で婚約者に叱られていた。彼の婚約者は、カミラ女王のお気に入りの才女の誉れ高い公爵令嬢だった。
「婚約して間もない私のドレスを脱がそうとするとは! よろしいですかっ? 私は婚姻前にこのような行為をすることは恥ずべきことだと思っております。全く、カミラ女王様を尊敬申し上げているからこそ承諾したこの婚約ですが先がおもいやられますわね。ハドソン様、このようなことをする前に政治や経済のお勉強をなさいませ」
あろうことか、王族を叱る愚かな女がいたのだ。不敬罪にならないのかと不思議だった。その高慢な公爵令嬢は、それほど美しいわけでもなく、私のように男性が好むような魅力もなかった。私は、特に胸が大きく腰もくびれている悩殺ボディなのだ。
王族のハドソン様が、『やりたい』と言うのなら喜んで身体を差し出すのが婚約者の務めじゃないの? 私なら今すぐにでも、・・・・・・なのに。
「ハドソン様。私、あのぉーーさきほどの女性は不敬だと思いますぅ。王族であるハドソン様に向かってあのような口の利き方は死刑ですぅ」
ハドソン様は私の胸を見ながらにやりと笑った。
「さきほどの女は王族の血が入っているから死刑にはできない。母上のお気に入りでもあるしな。けれど、貴女とはとても意見があいそうだ」
そうして、私達はすぐにその庭園の隅で結ばれたのだった。まもなく、私は妊娠して大騒ぎになった。いい気味だ。あの公爵令嬢は婚約破棄をし、他国の王族のもとにさっさと嫁いでいった。
やったわ! あの才女の公爵令嬢に勝ったんだ! カミラ女王は、それからいつも私に指導という名の嫌がらせをした。贅沢なドレスを20着作れば、民の血税を無駄にするなと叱られた。本当は50着は欲しかったのに。
女王が季節ごとに新調するドレスはたった5着だった。あとは、手持ちのドレスに少し手を加えてアレンジするケチくさいところがあった。宝石も、それほど贅沢なものは好まなかった。
「分相応という言葉があります。ブロンディ王国は貧しくはないがそれほど豊ではないのです。大国の真似をして着飾ったらそれこそ笑いものになるだけです。身の丈に合った生活をし、民を守るのは王族の仕事です」
こんな辛気くさいことばかり言われてうんざりだった。これって、絶対いじめでしょう? 本を読め! 政治を勉強しなさい! 命令ばかりでムカついた。本なんて大嫌いだ。カミラ女王が勧める本は難しすぎて1ページ目で眠くなる。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
子供が産まれた時はぎょっとした。隔世遺伝だ。女王にそっくりの銀髪にアメジストの瞳。カミラ女王は言った。
「伝説の竜王が女王と認める容姿です。この子が次期女王ですよ。私が大事に育てましょう」
女王になるのは竜王が認めた王女だというのは初耳だった。そういえば、代々この国の女王様は銀髪アメジストの瞳だったっけ。それならば、私は次期女王を産んだ最も高貴な女性になったのだ。きっと、皆が私を尊敬しひれ伏すに違いない。けれど、そうはならなかった。
カミラ女王は娘を独占しバイオレットと名づけ、まるで自分の子供のようにかわいがったのだ。バイオレットはカミラ女王に懐いた。お前なんて、私の子供じゃない! お前は私の大嫌いなカミラ女王にべったりなのだから。ほどなくして、また私は妊娠した。産まれた娘は私にそっくりだった。カミラ女王は2番目の王女を見て呟いた。
「この子供は竜王の祝福を受けていません。バイオレット王女にもしものことがあっても、女王になることはないでしょう」
そんな、ばかな! この私にそっくりなアリッサこそが女王になるのに相応しい。私は、カミラ女王と、それにそっくりなバイオレット王女をいつか殺したいと思うようになった。
そんな頃に、夫のハドソンが、おもしろい毒薬をどこからか仕入れてきた。
「これを、母上の飲み物に数滴たらせば、身体が徐々に弱って死ぬ。すぐには死なないから毒殺とばれることもない」
なんて素晴らしい薬だろうか?効果は素晴らしかった。首尾よく死んでくれた。あとは、バイオレット王女をどこかにやってしまえば・・・・・・そうして、カルロス王国に馬車1台で行かせた。心なかではあの大嫌いなカミラ女王に毒づいていた。
ざまあみろ! 嫌みったらしい陰険なカミラめ! お前は毒殺され、最も愛したバイオレットは国境近くのならず者に襲われ殺されるんだ! 威張り腐った女はきっとあの世から絶叫しているに違いない。バイオレットも自業自得だ。実の母親より祖母のカミラに懐きすぎた罰だ!
私は、今までのことを、こうして思い出していた。私はやらなければいけないことをしただけだ。
「カミラ女王の息子の嫁のモリー・ブロンディ。お前の罪も夫のハドソンと同じだ。商業地域のハドソンとは違う場所に放置しろ。もちろん罪状もつけて」
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
私は、縄でぐるぐるに縛られ、やはり罪状を記した立て札とともに広場に放置された。
寒くてたまらなかったが、あっという間に民達が集まってきた。
「「「カミラ女王様を毒殺したらしい!」」」
「「「バイオレット王女も殺そうとしたんだとよ! こいつは縛り首だ」」」
「「「いや、簡単に殺したのではつまらないな」」」
私は、恐ろしさに身震いした。私の豪華なドレスを脱がされ、粗末なボロを着せられた。
目隠しをされ、馬車に乗せられた私が着いた場所は炭鉱だった。ここは最もきつい労働を科す凶悪犯罪者だけを働かせる場所ではないか!
「この女は娼婦で大罪人なので情けは不要だ。夜は男達の好きにさせるといい」
私を連れてきた男達は、炭鉱の看守に言ったのだった。
私は立ち去って行く男達に叫んだ。
「助けて! お願い! ここに置いていくなぁーー」
「うるさいぞ! お前はもうここの労働者だ。話していい時にしか口をきくな!」
がっつんと頭を叩かれ、お腹も蹴られた。ここは・・・・・・地獄だ・・・・・・
私は心の中で叫んだ!
カミラ女王が私を虐めたのがいけないんじゃないかっ! 私は少しも悪くないんだぁぁぁぁーー。
ハドソンは王宮で舞踏会が催されていた庭園の隅で婚約者に叱られていた。彼の婚約者は、カミラ女王のお気に入りの才女の誉れ高い公爵令嬢だった。
「婚約して間もない私のドレスを脱がそうとするとは! よろしいですかっ? 私は婚姻前にこのような行為をすることは恥ずべきことだと思っております。全く、カミラ女王様を尊敬申し上げているからこそ承諾したこの婚約ですが先がおもいやられますわね。ハドソン様、このようなことをする前に政治や経済のお勉強をなさいませ」
あろうことか、王族を叱る愚かな女がいたのだ。不敬罪にならないのかと不思議だった。その高慢な公爵令嬢は、それほど美しいわけでもなく、私のように男性が好むような魅力もなかった。私は、特に胸が大きく腰もくびれている悩殺ボディなのだ。
王族のハドソン様が、『やりたい』と言うのなら喜んで身体を差し出すのが婚約者の務めじゃないの? 私なら今すぐにでも、・・・・・・なのに。
「ハドソン様。私、あのぉーーさきほどの女性は不敬だと思いますぅ。王族であるハドソン様に向かってあのような口の利き方は死刑ですぅ」
ハドソン様は私の胸を見ながらにやりと笑った。
「さきほどの女は王族の血が入っているから死刑にはできない。母上のお気に入りでもあるしな。けれど、貴女とはとても意見があいそうだ」
そうして、私達はすぐにその庭園の隅で結ばれたのだった。まもなく、私は妊娠して大騒ぎになった。いい気味だ。あの公爵令嬢は婚約破棄をし、他国の王族のもとにさっさと嫁いでいった。
やったわ! あの才女の公爵令嬢に勝ったんだ! カミラ女王は、それからいつも私に指導という名の嫌がらせをした。贅沢なドレスを20着作れば、民の血税を無駄にするなと叱られた。本当は50着は欲しかったのに。
女王が季節ごとに新調するドレスはたった5着だった。あとは、手持ちのドレスに少し手を加えてアレンジするケチくさいところがあった。宝石も、それほど贅沢なものは好まなかった。
「分相応という言葉があります。ブロンディ王国は貧しくはないがそれほど豊ではないのです。大国の真似をして着飾ったらそれこそ笑いものになるだけです。身の丈に合った生活をし、民を守るのは王族の仕事です」
こんな辛気くさいことばかり言われてうんざりだった。これって、絶対いじめでしょう? 本を読め! 政治を勉強しなさい! 命令ばかりでムカついた。本なんて大嫌いだ。カミラ女王が勧める本は難しすぎて1ページ目で眠くなる。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
子供が産まれた時はぎょっとした。隔世遺伝だ。女王にそっくりの銀髪にアメジストの瞳。カミラ女王は言った。
「伝説の竜王が女王と認める容姿です。この子が次期女王ですよ。私が大事に育てましょう」
女王になるのは竜王が認めた王女だというのは初耳だった。そういえば、代々この国の女王様は銀髪アメジストの瞳だったっけ。それならば、私は次期女王を産んだ最も高貴な女性になったのだ。きっと、皆が私を尊敬しひれ伏すに違いない。けれど、そうはならなかった。
カミラ女王は娘を独占しバイオレットと名づけ、まるで自分の子供のようにかわいがったのだ。バイオレットはカミラ女王に懐いた。お前なんて、私の子供じゃない! お前は私の大嫌いなカミラ女王にべったりなのだから。ほどなくして、また私は妊娠した。産まれた娘は私にそっくりだった。カミラ女王は2番目の王女を見て呟いた。
「この子供は竜王の祝福を受けていません。バイオレット王女にもしものことがあっても、女王になることはないでしょう」
そんな、ばかな! この私にそっくりなアリッサこそが女王になるのに相応しい。私は、カミラ女王と、それにそっくりなバイオレット王女をいつか殺したいと思うようになった。
そんな頃に、夫のハドソンが、おもしろい毒薬をどこからか仕入れてきた。
「これを、母上の飲み物に数滴たらせば、身体が徐々に弱って死ぬ。すぐには死なないから毒殺とばれることもない」
なんて素晴らしい薬だろうか?効果は素晴らしかった。首尾よく死んでくれた。あとは、バイオレット王女をどこかにやってしまえば・・・・・・そうして、カルロス王国に馬車1台で行かせた。心なかではあの大嫌いなカミラ女王に毒づいていた。
ざまあみろ! 嫌みったらしい陰険なカミラめ! お前は毒殺され、最も愛したバイオレットは国境近くのならず者に襲われ殺されるんだ! 威張り腐った女はきっとあの世から絶叫しているに違いない。バイオレットも自業自得だ。実の母親より祖母のカミラに懐きすぎた罰だ!
私は、今までのことを、こうして思い出していた。私はやらなければいけないことをしただけだ。
「カミラ女王の息子の嫁のモリー・ブロンディ。お前の罪も夫のハドソンと同じだ。商業地域のハドソンとは違う場所に放置しろ。もちろん罪状もつけて」
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
私は、縄でぐるぐるに縛られ、やはり罪状を記した立て札とともに広場に放置された。
寒くてたまらなかったが、あっという間に民達が集まってきた。
「「「カミラ女王様を毒殺したらしい!」」」
「「「バイオレット王女も殺そうとしたんだとよ! こいつは縛り首だ」」」
「「「いや、簡単に殺したのではつまらないな」」」
私は、恐ろしさに身震いした。私の豪華なドレスを脱がされ、粗末なボロを着せられた。
目隠しをされ、馬車に乗せられた私が着いた場所は炭鉱だった。ここは最もきつい労働を科す凶悪犯罪者だけを働かせる場所ではないか!
「この女は娼婦で大罪人なので情けは不要だ。夜は男達の好きにさせるといい」
私を連れてきた男達は、炭鉱の看守に言ったのだった。
私は立ち去って行く男達に叫んだ。
「助けて! お願い! ここに置いていくなぁーー」
「うるさいぞ! お前はもうここの労働者だ。話していい時にしか口をきくな!」
がっつんと頭を叩かれ、お腹も蹴られた。ここは・・・・・・地獄だ・・・・・・
私は心の中で叫んだ!
カミラ女王が私を虐めたのがいけないんじゃないかっ! 私は少しも悪くないんだぁぁぁぁーー。
あなたにおすすめの小説
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
婚約する前から、貴方に恋人がいる事は存じておりました
Kouei
恋愛
とある夜会での出来事。
月明りに照らされた庭園で、女性が男性に抱きつき愛を囁いています。
ところが相手の男性は、私リュシュエンヌ・トルディの婚約者オスカー・ノルマンディ伯爵令息でした。
けれど私、お二人が恋人同士という事は婚約する前から存じておりましたの。
ですからオスカー様にその女性を第二夫人として迎えるようにお薦め致しました。
愛する方と過ごすことがオスカー様の幸せ。
オスカー様の幸せが私の幸せですもの。
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
二度目の人生は離脱を目指します
橋本彩里(Ayari)
恋愛
エレナは一度死に戻り、二度目の人生を生きることになった。
一度目は親友のマリアンヌにあらゆるものを奪われ、はめられた人生。
今回は関わらずにいこうと、マリアンヌとの初めての顔合わせで倒れたのを機に病弱と偽り王都から身を遠ざけることにする。
人生二度目だから自身が快適に過ごすために、マリアンヌと距離を取りながらあちこちに顔を出していたら、なぜかマリアンヌの取り巻き男性、死に戻り前は髪色で呼んでいた五人、特に黒いのがしつこっ、……男たちが懐いてきて。
一度目の人生は何が起っていたのか。
今度こそ平穏にいきたいエレナだがいつの間にか渦中に巻き込まれ――。
【完結】私を裏切った最愛の婚約者の幸せを願って身を引く事にしました。
Rohdea
恋愛
和平の為に、長年争いを繰り返していた国の王子と愛のない政略結婚する事になった王女シャロン。
休戦中とはいえ、かつて敵国同士だった王子と王女。
てっきり酷い扱いを受けるとばかり思っていたのに婚約者となった王子、エミリオは予想とは違いシャロンを温かく迎えてくれた。
互いを大切に想いどんどん仲を深めていく二人。
仲睦まじい二人の様子に誰もがこのまま、平和が訪れると信じていた。
しかし、そんなシャロンに待っていたのは祖国の裏切りと、愛する婚約者、エミリオの裏切りだった───
※初投稿作『私を裏切った前世の婚約者と再会しました。』
の、主人公達の前世の物語となります。
こちらの話の中で語られていた二人の前世を掘り下げた話となります。
❋注意❋ 二人の迎える結末に変更はありません。ご了承ください。
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
毒を飲んだ令嬢は、二度目の人生で誠実な恋を選ぶ
ゆぷしろん
恋愛
幼いころからずっと隣にいて、いつか結ばれるのだと信じていた幼馴染エドガー。
けれど学園へ入ってから彼は少しずつ変わり、創立記念パーティーの夜、レティシアは彼が別の令嬢と口づけを交わす姿を目撃してしまう。やがて告げられたのは、「君が拒んだからだ」という身勝手な別れの言葉だった。結婚前に口づけや身体を許さなかったことさえ責められ、婚約は解消。噂に傷つき、生きる気力を失ったレティシアは、黒い森の魔女から毒を受け取り、自ら命を絶とうとする。
けれど次に目を覚ましたとき、彼女は幼いころへと戻っていた。
もう二度と、幼馴染に人生を預けない。そう決意したレティシアは、将来エドガーと結ばれる流れを少しずつ変えていく。そして二度目の人生で、前世で傷ついた自分に唯一優しい言葉をかけてくれた伯爵令息ルシアンと、今度こそ最初から出会い直す。穏やかで誠実な彼は、決して急かさず、傷ついた彼女の心を静かにほどいていく。
これは、恋に傷つき死を選んだ令嬢が、もう一度与えられた春の中で、自分の気持ちと向き合いながら、本当に大切にしてくれる人を選び直して幸せになるまでのやり直し恋愛譚。
「今度こそ、私は自分で選ぶ」
毒を飲んだ令嬢は、二度目の人生でようやく知る。幸せとは、誰かに選ばれることではなく、自分を大切にしてくれる人を、自分の意志で選び取ることなのだと。