愛されすぎた男

青空一夏

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愛されすぎた男

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「僕の妻になる女性だよ」
兄に紹介された女性は俺が昔付き合っていた彼女の一人だった。


「明子、弟のユズルだよ。仲良くしてあげて」

「えぇ、もちろんよ」







兄と結婚した明子は俺の義理の姉になった。

「ユズル君、私のこと覚えていないの?」

「なんのことでしょうか?」

「そう‥‥」






「ユズル君、私のこと、覚えていないの?」

「覚えているよ。」
会う度に何度も聞かれるその言葉にいい加減腹が立った俺はつい、そう答えてしまった。


「そうでしょう?私達はお互いが忘れられない関係よね?」

あぁ、ようやく、はっきり思い出せたよ。

この病的に思い込みが激しい女が怖くて俺は逃げだしたんだ。

「私ね。ユズル君が大好きだからお兄さんと結婚したの。あなたの周りの人が全部好きだから、その全部を私が愛してあげる。私の深い愛に感動した?」

あぁ、懐かしいよ、その理解不能な思考回路‥‥‥







それから、俺もいかれた女と結婚したんだ。
愛はなかった。
ただ、最高にいかれた女と結婚したかったんだ。

「明子さんを、とっちめてくるわ?私のユズル君を自分のものだって言うのよ?」

「あぁ、おかしな女だね?俺はすっかり君のものなのにねぇ」

「ふふっ、でしょう?私、今日こそは決着をつけてくるわ!!」

「うん、頑張って!!」

毒には毒を。どっちが生き残っても俺はかまわない。

いかれた女同士が戦っているあいだは、俺たち兄弟は安全なのだから‥‥
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みんなの感想(1件)

群馬より愛を込めて

う〜ん、愛されすぎるのも怖いのかな?一度はそーゆー経験もしてみたいけどね😊

2020.10.30 青空一夏

群馬より愛をこめて様🌹
今日もありがとう😊
あはは、確かに
え?でも、怖いと思う😓

解除

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