[完結]貴女は、ほんとうに友人なの?ー友人も婚約者も奪おうとするのはなぜ?

青空一夏

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7 義妹を虐めるのは許さないわよ?(サラブレット視点)

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私は、サラブレッド・ダイア侯爵令嬢で、隣国のナベル侯爵家の嫡男の婚約者だ。
この婚約者が大好きな私は、もちろん彼の妹のことも、こっそりと見守っていたわ。

隣のクラスにいる気弱そうな美人がリリアン・ライト子爵令嬢だ。
わけあって、養女になっているけれど、すぐにもとに戻れるはずだった。

けれど、最近のリリアンのまわりには、おかしな女がつきまとっていた。

やたら、人の会話に入り込みたがり、主導権を握るのが得意だという。
少し調べたら、借金だらけの男爵令嬢で、なんとかして人の人脈に入り込んで玉の輿を狙いたいと思っているらしいのが見てとれた。

注意してみると、必ず自分より爵位の高い金持ちにおべっかをつかっているのがわかった。

向上心もけっこう! 玉の輿を狙うのも、別に責めないわよ? でもね、私の未来の義理の妹に、ちょっかい出してもらっては困るわ。

婚約者のイーストン様が女装したのには驚いたけれど、リリアンは女性にしては背が高いし、いつもの10センチヒールをぺったんこにすればバレそうもなかった。

女性は、皆、10センチヒールを履いて、すらりと見せるのが今の流行なのよ? 
それが、幸いしたわね。少しぐらいの誤差なら、誤魔化せそうだ。

そうして、あの日、皆で一緒にお昼を食べて・・・・・・最後にリリアンのふりをしたイーストン様が、なにかをマドレーヌに言って怖がらせたようだったが、私も、念を入れておこうかしら?

次の日、私は大勢が通る学園の廊下で、マドレーヌを呼び止めた。

「マドレーヌ様がリリアン様のお屋敷に呼ばれたことがありましたわね? あそこで、ちょっとしたペンダントがなくなったらしいのよ。あら、貴女が今しているのは、とてもよく似ているのね?」

これだけで充分なのを私は知っている。人は、面白おかしく噂をしたい習性があるのよ?

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