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13 アリゼはアドリアン王太子殿下の婚約者? / 私にも運が向いてきた、ヒャッホーー
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「矛盾だらけのこんな大嘘を誰が信じるんだ? シドニーの弟は気が狂っているのかな? 本当に血のつながりはあるのかい?」
ケビンおじ様が呆れ、お父様も怒りで声を震わせた。
「こんなものと兄弟だなんて思いたくもないよ」
私がスープの件を話すと、お父様もケビンおじ様もアドリアン王太子殿下もさらに怒る。
「こいつにはもうなんの情けもいらん。徹底的に潰そう」
とお父様。
「やはりこんな奴は生かしておけん」
とケビンおじ様。
「もちろんですよ。まずは仕掛けていきましょう。これからショータイムのはじまりですね」
3人がとても黒い笑みを浮かべたので、私も軽く真似をしてみる。
ところがすぐさま、アドリアン王太子殿下に窘められた。
「アリゼ嬢はそんな顔をしたらダメだよ。これからは、わたしがずっと守ってあげるから無邪気に微笑んでいなさい」
アドリアン王太子殿下が私の手に口づけたので思わず顔が赤くなる。
「アリゼは充分頑張ったよ。これからはわたし達大人の出番さ。安心しておいで」
お父様の言葉は心強く胸に響いた。
「そういえば、お父様はどこにいらっしゃったの?」
「実は記憶喪失になっていてね。ここには数日前に来たばかりさ。シアニア国側の海辺に流されて漁師に助けられ、しばらくその手伝いをしていたんだ。記憶が戻り自宅に戻ったが、すでに見知らぬ人達が住んでいて仰天したよ。それでケビンのもとを訪れたというわけさ。アリゼがゴドフロアの屋敷にいると聞いて、わたしはケビンに殴りかかったのさ。アリゼはとても危険なことをしていたんだよ? ゴドフロアは殺人犯だ。そんな男の屋敷に作戦のためとはいえ住むなんて。他に方法はなかったのかい? ケビン」
プリプリと怒り始めるお父様に、ケビンおじ様もたじたじだ。
「お父様、私がケビンおじ様に頼んだのよ。なんとしても、ゴドフロア叔父様に復讐したかったの」
「可哀想に。復讐ならわたしがかわりにいくらでもしてあげる」
私の手を包み込むようにして一瞬触ると、いきなり腰を抱きお姫様抱っこをしたアドリアン王太子殿下。私が目を白黒させてお父様に助けを求めると、お父様はにっこりと笑った。
「王太子殿下には婚約の申し込みを受けている。わたしは大賛成だよ。彼は、幼い頃から優秀で誠実だった。嫌なら自分で断って良いから、その腕でもつねってやりなさい」悪戯っぽく笑うお父様に、私はアドリアン王太子殿下の腕をつねろうと顔を見上げた。
(全く、いくら王太子殿下だからっていきなりすぎるわ! 私にだって拒む権利はあるのよ)
そう思いながら見上げた彼の顔は・・・・・・蒼く澄んだ切れ長の目元が涼しげに笑い、銀髪がキラリと光る。高い鼻梁と形のいい唇から真珠のような歯がのぞき・・・・・・。
(えっと、私って面食いではなかったはずだけど)
「・・・・・・つねるのはやめておくわ。今はね」
やっと出てきた言葉は、ずいぶんと穏やかなものだった。
「一生つねられないように気をつけるよ」と耳元でささやく彼の声は甘くて低い。
(待って、待ってぇーー。再会したばかりで、なんでこんな展開なのぉ)
ドギマギする私にアドリアン王太子殿下は当然のように言った。
「わたし達はもうずっと前から婚約者だよ。迎えに来ると、あの時に約束しましたよね?」
(ちょこっとゴドフロア視点)
「ふふふ。やったぞ!! なんとあのシアニア国王があの大作を購入なさるとは。おまけにこのわたしを舞踏会に招待してくださるという。なになに・・・・・・家族同伴で来るようにだと? 困ったな・・・・・・兄上の絵のことはなにも話していないのに・・・・・・まぁこの機会だから殺したことは伏せて、遺産の絵を売ったことだけ言えばよかろう。今まで知らなかったことにして・・・・・・」
妻とブロンシュに話したらなんの疑問も持たず、素直に大金が入ることだけを喜んでいた。アリゼがいなくなっても、二人とも全く気にならないらしい。もとから、アリゼを煙たがっていた妻と娘だから当然と言えば当然か。全てが上手くいったと思うと、笑いが止まらない。
あらかじめあのごろつき達には金も払っていたし、御者にも退職金をたんまりはずんだ。他国で暮らすように、と言い含めたから、全ては指示通りにしたのだと思う。御者に馬車までやったのは我ながら気前がいいお人好しだと思うが、これから入ってくる大金を思えば安いものさ。なにしろ、シアニア国王からの直々のご招待状だぞ。ひゃっほーー。わたしにもついに運がむいてきたんだ。これからは良いことづくしに違いない。
ケビンおじ様が呆れ、お父様も怒りで声を震わせた。
「こんなものと兄弟だなんて思いたくもないよ」
私がスープの件を話すと、お父様もケビンおじ様もアドリアン王太子殿下もさらに怒る。
「こいつにはもうなんの情けもいらん。徹底的に潰そう」
とお父様。
「やはりこんな奴は生かしておけん」
とケビンおじ様。
「もちろんですよ。まずは仕掛けていきましょう。これからショータイムのはじまりですね」
3人がとても黒い笑みを浮かべたので、私も軽く真似をしてみる。
ところがすぐさま、アドリアン王太子殿下に窘められた。
「アリゼ嬢はそんな顔をしたらダメだよ。これからは、わたしがずっと守ってあげるから無邪気に微笑んでいなさい」
アドリアン王太子殿下が私の手に口づけたので思わず顔が赤くなる。
「アリゼは充分頑張ったよ。これからはわたし達大人の出番さ。安心しておいで」
お父様の言葉は心強く胸に響いた。
「そういえば、お父様はどこにいらっしゃったの?」
「実は記憶喪失になっていてね。ここには数日前に来たばかりさ。シアニア国側の海辺に流されて漁師に助けられ、しばらくその手伝いをしていたんだ。記憶が戻り自宅に戻ったが、すでに見知らぬ人達が住んでいて仰天したよ。それでケビンのもとを訪れたというわけさ。アリゼがゴドフロアの屋敷にいると聞いて、わたしはケビンに殴りかかったのさ。アリゼはとても危険なことをしていたんだよ? ゴドフロアは殺人犯だ。そんな男の屋敷に作戦のためとはいえ住むなんて。他に方法はなかったのかい? ケビン」
プリプリと怒り始めるお父様に、ケビンおじ様もたじたじだ。
「お父様、私がケビンおじ様に頼んだのよ。なんとしても、ゴドフロア叔父様に復讐したかったの」
「可哀想に。復讐ならわたしがかわりにいくらでもしてあげる」
私の手を包み込むようにして一瞬触ると、いきなり腰を抱きお姫様抱っこをしたアドリアン王太子殿下。私が目を白黒させてお父様に助けを求めると、お父様はにっこりと笑った。
「王太子殿下には婚約の申し込みを受けている。わたしは大賛成だよ。彼は、幼い頃から優秀で誠実だった。嫌なら自分で断って良いから、その腕でもつねってやりなさい」悪戯っぽく笑うお父様に、私はアドリアン王太子殿下の腕をつねろうと顔を見上げた。
(全く、いくら王太子殿下だからっていきなりすぎるわ! 私にだって拒む権利はあるのよ)
そう思いながら見上げた彼の顔は・・・・・・蒼く澄んだ切れ長の目元が涼しげに笑い、銀髪がキラリと光る。高い鼻梁と形のいい唇から真珠のような歯がのぞき・・・・・・。
(えっと、私って面食いではなかったはずだけど)
「・・・・・・つねるのはやめておくわ。今はね」
やっと出てきた言葉は、ずいぶんと穏やかなものだった。
「一生つねられないように気をつけるよ」と耳元でささやく彼の声は甘くて低い。
(待って、待ってぇーー。再会したばかりで、なんでこんな展開なのぉ)
ドギマギする私にアドリアン王太子殿下は当然のように言った。
「わたし達はもうずっと前から婚約者だよ。迎えに来ると、あの時に約束しましたよね?」
(ちょこっとゴドフロア視点)
「ふふふ。やったぞ!! なんとあのシアニア国王があの大作を購入なさるとは。おまけにこのわたしを舞踏会に招待してくださるという。なになに・・・・・・家族同伴で来るようにだと? 困ったな・・・・・・兄上の絵のことはなにも話していないのに・・・・・・まぁこの機会だから殺したことは伏せて、遺産の絵を売ったことだけ言えばよかろう。今まで知らなかったことにして・・・・・・」
妻とブロンシュに話したらなんの疑問も持たず、素直に大金が入ることだけを喜んでいた。アリゼがいなくなっても、二人とも全く気にならないらしい。もとから、アリゼを煙たがっていた妻と娘だから当然と言えば当然か。全てが上手くいったと思うと、笑いが止まらない。
あらかじめあのごろつき達には金も払っていたし、御者にも退職金をたんまりはずんだ。他国で暮らすように、と言い含めたから、全ては指示通りにしたのだと思う。御者に馬車までやったのは我ながら気前がいいお人好しだと思うが、これから入ってくる大金を思えば安いものさ。なにしろ、シアニア国王からの直々のご招待状だぞ。ひゃっほーー。わたしにもついに運がむいてきたんだ。これからは良いことづくしに違いない。
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