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1 レオナード王太子殿下との初顔合わせ
私はステファニー・ジュベール。ルコント王国のジュベール侯爵家の一人娘で、私の婚約者はレオナード・ルコント王太子なの。婚約したのは10歳の頃で、レオナード王太子殿下も同じ年齢だったわ。
初対面のご挨拶時のことよ。私は王宮に両親と向かったわ。その日はとても晴れた日だった。青空は澄みきって雲ひとつ無くて、太陽はまぶしく輝いていたけれど、穏やかな陽射しだった。ときおりふく風も爽やかだったから、庭園の豪華なガゼボにかぐわしい紅茶が用意されていた。最も高級とされているブドウやマスカットのような風味の紅茶の香りが庭園に漂う。
「ほぉ、ジュベール侯爵よ。まさに天使のように愛らしいご令嬢ではないか。レオナードよ、そなたの婚約者になるステファニー嬢と仲むつまじく過ごすのだぞ。ステファニー嬢、こちらが王太子のレオナードだ。将来の伴侶としてぜひ支えてやってほしい」
「まぁ、綺麗なブロンドに青い瞳ね。ゴールデンブロンドは最も高貴な血筋の象徴ですからね」
キャサリン王妃殿下は満足そうにほほえんだ。このルコント王国ではブロンドの髪が好まれる。ブロンドは四種類ほどあり、プラチナブロンド、ストロベリーブロンド、ハニーブロンド、ゴールデンブロンドとあり、最も高貴とされているのがゴールデンブロンドだった。もちろん、国王陛下夫妻もレオナード王太子殿下もその髪色だ。ちなみに瞳の色も青が好まれている。高位貴族は大抵この髪色と瞳色なのよ。
「まるで一対のお人形のようで、とても可愛らしいわ。王族は常に民のお手本になるべきですからね」
キャサリン王妃殿下のお言葉にお母様は深くうなづいた。
「もちろんでございます。私達はステファニーを厳しくしつけてまいりました。ですから、必ずや民のお手本になる王太子妃様になることと確信しております」
初めての顔あわせは王宮の色とりどりの花が咲き乱れる宮廷内の庭園。ジュベール侯爵家は由緒ある家柄で、領地経営はうまくいっていたし、多くの事業を展開し投資も手広くおこなっていた。同じ年齢の私が王太子の婚約者に選ばれるのは必然だった。
政略結婚、まだ幼い私にはその意味が具体的にはわからない。不安げにレオナード王太子殿下を見つめれば、彼はにこりと顔をほころばせた。
「これほど可愛いステファニーを婚約者にできる僕は幸運だよ。ずっと大切にするからね」
それは私を一生守るという、頼もしい誠実な誓いに聞こえた。私はまだ10歳だったけれど、異性を好きになる感情は既にある。かぐわしい紅茶の香りと、花々が放つ甘い香りが私の気持ちを高揚させた。
「精一杯これから努力をして、レオナード王太子殿下を支えられるようにがんばりますね」
「可愛いことを言ってくれるね、ありがとう。僕にはずっと君だけだ」
国王陛下夫妻とお父様達が大人の話を始めると、私達は手を繋ぎながら散策を始めた。レオナード王太子殿下はピンクの薔薇の前で足を止め、一輪手折り、私の髪にそっと挿す。
「愛らしいステファニーにはピンクの薔薇がぴったりだよ」
そっと頬に落ちてくるキスが、初恋の甘酸っぱさを教えてくれたわ。ぱっとその瞬間から周りの景色が華やぐ。
私ね、この瞬間、恋に落ちたの!
だから、この方の為に頑張るわ!
初対面のご挨拶時のことよ。私は王宮に両親と向かったわ。その日はとても晴れた日だった。青空は澄みきって雲ひとつ無くて、太陽はまぶしく輝いていたけれど、穏やかな陽射しだった。ときおりふく風も爽やかだったから、庭園の豪華なガゼボにかぐわしい紅茶が用意されていた。最も高級とされているブドウやマスカットのような風味の紅茶の香りが庭園に漂う。
「ほぉ、ジュベール侯爵よ。まさに天使のように愛らしいご令嬢ではないか。レオナードよ、そなたの婚約者になるステファニー嬢と仲むつまじく過ごすのだぞ。ステファニー嬢、こちらが王太子のレオナードだ。将来の伴侶としてぜひ支えてやってほしい」
「まぁ、綺麗なブロンドに青い瞳ね。ゴールデンブロンドは最も高貴な血筋の象徴ですからね」
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「まるで一対のお人形のようで、とても可愛らしいわ。王族は常に民のお手本になるべきですからね」
キャサリン王妃殿下のお言葉にお母様は深くうなづいた。
「もちろんでございます。私達はステファニーを厳しくしつけてまいりました。ですから、必ずや民のお手本になる王太子妃様になることと確信しております」
初めての顔あわせは王宮の色とりどりの花が咲き乱れる宮廷内の庭園。ジュベール侯爵家は由緒ある家柄で、領地経営はうまくいっていたし、多くの事業を展開し投資も手広くおこなっていた。同じ年齢の私が王太子の婚約者に選ばれるのは必然だった。
政略結婚、まだ幼い私にはその意味が具体的にはわからない。不安げにレオナード王太子殿下を見つめれば、彼はにこりと顔をほころばせた。
「これほど可愛いステファニーを婚約者にできる僕は幸運だよ。ずっと大切にするからね」
それは私を一生守るという、頼もしい誠実な誓いに聞こえた。私はまだ10歳だったけれど、異性を好きになる感情は既にある。かぐわしい紅茶の香りと、花々が放つ甘い香りが私の気持ちを高揚させた。
「精一杯これから努力をして、レオナード王太子殿下を支えられるようにがんばりますね」
「可愛いことを言ってくれるね、ありがとう。僕にはずっと君だけだ」
国王陛下夫妻とお父様達が大人の話を始めると、私達は手を繋ぎながら散策を始めた。レオナード王太子殿下はピンクの薔薇の前で足を止め、一輪手折り、私の髪にそっと挿す。
「愛らしいステファニーにはピンクの薔薇がぴったりだよ」
そっと頬に落ちてくるキスが、初恋の甘酸っぱさを教えてくれたわ。ぱっとその瞬間から周りの景色が華やぐ。
私ね、この瞬間、恋に落ちたの!
だから、この方の為に頑張るわ!
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