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アイザックの処分その1(アイザックside)アイザックはこんな人だった。※不快に思う表現あり R18かな

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 私は、上品でお高くとまっている女は大嫌いだ! 貴族の女は、どいつもこいつも皆、プライドばかり高くて私が言ったことの半分もできない。

 まず、女は私の言うことに愛想良く相づちを打つべきだ。どんなことを言っても優しく受け止めろよ! 反抗的な目や、口答えは許さない。
 次に、私が言った通りの言葉を話すこと、私が望む返答を考えながら言わなければならない。そして、望んだ通りのあの行為も喜んで受け入れろ。どうせ、女なんて子供を産ますかあの行為を楽しむ欲望のはけ口でしかない。
なのに、最近の女は平民ですら生意気だ。手首を縛っただけで、変態と言われ尻を少し叩いただけでサドと呼ぶ。

 全く、なんて世の中だ! その日も、女を買って、やりながら少し首を絞めたら、『人殺しぃーー』と叫ばれた。
ふざけるな! あんなもんで、人間が死ぬか! バカ女が!

 そう思いながら、夜の飲み屋街を歩いていた。ふと、目にとまって入った店にリリィがいた。黒目黒髪のふっくらした頬の健康そうな女だった。話し方も笑い方も、育ちは底辺だろうが、こいつの素直なところが気に入った。

 私が、なにを言っても愛想良く笑い、困るようなことを言っても怒らない。試しに、この女に楽しいことを提案した。大抵、眉をひそめて白い目で見られ呆れられることだ。

「外の公園でやらないか? 金はたっぷりやろう。 ついでに、尻も叩きたい」

「はい、いいですよ。ですが、避妊具はつけてくださいね!」

 朗らかに、当たり前のように返事をしてきた女は初めてだった。やった! 私は奴隷を手に入れたようなものだ。ならば、私の専属にしてやろう。

「避妊なんてしなくていい。子供はできたら産めばいいさ。部屋を借りてやるし、店は辞めろ。私が行くときは部屋にいて私が望むことをさせてくれ。それだけで、お前は生活できるんだ。」

 リリィは、嬉しそうに頷いた。底辺のバカな女は、安あがりだな。それからは、天国だった。嫌なことがあれば、リリィのところに行き、縛って叩いても文句も言わない。嬉しいことがあれば、一緒に酒を飲み朝まで思いっきりあの行為を楽しんだ。なにをやっても許される奴隷女だ。最高じゃないか!

 しかも、こいつはこんな安い狭い部屋でも、感謝さえしたんだ。どんだけ、貧乏だったんだよ! 笑いがとまらないよ。行く度に、数日分の暮らせる金を渡してやった。大金は渡さない。逃げられたら困るからな。

 そんな楽しい日々を過ごしていたら、母上が家柄が欲しいから結婚しろと言ってきた。

「相手はグレイス・カリブ伯爵令嬢ですよ。金で困っているから買いましょう」

 は? 母上が、おもしろいことを言った。買うだと? それなら、さすがにリリィのようなことはできないけれど、少しは楽しいことができるのかな?

 ところが、このグレイスは美しいだけでなんの役にも立たなかった。なに、ひとつ思い通りにならない。
グレイスは、戸惑ったような眼差しで私を見るだけだ。あぁ、こいつは伯爵家の娘だから私をバカにしているに違いない。カリブ伯爵家と言えば、かつては最も栄華を極めた大貴族のひとつだった。父親が生きていれば、準男爵など相手にもされなかったはずだ。あぁ、嫌だ。こんなプライドが高い役立たずより、リリィの方が数倍もいい!

 そう思って、せっせとリリィの部屋に通った。グレイスには子供が産まれないと私の両親は騒いでいたが、そもそも産まれるわけがない。グレイスとの行為は週に一回、義務で済ます儀式だったが、それも面倒になり月に一回するかしないかだ。それでも、私は両親と一緒になってグレイスを罵倒した。

 私がしないのはグレイスのせいだ。あいつが、少しも楽しませてくれないからだ。だから、妊娠しないのもこいつのせいだ。バカな女だ。もう両親もいないだから、尻尾を振って私の言いなりになっていれば可愛がったものを・・・・・・

「アイザック様! リリィは、貴方の子供を妊娠しました」

 リリィの言葉に心が躍った。嬉しいな。この素直な言いなり女と屋敷で堂々といちゃつける。

 グレイスを雑用女にして、楽しかったな。高貴な伯爵家のお姫様が、地ベタに這いつくばって生きている様を見るのはオペラよりずっと面白かった。

 私が、昔を思い出して、にやにやしていると、馬車が止り、王家の兵士が大きな屋敷の前で私を降ろした。

 屋敷から出てきた女主人が、いきなり灰色の染料を私の頭にぶっかけやがった。

「くそっ! なにをしやがる! ばばぁ!」

 私は、反射的にそう叫んで、後悔した。女のドレスの色は濃い紫。この国で濃い紫を着ることができるのは王と王妃と王の姉上だけだ・・・・・・

「おぉ、お前を首を長くして待っていたよ? 私は、とても退屈していた。しかし、しばらくは楽しいことができそうだ。そうだろう? 」
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