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14-3 ここは擬似体験歴史館、そしてセオは……
たった一人ぼっちでまた以前のような状況に遭遇し食べ物も飲み物もない。あの時は励まし合う仲間もいたが今は1人だ。どれぐらい時間が経ったんだろう。静まり返った空間の中で飢えと喉の渇きだけが生きていることを実感させる。
(こうしてじっとしているだけなのに腹も減れば喉も渇く。人間って不便だな)
以前のように仲間に食べられる恐怖はないが、ここまで来ると自分の腕でも噛み付いて食べてやろうかとも思う。
(誰か助けてくれよぉ。私はこんなところで死ぬのは嫌だ。ラーニーのせいだ!クソガキが!)
誰かのせいにしたくなってたまらない。
セオは塩飴を2つ現場監督からもらったのを思い出し、その1つを口に含ませて飛び上がる。
「うわぁーー!辛い!辛い! なんだよ?この飴?」
舌がピリッと痛む。辛すぎて痛い?
あまりの辛さに涙が出て咳と鼻水が止まらない。セオはふとイレーヌの顔を思い浮かべた。私がひどい風邪をひいて高熱を出したとき看病してくれたイレーヌの優しい顔を思い出したときに、ますます涙が溢れ出てくる。
この真っ暗な高温のジメッとした空間の中で1人寂しく死んでいくことを考えた時に走馬灯のように頭にめぐる様々な思い出。その中にはシェリルの顔は1つとしてなく裏切り続けてきたイレーヌの顔だけが思い浮かぶ……
(なぜイレーヌを大事にしなかったのかな……綺麗で性格もよくあんなにも私に尽くしてくれていたのに……)
ジャクソン兄上とグレイソン兄上も幼い頃から可愛がってくれた。兄上たちの出来の良さに自分が惨めになってやさぐれる前は、本当に憧れてあのようになりたいと心から望んだものだ。
人生のひとこまひとこまが頭の中で再生されていくと、自分の身勝手さと醜い心が客観的に見えてくる。今の今まで憎んでいたラーニーさえ、無邪気に私になついていた時期を思い出せば、あのように私に敵意を持つようになったのは自分自身の行いのせいだと納得した。
さっき死んだテディはとても不幸な生い立ちだった。孤児で生まれ親戚中をたらい回しにされ、ときには意味もなく殴られ虐待されて育ったと聞いている。それに比べて私はとても恵まれた環境で育ち家族から十分に愛をもらいながらも、足りないことばかりを不満に思い、今もっている幸せに満足することもなく自分を不幸だと思い込んでいた。
「あの宝石箱を売ってしまったのは申し訳なかったよ。ジャクソン兄上やラーニーにとっては大事なクララの形見だものな」
そうつぶやいて自分の手についたテディの血を眺めている私。……だがこの血からは妙な匂いがする。鼻に近づけてクンクンと匂いを嗅ぐとそれはトマトの匂い。……?なんで?
まさかと思いその血を少しだけ舐めると、なんとそれはホットドックによく合うケチャップの少し甘いあの味がしたのだった。
(私は頭までおかしくなったようだ。血がケチャップの味なんてあるわけないよ)
すると急に周りが明るくなり、さっきまで呻き苦しんでいた仲間たちのニコニコした姿がある。大怪我を負っているはずなのにみんなピンピンとしていたのである。
「もしかして、ここって……」
「あぁ、ここは本物の鉱山じゃないよ。昔の鉱山を真似て作った歴史館の一部さ。ここでは大昔の炭鉱夫の悲惨な生活や爆発の疑似体験ができるんだ」
「昔の炭鉱夫の大変さと不幸な事故の悲惨さをこうして後世に語りつがせるためにこのような歴史館が作られた。闇の部分の黒歴史を学ぶことによって、もう二度と悲劇的な事故を起こさないようにって意味なんだよ」
「では私は……」
「そうだよ、あんたはお灸をすえられていただけだよ。実際に死ぬことまでは誰も望んじゃいないさ」
「だってテディの手はもげていたじゃないか」
「ごめんよー。俺は実は幼い頃の事故で片手が元からないんだよ。今までは義手をつけていたんだ。それにこの血はケチャップだよ。食堂のおばさんたちが3日がかりで作ったものさ。もったいないよなぁ。ホットドッグにかければ最高においしいもんな」
テディはいつの間にかセオの横にいて、義手をカチリとその腕にはめる。
「お前生きていたのか! 死んだのかと思ったじゃないか!」
セオは騙されていたことに腹立たしくもあり怒りたくもあったが、どうにも笑いが止まらないしこんなに嬉しい事は無いと思う。
「俺は役者なんだよ。ここにいるのはみんな舞台俳優で、結構売れてる奴らばっかりなんだぜ。サラマンカ国王の王命で一芝居打ったってわけさ」
セオはテディのその言葉に納得する。
(こんなことを考えつくのはやっぱりラーニーだろうな。あいつは将来なかなか結婚できないな。イレーヌが好きすぎてこじらせそうだ。)
セオはラーニーの未来を思い描きニヤリと笑った。
「ちょっとは反省できるようになったようだからもうここは卒業だな。あそこは歴史館として大昔の炭鉱の様子を再現して実体験ができる場所だったわけだ。近年、わが国では事故は最小限に抑え衛生面にも気をつけ最新の設備でやっておるが、それでも事故が0%と言う事はなく仕事も決して楽なわけではない。気を引き締めて働かないとやはり事故につながる事は避けられない。気合を入れて働くことだ。5年も働けばイレーヌへの慰謝料は賄えると思う」
セオは後日サラマンカ国王陛下にそう言われ、今度は本物の炭鉱に異動することになった。
そこは確かに綺麗で最新の設備が整っていた。入浴施設もあり食堂も清潔で広く、個人には個室が一人一人与えられていた。労働時間もきっちり決められていて、昼休みはあったし夕方には仕事も終わりゆっくりとくつろげる時間も与えられる。今までの生活は嘘のようである。
夜になって空を見上げればやはり満天の星がそこにはあり、以前と違うセオがここにいる。同じ人間でありながら今は自分がしてきたことの醜さに嫌悪感しかない。
よくもあんなことができたものだ。今では信じられない。憑き物が落ちたかのような今のセオにはかつて行動が恥ずかしく浅ましく思えたのである。
(5年ここで頑張ろう。そしてポワゾン家に1度だけ行って心の底から謝ろう)
セオはそう固く心に誓った。
それから5年経ち……セオはポワゾン家には行かず謝罪の手紙だけを出すに留めた。あのようなことをしでかした手前、5年の月日が経ったとしてもポワゾン家の敷居は高すぎたのである。今は多くの観客に見られて舞台に立っている。
「お前なんかただの金ヅルだよ! 俺には極上の美女だけが似合う」
最低の言葉を吐くセオは、舞台の上では欠かせない憎まれ役だ。
悪役の気持ちはよくわかる。その妬みや相手を引きずり降ろしたい気持ち、自分だけが得をしたい小狡い気持ち、そんなものをセオは知っている。浮気者の気持ち、その身勝手な浅ましい本音もセオは知っている。かつて自分もそうであったからだ。
また別の芝居では、妻を思いやり子供を愛する家庭的な男を演じる。それはセオの理想として、こうであったらいいなという気持ちを込めて演技をするのだ。セオは舞台の上で様々な人物になることができた。とても優秀な宰相にも勇敢な騎士にも国王にさえなり、そこで演じる楽しさと経験はセオを虜にした。
「セオ! とても有名になったね。俺より良い役をどんどんこなしていくなぁ」
セオの傍にはすっかり親友になったテディの姿があった。
セオは炭坑夫の生活を5年した後に舞台俳優になったのだ。今は人を羨むこともなくなり、ただひたすら演技に打ち込んでいる。
それから5年後、サラマンカ王国を代表するような舞台俳優になったセオはラーニーと再会することになるが……
(こうしてじっとしているだけなのに腹も減れば喉も渇く。人間って不便だな)
以前のように仲間に食べられる恐怖はないが、ここまで来ると自分の腕でも噛み付いて食べてやろうかとも思う。
(誰か助けてくれよぉ。私はこんなところで死ぬのは嫌だ。ラーニーのせいだ!クソガキが!)
誰かのせいにしたくなってたまらない。
セオは塩飴を2つ現場監督からもらったのを思い出し、その1つを口に含ませて飛び上がる。
「うわぁーー!辛い!辛い! なんだよ?この飴?」
舌がピリッと痛む。辛すぎて痛い?
あまりの辛さに涙が出て咳と鼻水が止まらない。セオはふとイレーヌの顔を思い浮かべた。私がひどい風邪をひいて高熱を出したとき看病してくれたイレーヌの優しい顔を思い出したときに、ますます涙が溢れ出てくる。
この真っ暗な高温のジメッとした空間の中で1人寂しく死んでいくことを考えた時に走馬灯のように頭にめぐる様々な思い出。その中にはシェリルの顔は1つとしてなく裏切り続けてきたイレーヌの顔だけが思い浮かぶ……
(なぜイレーヌを大事にしなかったのかな……綺麗で性格もよくあんなにも私に尽くしてくれていたのに……)
ジャクソン兄上とグレイソン兄上も幼い頃から可愛がってくれた。兄上たちの出来の良さに自分が惨めになってやさぐれる前は、本当に憧れてあのようになりたいと心から望んだものだ。
人生のひとこまひとこまが頭の中で再生されていくと、自分の身勝手さと醜い心が客観的に見えてくる。今の今まで憎んでいたラーニーさえ、無邪気に私になついていた時期を思い出せば、あのように私に敵意を持つようになったのは自分自身の行いのせいだと納得した。
さっき死んだテディはとても不幸な生い立ちだった。孤児で生まれ親戚中をたらい回しにされ、ときには意味もなく殴られ虐待されて育ったと聞いている。それに比べて私はとても恵まれた環境で育ち家族から十分に愛をもらいながらも、足りないことばかりを不満に思い、今もっている幸せに満足することもなく自分を不幸だと思い込んでいた。
「あの宝石箱を売ってしまったのは申し訳なかったよ。ジャクソン兄上やラーニーにとっては大事なクララの形見だものな」
そうつぶやいて自分の手についたテディの血を眺めている私。……だがこの血からは妙な匂いがする。鼻に近づけてクンクンと匂いを嗅ぐとそれはトマトの匂い。……?なんで?
まさかと思いその血を少しだけ舐めると、なんとそれはホットドックによく合うケチャップの少し甘いあの味がしたのだった。
(私は頭までおかしくなったようだ。血がケチャップの味なんてあるわけないよ)
すると急に周りが明るくなり、さっきまで呻き苦しんでいた仲間たちのニコニコした姿がある。大怪我を負っているはずなのにみんなピンピンとしていたのである。
「もしかして、ここって……」
「あぁ、ここは本物の鉱山じゃないよ。昔の鉱山を真似て作った歴史館の一部さ。ここでは大昔の炭鉱夫の悲惨な生活や爆発の疑似体験ができるんだ」
「昔の炭鉱夫の大変さと不幸な事故の悲惨さをこうして後世に語りつがせるためにこのような歴史館が作られた。闇の部分の黒歴史を学ぶことによって、もう二度と悲劇的な事故を起こさないようにって意味なんだよ」
「では私は……」
「そうだよ、あんたはお灸をすえられていただけだよ。実際に死ぬことまでは誰も望んじゃいないさ」
「だってテディの手はもげていたじゃないか」
「ごめんよー。俺は実は幼い頃の事故で片手が元からないんだよ。今までは義手をつけていたんだ。それにこの血はケチャップだよ。食堂のおばさんたちが3日がかりで作ったものさ。もったいないよなぁ。ホットドッグにかければ最高においしいもんな」
テディはいつの間にかセオの横にいて、義手をカチリとその腕にはめる。
「お前生きていたのか! 死んだのかと思ったじゃないか!」
セオは騙されていたことに腹立たしくもあり怒りたくもあったが、どうにも笑いが止まらないしこんなに嬉しい事は無いと思う。
「俺は役者なんだよ。ここにいるのはみんな舞台俳優で、結構売れてる奴らばっかりなんだぜ。サラマンカ国王の王命で一芝居打ったってわけさ」
セオはテディのその言葉に納得する。
(こんなことを考えつくのはやっぱりラーニーだろうな。あいつは将来なかなか結婚できないな。イレーヌが好きすぎてこじらせそうだ。)
セオはラーニーの未来を思い描きニヤリと笑った。
「ちょっとは反省できるようになったようだからもうここは卒業だな。あそこは歴史館として大昔の炭鉱の様子を再現して実体験ができる場所だったわけだ。近年、わが国では事故は最小限に抑え衛生面にも気をつけ最新の設備でやっておるが、それでも事故が0%と言う事はなく仕事も決して楽なわけではない。気を引き締めて働かないとやはり事故につながる事は避けられない。気合を入れて働くことだ。5年も働けばイレーヌへの慰謝料は賄えると思う」
セオは後日サラマンカ国王陛下にそう言われ、今度は本物の炭鉱に異動することになった。
そこは確かに綺麗で最新の設備が整っていた。入浴施設もあり食堂も清潔で広く、個人には個室が一人一人与えられていた。労働時間もきっちり決められていて、昼休みはあったし夕方には仕事も終わりゆっくりとくつろげる時間も与えられる。今までの生活は嘘のようである。
夜になって空を見上げればやはり満天の星がそこにはあり、以前と違うセオがここにいる。同じ人間でありながら今は自分がしてきたことの醜さに嫌悪感しかない。
よくもあんなことができたものだ。今では信じられない。憑き物が落ちたかのような今のセオにはかつて行動が恥ずかしく浅ましく思えたのである。
(5年ここで頑張ろう。そしてポワゾン家に1度だけ行って心の底から謝ろう)
セオはそう固く心に誓った。
それから5年経ち……セオはポワゾン家には行かず謝罪の手紙だけを出すに留めた。あのようなことをしでかした手前、5年の月日が経ったとしてもポワゾン家の敷居は高すぎたのである。今は多くの観客に見られて舞台に立っている。
「お前なんかただの金ヅルだよ! 俺には極上の美女だけが似合う」
最低の言葉を吐くセオは、舞台の上では欠かせない憎まれ役だ。
悪役の気持ちはよくわかる。その妬みや相手を引きずり降ろしたい気持ち、自分だけが得をしたい小狡い気持ち、そんなものをセオは知っている。浮気者の気持ち、その身勝手な浅ましい本音もセオは知っている。かつて自分もそうであったからだ。
また別の芝居では、妻を思いやり子供を愛する家庭的な男を演じる。それはセオの理想として、こうであったらいいなという気持ちを込めて演技をするのだ。セオは舞台の上で様々な人物になることができた。とても優秀な宰相にも勇敢な騎士にも国王にさえなり、そこで演じる楽しさと経験はセオを虜にした。
「セオ! とても有名になったね。俺より良い役をどんどんこなしていくなぁ」
セオの傍にはすっかり親友になったテディの姿があった。
セオは炭坑夫の生活を5年した後に舞台俳優になったのだ。今は人を羨むこともなくなり、ただひたすら演技に打ち込んでいる。
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