浮気現場を見たお父様の再婚相手ー仕組んだのは私‥‥

美しいお父様の恋人

私はお父様が大好きなのでずっと二人で暮らしたかった。お父様は今でも若々しくかっこいい私のヒーローなのだ。
けれど、あるとき、お父様は美しく上品な大人の女性を家に連れてきたわ。今までとは違う明らかに本命だ。



「よろしくね！千紗ちゃん。仲よくなれると、とても嬉しいわ」

ふわり、と微笑む女性は大人の色気がほのかに漂い、瞳には知性のかけらがきらめく。

「彼女は慶子。大学の教授だよ。専攻は物理学だ」


ーあぁ、やっぱり本気だ。今まで連れてきたガールフレンド達はモデルやら歌手だった。綺麗だけど薄っぺらな女たちは季節ごとにお父様の生活に彩りを添えていただけだ。でも、この女性はそれとは違う。お父様はインテリな女性がお好きなの。私の亡くなったお母様も学校の先生だった。


☆


「千紗ちゃん、もうお年頃だからそんなに足をだした服はよくないわ！」


「千紗ちゃん、この成績だとこの夏はボーイフレンドと遊びに行ってはダメよ。夏期講習を申し込みなさい」



段々と母親づらする慶子さんが、私は疎ましくなっていた。本当のお母様でもないくせに‥‥


そんなむしゃくしゃしていた時に、偶然、昔のお父様のガールフレンド達の一人に町で会って、私はいいことを思いついた。