浮気現場を見たお父様の再婚相手ー仕組んだのは私‥‥

私の悪巧み

「美玲さん、お父様は寂しがっているわ。本当はあなたが今でも好きなのよ？あなたに捧げる曲を今、書いているって言っていたわ」


私のお父様は有名な作曲家だから、この言葉は歌手の美玲さんを喜ばせた。彼女は慶子さんと比べたら上品さや優雅さはないが、ピチピチした若さがはじけていた。女は自分と違うタイプに激しく嫉妬する生き物だから、きっとちょうどいいわ。

「ほんとに？だったら、千紗ちゃんの家に行ってもいいかしら？お父様に会いたいわ」


「えぇ、いいわ！そうねぇ、三日後の朝八時がいいと思うわ。お父様はまだ寝ているはずよ。朝、起きた時にあなたがいたらとても嬉しがると思うわ」

「週末ね！オッケーよ」


週末は、必ず慶子さんが泊まりに来る。朝の八時半ぴったりにくる慶子さんが、美玲さんを見たらどうなるのかしら？私は、面白い悪戯を思いついた幼い子のように無邪気な微笑みを浮かべた。


私は、ほんのいたずらのつもりだった。