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2 思いがけない展開・・・・・・
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私がデミアン様と2,3回学園内で親しく会話をしただけで、姉はデミアン様に近づいてきた。
しきりに私からデミアン様を引き離そうと試みるのがおかしかったわ。
私達は協力しあって姉の作戦の裏をかいたが、それでも私の目を盗んではデミアン様を誘惑していたようだ。
「私の方がエリザベスより、よほどデミアン様を楽しませることができますよ」
などと言い、姉は胸の谷間をちらつかせたとデミアン様から聞いた。
「アクジョーはやたら僕の身体を触ってきたよ。それからお金の話もしてきたなぁ。お小遣いが欲しくないか? とか、ルルボン伯爵家の財政とかね、事細かく聞かれたんだ。ルルボン伯爵家は裕福ではないからお金でなびくと思ったのかもね」
デミアン様がお金目当てで動くような下品な人物ではないことが姉にはわからないようだ。
デミアン様の下校時に待ちぶせをしたり、誘いの手紙を何度も渡し続けた姉。その綺麗に書かれた手紙を私の前できっぱりと破ってくれたデミアン様には信頼と感謝しかなかった。
「大丈夫だよ。僕を信じて! 下劣なアクジョーなんかになびく僕ではないよ」
その言葉通り私達は愛を育むことができたが、お姉様は懲りずに私達のデートを邪魔しようともくろみ「デミアン様はダメよ! 早く別れなさい」と命令さえした。
ーーデミアン様は少しもお姉様を好きにはならなかった。そう、私だけを見つめていてくれたのよ!
「バカなお姉様ね。もう無理よ。邪魔はできないわ。だって、私のお腹には彼の子供がいるんですもの! 私はお姉様から解放されたいの! いまこそ私は自由になれるんだわ!」
胸を張ってそう言った私に姉は顔色が変わって大きく溜息をついた。
ーー私の勝ちだわ! お姉様からやっと私は自由になれる! あんなにショックをうけたような青ざめた顔は初めてよ!
「なんてこと・・・・・・。私から解放されたいですって? それほどあのデミアンが好きなの? それならば勝手になさい!」
姉は私にそう言ってもう二度と干渉してこなかった。
次第に大きくなっていくお腹のせいで学園に通えなくなり中退することになった私。急遽デミアン様と籍を入れルルボン伯爵家で義両親達と暮すことが決まった。
「これからよろしくお願いします・・・・・・」
「ちょっと持参金は持たせてもらったんでしょうね? 早く出しなさい!」
嫁いで来てすぐの挨拶で持参金を出すように命令された私は戸惑った。
「おい、出せよ。しっかり者のアクジョーお姉様は大事な妹にたんと持参金を渡したはずだぜ! 母上達の言うようにさっさと全部渡すんだ。そのお金はルルボン伯爵家のものなんだから」
優しい口調だったデミアン様は人が変わったようだった。
私はお金がたくさん詰まったトランクを彼らに渡すと義母はすばやくそれを奪い取った。
「学生で妊娠してしまうようなだらしない子を嫁に迎えてあげたんだから感謝しなさいよ。ダメナノ伯爵家は事業が大成功しているじゃない? もっと持参金をねだれなかったの? 使えない子ね! 」
そう言いながらトランクのお金を義両親達はニタニタしながら数えるのだった。
しきりに私からデミアン様を引き離そうと試みるのがおかしかったわ。
私達は協力しあって姉の作戦の裏をかいたが、それでも私の目を盗んではデミアン様を誘惑していたようだ。
「私の方がエリザベスより、よほどデミアン様を楽しませることができますよ」
などと言い、姉は胸の谷間をちらつかせたとデミアン様から聞いた。
「アクジョーはやたら僕の身体を触ってきたよ。それからお金の話もしてきたなぁ。お小遣いが欲しくないか? とか、ルルボン伯爵家の財政とかね、事細かく聞かれたんだ。ルルボン伯爵家は裕福ではないからお金でなびくと思ったのかもね」
デミアン様がお金目当てで動くような下品な人物ではないことが姉にはわからないようだ。
デミアン様の下校時に待ちぶせをしたり、誘いの手紙を何度も渡し続けた姉。その綺麗に書かれた手紙を私の前できっぱりと破ってくれたデミアン様には信頼と感謝しかなかった。
「大丈夫だよ。僕を信じて! 下劣なアクジョーなんかになびく僕ではないよ」
その言葉通り私達は愛を育むことができたが、お姉様は懲りずに私達のデートを邪魔しようともくろみ「デミアン様はダメよ! 早く別れなさい」と命令さえした。
ーーデミアン様は少しもお姉様を好きにはならなかった。そう、私だけを見つめていてくれたのよ!
「バカなお姉様ね。もう無理よ。邪魔はできないわ。だって、私のお腹には彼の子供がいるんですもの! 私はお姉様から解放されたいの! いまこそ私は自由になれるんだわ!」
胸を張ってそう言った私に姉は顔色が変わって大きく溜息をついた。
ーー私の勝ちだわ! お姉様からやっと私は自由になれる! あんなにショックをうけたような青ざめた顔は初めてよ!
「なんてこと・・・・・・。私から解放されたいですって? それほどあのデミアンが好きなの? それならば勝手になさい!」
姉は私にそう言ってもう二度と干渉してこなかった。
次第に大きくなっていくお腹のせいで学園に通えなくなり中退することになった私。急遽デミアン様と籍を入れルルボン伯爵家で義両親達と暮すことが決まった。
「これからよろしくお願いします・・・・・・」
「ちょっと持参金は持たせてもらったんでしょうね? 早く出しなさい!」
嫁いで来てすぐの挨拶で持参金を出すように命令された私は戸惑った。
「おい、出せよ。しっかり者のアクジョーお姉様は大事な妹にたんと持参金を渡したはずだぜ! 母上達の言うようにさっさと全部渡すんだ。そのお金はルルボン伯爵家のものなんだから」
優しい口調だったデミアン様は人が変わったようだった。
私はお金がたくさん詰まったトランクを彼らに渡すと義母はすばやくそれを奪い取った。
「学生で妊娠してしまうようなだらしない子を嫁に迎えてあげたんだから感謝しなさいよ。ダメナノ伯爵家は事業が大成功しているじゃない? もっと持参金をねだれなかったの? 使えない子ね! 」
そう言いながらトランクのお金を義両親達はニタニタしながら数えるのだった。
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