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美貌の出戻り王女様は大切な、何かを見つける
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「はぁーあの子爵の次男坊、なかなかいい筋肉よねぇーー。うーーん、あっちの侯爵の三男もよいわ」
私はもう33歳の出戻りなんだけど、年下が好物なのよ。
「マリアンヌ!いい加減になさい!隣国の年上のおじいちゃん皇帝に嫁がせたのは悪かったわ。でも、もうめでたく離婚して戻ってこれたのだから、同じ年頃の方をお選びなさい」
「え?嫌よ。だって、30歳すぎた男ってお腹がでててきて、醜いわ」
「マリアンヌ!男性は容姿じゃないのよ?」
「じゃぁ、なによ?」
「思いやりです!経済力と思いやり、これさえあれば、なんとかやっていけます!」
☆
ーー思いやりねぇ?それって、どうやって測るの?
私は、産まれたときから一緒にいる侍女長に聞いたわ。
「ねぇ、男性の思いやりってどうやってわかるの?」
「思いやり‥‥姫様がとても困った状況に陥った時に、さりげなく助けてくれるかどうかでしょうかねぇ?」
ーー困った状況?ってなに?
☆
「私ね、お父様に勘当されそうなのよ?誰の子かわからないけれど妊娠したわ」
「「「「え!」」」」」
年下のボーイフレンド達はみんな去って行ったわ。
結構、薄情よね?あんなに愛を囁き合った仲なのに‥‥
☆
「何だと?マリアンヌと結婚したいだと?お、お前は専属騎士じゃないか!爵位もないくせに!」
いきなり、結婚したいとお父様に言ったのは、その話を護衛しながら立ち聞きしていた私の専属騎士だった。
「王女様は私の子供を妊娠したようです。結婚します!」
「え?なっ、なぁーーんだと?勘当だ!勘当!」
ちょっとぉーー頼んでもいないのになにしてくれるわけ?ほんとに勘当されちゃったじゃないの?
仕方ないから彼の故郷に一緒に行ってみたわ。
彼はなんでもやってくれた。嬉しそうに‥‥
「あのさ、他の男の子供なんて嫌じゃないの?」
「あぁ、全然です。姫様が産むのなら姫様の子です。姫様の子なら私の子です」
「ぶっ、なぁーーにその理屈?」
私は飲みかけたスープを吹いた。
三日後、私は王宮に戻った。妊娠など元からしていない私はお父様に白状してお母様からお小言をもらった。
☆
その騎士は私の側にはもういない。私がクビにしたから。半年後、侍女が私に一通の手紙を渡してきた。一枚の写真と短い手紙。
姫様、娘が産まれました!!
元騎士と農家の娘と生まれたての赤子の写真。
この忠誠心強い馬鹿騎士は、愛すべき婚約者が妊娠しているのに私と結婚しようとしたのだ。婚約者の娘も同意してなんと一緒に子育てを手伝うと言い出した。こんな馬鹿たちはクビにしてやったわ。そうよ、愛すべきお馬鹿さんたち。
私は帰る前に、城から持ってきたありったけの宝石をその農家の娘にあげた。ひときわ大きなルビーのペンダント以外は売って生活のたしにするように言った。産まれた子が女なら絶対に私のもとにそのルビーのペンダントをして訪ねてくるように約束させた。
さて、私はその忠義者の愛し子の義理の母になるべくお母様に話しかけた。
「お母様、元気な男の子を産ませてくれそうな男性を探してください!」
私はもう33歳の出戻りなんだけど、年下が好物なのよ。
「マリアンヌ!いい加減になさい!隣国の年上のおじいちゃん皇帝に嫁がせたのは悪かったわ。でも、もうめでたく離婚して戻ってこれたのだから、同じ年頃の方をお選びなさい」
「え?嫌よ。だって、30歳すぎた男ってお腹がでててきて、醜いわ」
「マリアンヌ!男性は容姿じゃないのよ?」
「じゃぁ、なによ?」
「思いやりです!経済力と思いやり、これさえあれば、なんとかやっていけます!」
☆
ーー思いやりねぇ?それって、どうやって測るの?
私は、産まれたときから一緒にいる侍女長に聞いたわ。
「ねぇ、男性の思いやりってどうやってわかるの?」
「思いやり‥‥姫様がとても困った状況に陥った時に、さりげなく助けてくれるかどうかでしょうかねぇ?」
ーー困った状況?ってなに?
☆
「私ね、お父様に勘当されそうなのよ?誰の子かわからないけれど妊娠したわ」
「「「「え!」」」」」
年下のボーイフレンド達はみんな去って行ったわ。
結構、薄情よね?あんなに愛を囁き合った仲なのに‥‥
☆
「何だと?マリアンヌと結婚したいだと?お、お前は専属騎士じゃないか!爵位もないくせに!」
いきなり、結婚したいとお父様に言ったのは、その話を護衛しながら立ち聞きしていた私の専属騎士だった。
「王女様は私の子供を妊娠したようです。結婚します!」
「え?なっ、なぁーーんだと?勘当だ!勘当!」
ちょっとぉーー頼んでもいないのになにしてくれるわけ?ほんとに勘当されちゃったじゃないの?
仕方ないから彼の故郷に一緒に行ってみたわ。
彼はなんでもやってくれた。嬉しそうに‥‥
「あのさ、他の男の子供なんて嫌じゃないの?」
「あぁ、全然です。姫様が産むのなら姫様の子です。姫様の子なら私の子です」
「ぶっ、なぁーーにその理屈?」
私は飲みかけたスープを吹いた。
三日後、私は王宮に戻った。妊娠など元からしていない私はお父様に白状してお母様からお小言をもらった。
☆
その騎士は私の側にはもういない。私がクビにしたから。半年後、侍女が私に一通の手紙を渡してきた。一枚の写真と短い手紙。
姫様、娘が産まれました!!
元騎士と農家の娘と生まれたての赤子の写真。
この忠誠心強い馬鹿騎士は、愛すべき婚約者が妊娠しているのに私と結婚しようとしたのだ。婚約者の娘も同意してなんと一緒に子育てを手伝うと言い出した。こんな馬鹿たちはクビにしてやったわ。そうよ、愛すべきお馬鹿さんたち。
私は帰る前に、城から持ってきたありったけの宝石をその農家の娘にあげた。ひときわ大きなルビーのペンダント以外は売って生活のたしにするように言った。産まれた子が女なら絶対に私のもとにそのルビーのペンダントをして訪ねてくるように約束させた。
さて、私はその忠義者の愛し子の義理の母になるべくお母様に話しかけた。
「お母様、元気な男の子を産ませてくれそうな男性を探してください!」
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