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私はエメ男爵家の長女マトゥタ。勉強が好きだったから成績は常に王立貴族学園でトップだった。ピンクの髪と瞳で色っぽい顔立ちの私はバカだと思われており、何度もカンニングを疑われ私だけに監視員がついたほどだ。なんの種も仕掛けもない、実力だとわかってもらうのに半年はかかった。
学年トップをずっと通してきた私は文官になり、王宮勤めが始まった。またそこでも不正に文官になったのではないかと疑われ、男性達からは性の対象としてセクハラを受け、女性達からは意味もなく目の敵にされた。
私は自分の髪を黒く染め伊達眼鏡をかけ、瞳がかくれるように前髪を伸ばす。大きめのバストはなるべく目立たないように細いウエストにはタオルを二重に巻き、身体の曲線美を隠すようになった。
それからはとても平穏な日々が続き、順調に出世していった。容姿が良くても私のようなタイプは損をするということを学ぶ。だから仕事場では常に染め粉と伊達眼鏡で武装をしてきたのだった。
一方、プライベートでは染め粉を落として眼鏡はかけない。オンとオフを使い分けて、それなりに楽しく生活をする日々だった。
職場でちょっとしたミスをし、助けてくれたのをきっかけに仲良くなった先輩は、ペリヤ男爵家次男のハーマン様。それから頻繁に話すようになり交際を申し込まれ、スピード結婚したのだが・・・・・・彼には武装した姿しか見せていなかった。
「わたしは派手な女が苦手だから君といると落ち着くんだよ」
このような言葉をいつも言われていたら、自分の本来の姿は見せづらかったのだ。
(まずいわ。私、素顔は決して地味じゃない。どちらかと言えば派手なのですが・・・・・・)
心の中でそうつぶやいたけれど、もうハーマン様が好きになっていたから隠し通すしかなかった。
初夜でも染め粉はつけたまま、身体は見せないように暗くしてもらい、短時間で事を終わらせていただく。ハーラン様は私が恥ずかしがり屋だと思い込んでいたので、少しも怪しまれなかった。
私は平凡な幸せを手に入れたの。同じ文官の先輩と結婚し、清く正しく生きる毎日にとても満足していたのだ。
ある日のこと、王立遊泳プールに泳ぎに行くのが趣味の私は、有給を取ってそこに向かう。プールに行くと染め粉がとれてしまうのでピンクの髪のまま、眼鏡はかけずに薄化粧をし水着を着て泳ごうとすると・・・・・・いつも見慣れた顔がこちらに向かって微笑みかける。
(まずい、なんで私だとわかったの?)
微笑みかけてきたのは私の夫ハーマンで、こちらに嬉しそうにやって来る。
「こんにちは! ここにはよくいらっしゃるのですか? わたしはマキシムと申します。素敵な美女のあなたのお名前を教えていただけませんか?」
私は夫にナンパされたのだった。
学年トップをずっと通してきた私は文官になり、王宮勤めが始まった。またそこでも不正に文官になったのではないかと疑われ、男性達からは性の対象としてセクハラを受け、女性達からは意味もなく目の敵にされた。
私は自分の髪を黒く染め伊達眼鏡をかけ、瞳がかくれるように前髪を伸ばす。大きめのバストはなるべく目立たないように細いウエストにはタオルを二重に巻き、身体の曲線美を隠すようになった。
それからはとても平穏な日々が続き、順調に出世していった。容姿が良くても私のようなタイプは損をするということを学ぶ。だから仕事場では常に染め粉と伊達眼鏡で武装をしてきたのだった。
一方、プライベートでは染め粉を落として眼鏡はかけない。オンとオフを使い分けて、それなりに楽しく生活をする日々だった。
職場でちょっとしたミスをし、助けてくれたのをきっかけに仲良くなった先輩は、ペリヤ男爵家次男のハーマン様。それから頻繁に話すようになり交際を申し込まれ、スピード結婚したのだが・・・・・・彼には武装した姿しか見せていなかった。
「わたしは派手な女が苦手だから君といると落ち着くんだよ」
このような言葉をいつも言われていたら、自分の本来の姿は見せづらかったのだ。
(まずいわ。私、素顔は決して地味じゃない。どちらかと言えば派手なのですが・・・・・・)
心の中でそうつぶやいたけれど、もうハーマン様が好きになっていたから隠し通すしかなかった。
初夜でも染め粉はつけたまま、身体は見せないように暗くしてもらい、短時間で事を終わらせていただく。ハーラン様は私が恥ずかしがり屋だと思い込んでいたので、少しも怪しまれなかった。
私は平凡な幸せを手に入れたの。同じ文官の先輩と結婚し、清く正しく生きる毎日にとても満足していたのだ。
ある日のこと、王立遊泳プールに泳ぎに行くのが趣味の私は、有給を取ってそこに向かう。プールに行くと染め粉がとれてしまうのでピンクの髪のまま、眼鏡はかけずに薄化粧をし水着を着て泳ごうとすると・・・・・・いつも見慣れた顔がこちらに向かって微笑みかける。
(まずい、なんで私だとわかったの?)
微笑みかけてきたのは私の夫ハーマンで、こちらに嬉しそうにやって来る。
「こんにちは! ここにはよくいらっしゃるのですか? わたしはマキシムと申します。素敵な美女のあなたのお名前を教えていただけませんか?」
私は夫にナンパされたのだった。
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