(完)妹の婚約者を誘惑したと言うけれど、その彼にそんな価値がありますか?

青空一夏

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ライアンは辺境地に行きました

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「ライアン。今なんて言いましたか?」
 
 エイゼル男爵夫人はさきほどまでは怒りで顔を赤くしていましたが、今はどのような感情からなのでしょう? 青ざめたお顔の額にはさらに青い血管が筋を立てて現れました。

「金髪とグリーンの瞳は男を誘うと、確かに言いましたか?」

「言いました。いや、言ってはいません」

 ライアンは顔を背けて肩を落としていますね。やっと気がついたようですね?

「ライアン! この母である私を見なさい。私の髪は? 私の目は? 何色に見えますか?」

「き、金髪です・・・・・・目はグリーン・・・・・・ですね」

「そうですよ! ついでに言えば、貴方の妹達もそうですね。こっ、この愚か者がっ!!」

「申し訳ありません。言葉使いを間違えました。誘っているのではなく、私を好きだと言っているように見えたのです。ジョセフィーヌの瞳が、あんまり綺麗で吸い込まれそうで、つい・・・・・・。あの、フレーク男爵家の娘より綺麗だから好きだったのです。だから、この気持ちを受け取ってください。ジョセだって、私のことがまんざら嫌いでもないはずなんです」

 その言葉にエイゼル男爵夫人は、今度は期待の色をこめた眼差しで私を見ていらっしゃいます。

「はぁーー。私が貴方を好きだったことは一度もないですね。さらに言えば、好きな女性に無理強いしますか? 貴方には誠意も愛情も感じられないし、私はそんな男性を好きになることは絶対ないです」

「なんだよ! 偉そうに! なんで侯爵家の娘になってんだよ! フレーク男爵家ではお前のことを探しいるぞ! やっぱり、メイドにしとけば良かっただとさ。なんでも『はい、はい』言って犬みたいだって笑ってたぞ! ルドレア侯爵、こいつはいかれた門番の娘にフレーク男爵がつきまとわれて生まれた子ですよ。フレーク男爵がいつも言っていました。『フレーク男爵家の厄介者』と。こんなのを実子にするなんてバカげてる! 目を覚ましてくださいよ」

「そうか。その”いかれた門番の娘”は私の実の妹だ。これには、ややこしい事情があってね。しかし、いかれた妹だったことは残念ながら認めるよ。が、お前ごときに妹や姪の悪口は言ってほしくないな。その処分が不満なら不服を申し立てるがいい。けれど、エイゼル男爵夫人! もし、そのような行動にでるとしたら、このルドレア侯爵家は全ての力を使い、エイゼル家を潰すことを約束しよう。さらには、貴女の二人の娘の婚約者にも伝えなくてはな。エイゼル男爵家はルドレア侯爵家を敵に回したと」







 その2週間後、エイゼル男爵夫人からお手紙が届きました。内容は、ライアンを勘当し辺境地に送ったと書いてありました。これに懲りてライアンの性根が少しでも良くなるといいのですがね。

 お母様は、とても機嫌が良いです。私は、これから王妃様とお約束があります。王妃様とのお茶会はまた明日お話したいと思います。

-・-・-・

 
※王家の舞踏会には、フレーク男爵家は出席しておりませんでした。まだ、フレーク男爵家ではジョセフィーヌが侯爵令嬢になったことは知りません。加えて、ジョセフィーヌの母親をまだ門番の娘だったと思いこんでいます。
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