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こんな偶然があるのなら、断罪だってすぐできそう
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私は王宮からのお迎えの馬車に乗り込みます。あら、けれど先客がおりました。
とても、身なりの良い男性です。
「はじめまして。私、ジョセフィーヌ・ルドレアと申します。よろしくお願いします」
「あぁ、楽にして。君のことは母上から聞いてるよ」
「母上様から?・・・・・・ですか?えっと、今日はとてもお天気が良くて気持ちの良い日ですわね?」
「あぁ、そうだね。とても、気持ちが良い日だ。貴女にも会えて嬉しい日だと思うよ」
その方は、優しく微笑むと私を真っ直ぐにみつめてきました。無駄に、色気があっていい笑顔です。ただ、私は綺麗な男性が苦手なのですよ。あの鬼畜の私のお父様がとても美しかったので、すっかりトラウマができたようです。あとあの”く”の方も見栄えが良かったのでね。
『綺麗な男性は鬼畜』これは、私にインプットされたとても重要な情報です。お母様には、まだ申し上げてはいませんがね。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
うららかな日差しが、馬車に差し込みプリズム効果なのでしょうか?
七色の光が馬車の中に反射します。馬車のソファはふかふかで、ほどよくクッションがきいております。馬車の揺れも混じって、少しづつ、瞼が重くなっていきます。
「眠いか? 王太子の前で寝るとは良い度胸だ」
そんな言葉が、遠くから聞こえてきますね。王太子? そんな、まさか・・・・・・うとうとしかけて、目を覚ますとなぜか向かい合って座っていたはずが、私の頭はあの男性に寄りかかっております。
「あのぅ・・・・・・なぜ、こちらに移られたのですか?」
「ん?あぁ、気にしなくてもよい。 寝ていなさい。 私の前でヨダレを垂らしながら寝る女性はおもしろいからね」
「え? 申し訳ありません・・・・・・ご無礼を・・・・・・私は、貴族ですが貴族としては育っていないので・・・・・・申し訳ありません」
「そうなのかい? 気にしなくてもいいよ。私だとて、王太子として育っていないのに急にこうなったからね。似たもの同士で、是非仲良くしよう」
そうなのですね。この方は、なぜかとても辛そうですね。あぁ、アドバイスをしてあげましょう。
「女優になるといいのですよ? 演技をするのです」
「は? 嫌みか? お前、私のことをどこまで知っている?」
先ほどまでの、優しい穏やかな口調が急に冷たくなりました。お顔付きも、まるで違い心なしか黒いオーラが見えるのは気のせいでしょうか?
「母上が、お前は王太子妃候補だと言った。お前、どうやって、母上をたらし込んだ?」
あぁ、なぜか、こんな展開になるのですね。敵意を向けてくる王太子にはため息しかでませんね。この方の認識で間違っていることが一つありますよね?私は声に出して申し上げましたよ。
「いいですか? 猫も杓子も王太子妃になりたいわけではありませんよ?」
「なんだ、その杓子とは?」
「さぁ、お母様と読んでいた本に書いてありました」
私が説明しようとすると、急にガクンと馬車が止り、女性の甲高い声が馬車のなかにも聞こえてきます。
「エラ! だいじょうぶ! なんてこと! 娘を轢くなんてどうしてくれるのよ? この馬車なら乗っているのは高位貴族様ね? 申し上げます。私は、オードリー・フレーク男爵夫人でございます。この御者が娘を轢きました」
「うわ! こんな偶然ってあるの?」
私は、いくらなんでもあり得ないと思い眉を潜めてため息をついた。王太子様は、さっと爽やかな笑顔を貼り付けてすぐに馬車から降りられましたよ。
「大丈夫ですか? 大変、申し訳ありませんでしたね。お詫びに、これからお茶会があります。手当も兼ねてお誘いしますよ。いかがですか?」
王太子様は、さきほどの黒いオーラは消し去り、あくまで優しく甘い声で誘うのでした。
「もちろんでございます。喜んで参加させていただきますわ」
うん、そうなりますよね。オードリーは、このような場合に辞退する女性ではありませんからね。意気揚々と馬車に乗り込んできた二人は私を見ると驚きの表情でこのような言葉を投げかけてきましたよ。
「なぜ、私の婚約者を誘惑したお姉様がいるの?」
「なんで、娼婦がここにいるのよ? お前は娼館に行ったはずでしょう?」
あぁ、お母様を呼ばなくては・・・・・・戦闘開始ですわ・・・・・・ちょうどいいですね?王妃様のいらっしゃるお茶会なら、裁判沙汰にもならず円満解決?しそうです。
とても、身なりの良い男性です。
「はじめまして。私、ジョセフィーヌ・ルドレアと申します。よろしくお願いします」
「あぁ、楽にして。君のことは母上から聞いてるよ」
「母上様から?・・・・・・ですか?えっと、今日はとてもお天気が良くて気持ちの良い日ですわね?」
「あぁ、そうだね。とても、気持ちが良い日だ。貴女にも会えて嬉しい日だと思うよ」
その方は、優しく微笑むと私を真っ直ぐにみつめてきました。無駄に、色気があっていい笑顔です。ただ、私は綺麗な男性が苦手なのですよ。あの鬼畜の私のお父様がとても美しかったので、すっかりトラウマができたようです。あとあの”く”の方も見栄えが良かったのでね。
『綺麗な男性は鬼畜』これは、私にインプットされたとても重要な情報です。お母様には、まだ申し上げてはいませんがね。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
うららかな日差しが、馬車に差し込みプリズム効果なのでしょうか?
七色の光が馬車の中に反射します。馬車のソファはふかふかで、ほどよくクッションがきいております。馬車の揺れも混じって、少しづつ、瞼が重くなっていきます。
「眠いか? 王太子の前で寝るとは良い度胸だ」
そんな言葉が、遠くから聞こえてきますね。王太子? そんな、まさか・・・・・・うとうとしかけて、目を覚ますとなぜか向かい合って座っていたはずが、私の頭はあの男性に寄りかかっております。
「あのぅ・・・・・・なぜ、こちらに移られたのですか?」
「ん?あぁ、気にしなくてもよい。 寝ていなさい。 私の前でヨダレを垂らしながら寝る女性はおもしろいからね」
「え? 申し訳ありません・・・・・・ご無礼を・・・・・・私は、貴族ですが貴族としては育っていないので・・・・・・申し訳ありません」
「そうなのかい? 気にしなくてもいいよ。私だとて、王太子として育っていないのに急にこうなったからね。似たもの同士で、是非仲良くしよう」
そうなのですね。この方は、なぜかとても辛そうですね。あぁ、アドバイスをしてあげましょう。
「女優になるといいのですよ? 演技をするのです」
「は? 嫌みか? お前、私のことをどこまで知っている?」
先ほどまでの、優しい穏やかな口調が急に冷たくなりました。お顔付きも、まるで違い心なしか黒いオーラが見えるのは気のせいでしょうか?
「母上が、お前は王太子妃候補だと言った。お前、どうやって、母上をたらし込んだ?」
あぁ、なぜか、こんな展開になるのですね。敵意を向けてくる王太子にはため息しかでませんね。この方の認識で間違っていることが一つありますよね?私は声に出して申し上げましたよ。
「いいですか? 猫も杓子も王太子妃になりたいわけではありませんよ?」
「なんだ、その杓子とは?」
「さぁ、お母様と読んでいた本に書いてありました」
私が説明しようとすると、急にガクンと馬車が止り、女性の甲高い声が馬車のなかにも聞こえてきます。
「エラ! だいじょうぶ! なんてこと! 娘を轢くなんてどうしてくれるのよ? この馬車なら乗っているのは高位貴族様ね? 申し上げます。私は、オードリー・フレーク男爵夫人でございます。この御者が娘を轢きました」
「うわ! こんな偶然ってあるの?」
私は、いくらなんでもあり得ないと思い眉を潜めてため息をついた。王太子様は、さっと爽やかな笑顔を貼り付けてすぐに馬車から降りられましたよ。
「大丈夫ですか? 大変、申し訳ありませんでしたね。お詫びに、これからお茶会があります。手当も兼ねてお誘いしますよ。いかがですか?」
王太子様は、さきほどの黒いオーラは消し去り、あくまで優しく甘い声で誘うのでした。
「もちろんでございます。喜んで参加させていただきますわ」
うん、そうなりますよね。オードリーは、このような場合に辞退する女性ではありませんからね。意気揚々と馬車に乗り込んできた二人は私を見ると驚きの表情でこのような言葉を投げかけてきましたよ。
「なぜ、私の婚約者を誘惑したお姉様がいるの?」
「なんで、娼婦がここにいるのよ? お前は娼館に行ったはずでしょう?」
あぁ、お母様を呼ばなくては・・・・・・戦闘開始ですわ・・・・・・ちょうどいいですね?王妃様のいらっしゃるお茶会なら、裁判沙汰にもならず円満解決?しそうです。
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