(完)妹の婚約者を誘惑したと言うけれど、その彼にそんな価値がありますか?

青空一夏

文字の大きさ
12 / 43

オードリーとお父様の処罰

しおりを挟む
 王妃様はおっしゃいました。

「愚かな話ですね。オードリーといいましたか? 貴方が義理の娘を娼館にやったというのなら大罪ですね。この国には、”目には目を歯には歯を”という法律があるのをご存じですか?それが、事実なら貴女は娼館に送られます」

「王妃様。諸悪の根源は今は亡き妹の夫のジョーダン・フレーク男爵です。あの者も呼びましょう」

 お母様は、お父様も呼ぶようにおっしゃり、フレーク男爵家が勢揃いすることになりましたよ。

 さきほどまで、呆然としていたオードリはお父様が来たことで勇気づけられたようです。俄然、目に生気が宿ってきましたよ。

「王妃様に申し上げます。娼婦になりたがったのはこの娘です。なぜなら、妹の婚約者を寝取ろうとするほどの男好きです。ですから、私どもは、良かれと思ってそうしたのですよ」


 新たにやって来たお父様は状況がよくおわかりになっていないようだ。神妙な顔つきで私とお母様を見つめていらしゃった。お母様は、そんなお父様に苦笑しながら女侯爵らしい威圧的な挨拶をなさいました。

「貴方がフレーク男爵か? なるほど、愚かな私の妹が好きそうな薄っぺらくも美しい男だな。私は貴方の妻だった門番の娘と名乗っていた、いかれた女の実の姉だ。ルドレア女侯爵だ。姪がとても貴方のお世話になったそうじゃないか? 今では、ジョセフィーヌは私の実子扱いの養女となっている。さぁ、貴方の大恩に私もお礼を言える。今日は誠に吉日だ。そう思うだろう?」

 お父様は、目を見開いて汗を大量に流しておられました。そんなに、今日は暑くはありませんがね。

「王妃様。実の娘を娼館にやろうとする貴族の男はどうしたらよいのでしょうか?」

 お母様は楽しむように王妃様に問いかけました。

「ふむ。それは、もちろん、”目には目を歯には歯を”でしょう? 男娼になればよい。少し歳はいっているが、まだ充分いい男ではないですか。客もそこそこ付きましょう。そして、そちらのオードリーは娼婦になると良いですね。男爵家はお取り潰しとしましょう。罪状は王太子暗殺未遂ですね」

「お待ちください。暗殺未遂?全く身に覚えがありません!」

「あら、まぁ。自分の妻も監督できないとは! あなたの妻は王太子の馬車に娘を飛び込まさせたのですよ?王太子と知っての狼藉でしょう?」

 王妃様は、にっこり笑いながら、さらに続けたのだった。

「私のお気に入りのジョセフィーヌ嬢にそのようなまねをして、ただですむと思いますか? ジョセフィーヌ嬢は次期女侯爵ですよ? 口答えは即ち死を意味します。 さぁ、選びなさい! 名誉ある死か、無様に生きるか?」

 王家の騎士達が、剣の刃をお父様につきつけました。

「し、死にたくはない。お願いです。助けてください。あぁ、ジョセフィーヌ! 王妃様に口添えしてくれ! 頼む。お前には、ちゃんとご飯も食べさせ、よくしてやっただろう? 恩知らずが。今こそ私の役に立て!」

 はぁーー、口添えですか? 困りましたね。

「王妃様。ぜひ、お父様は叩かれることが多い場所にしていただけませんか? 私はよく体罰を受けました。叩く人は叩かれることも好きだと聞いたことがあります。是非、温情をお願いいたします」


「あら、よく叩かれていたですって? ふーーん。そうですか。それならば、特別な場所がいいでしょうね?」

 さぁ、どこにお父様は連れていかれるのでしょうか? お母様は、『ジョセちゃんは、考えなくていいことですよ』とおっしゃいましたよ。


 さて、次は妹のエラの番ですね。そのお話はまた明日にしましょうね。





しおりを挟む
感想 159

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

小石だと思っていた妻が、実は宝石だった。〜ある伯爵夫の自滅

みこと。
恋愛
アーノルド・ロッキムは裕福な伯爵家の当主だ。我が世の春を楽しみ、憂いなく遊び暮らしていたところ、引退中の親から子爵家の娘を嫁にと勧められる。 美人だと伝え聞く子爵の娘を娶ってみれば、田舎臭い冴えない女。 アーノルドは妻を離れに押し込み、顧みることなく、大切な約束も無視してしまった。 この縁談に秘められた、真の意味にも気づかずに──。 ※全7話で完結。「小説家になろう」様でも掲載しています。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。

佐藤 美奈
恋愛
聖女のクロエ公爵令嬢はガブリエル王太子殿下と婚約していた。しかしガブリエルはマリアという幼馴染に夢中になり、隠れて密会していた。 二人が人目を避けて会っている事をクロエに知られてしまい、ガブリエルは謝罪して「マリアとは距離を置く」と約束してくれる。 クロエはその言葉を信じていましたが、実は二人はこっそり関係を続けていました。 その事をガブリエルに厳しく抗議するとあり得ない反論をされる。 「クロエとは婚約破棄して聖女の地位を剥奪する!そして僕は愛するマリアと結婚して彼女を聖女にする!」 「ガブリエル考え直してください。私が聖女を辞めればこの国は大変なことになります!」 「僕を騙すつもりか?」 「どういう事でしょう?」 「クロエには聖女の魔力なんて最初から無い。マリアが言っていた。それにマリアのことを随分といじめて嫌がらせをしているようだな」 「心から誓ってそんなことはしておりません!」 「黙れ!偽聖女が!」 クロエは婚約破棄されて聖女の地位を剥奪されました。ところが二人に天罰が下る。デート中にガブリエルとマリアは事故死したと知らせを受けます。 信頼していた婚約者に裏切られ、涙を流し悲痛な思いで身体を震わせるクロエは、急に頭痛がして倒れてしまう。 ――目覚めたら一年前に戻っていた――

幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。 そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。 たった一つボタンを掛け違えてしまったために、 最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。 主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?

【完結】瑠璃色の薬草師

シマセイ
恋愛
瑠璃色の瞳を持つ公爵夫人アリアドネは、信じていた夫と親友の裏切りによって全てを奪われ、雨の夜に屋敷を追放される。 絶望の淵で彼女が見出したのは、忘れかけていた薬草への深い知識と、薬師としての秘めたる才能だった。 持ち前の気丈さと聡明さで困難を乗り越え、新たな街で薬草師として人々の信頼を得ていくアリアドネ。 しかし、胸に刻まれた裏切りの傷と復讐の誓いは消えない。 これは、偽りの愛に裁きを下し、真実の幸福と自らの手で築き上げる未来を掴むため、一人の女性が力強く再生していく物語。

せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから

甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。 であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。 だが、 「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」  婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。  そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。    気がつけば、セリアは全てを失っていた。  今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。  さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。  失意のどん底に陥ることになる。  ただ、そんな時だった。  セリアの目の前に、かつての親友が現れた。    大国シュリナの雄。  ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。  彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。

【完結】新婚生活初日から、旦那の幼馴染も同居するってどういうことですか?

よどら文鳥
恋愛
 デザイナーのシェリル=アルブライデと、婚約相手のガルカ=デーギスの結婚式が無事に終わった。  予め購入していた新居に向かうと、そこにはガルカの幼馴染レムが待っていた。 「シェリル、レムと仲良くしてやってくれ。今日からこの家に一緒に住むんだから」 「え!? どういうことです!? 使用人としてレムさんを雇うということですか?」  シェリルは何も事情を聞かされていなかった。 「いや、特にそう堅苦しく縛らなくても良いだろう。自主的な行動ができるし俺の幼馴染だし」  どちらにしても、新居に使用人を雇う予定でいた。シェリルは旦那の知り合いなら仕方ないかと諦めるしかなかった。 「……わかりました。よろしくお願いしますね、レムさん」 「はーい」  同居生活が始まって割とすぐに、ガルカとレムの関係はただの幼馴染というわけではないことに気がつく。  シェリルは離婚も視野に入れたいが、できない理由があった。  だが、周りの協力があって状況が大きく変わっていくのだった。

処理中です...