(完)妹の婚約者を誘惑したと言うけれど、その彼にそんな価値がありますか?

青空一夏

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エラは思ったよりわかっていて、伝説の高級娼婦をめざすようです?

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 エラは、お父様とオードリーがうな垂れているのを見ていましたが急に私にすり寄ってきました。

「お姉様。あ、あの・・・・・・私は決してお姉様のことが嫌いとか”厄介者”などと思っていたわけではありませんよぉ。だって、私はまだ9歳です。なにもわからない子供なんですぅ。お姉様が侯爵令嬢なら妹の私も侯爵令嬢になれませんかぁ? だって、私達は姉妹ですよねぇ?」

 エラは私にそう言いながら、王太子様のこともチラチラ見ていました。

「やれやれ。幼いからと言って全てが許されるのなら、この世界に秩序はなくなりますよ。そもそも9歳の子供とはこのように愚かでしたかね。王妃様、このような子供はどうしたらよいでしょうね?」

「えぇ、もちろんですよ。全てが許される訳ではないでしょう。人里離れた修道院に行き、神に祈りを捧げ、書物を読み、人の役に立ちなさい。あの母親と父親から毒された価値観が全て塗り替えられた時は、そこから出ることもあるかもしれません」

「嫌です! 修道院なんて、おばあちゃんしかいないじゃない! 外にも出れず、お祈りだけしてろというの? 本なんて大嫌いなのに! 私は豪華なドレスを着て、お母様のように綺麗にお化粧して楽しいことだけをしていたいのに! 薄暗い修道院なんてまっぴらよ」

 エラは泣き叫んでいます。そんなに修道院とは嫌なところでしょうか?王太子様は呆れて王妃様におっしゃいました。

「母上! 人によっては温情もムチになることがあるようだ。この愚かな娘は、多分ずっとこのままなのだろう。だとすれば、彼女の望みを叶えてあげましょう。高級娼婦です。綺麗なドレスが着れて、場所だ」

 王太子は、黒い微笑を浮かべながらおっしゃいました。なにもわかっていないか、少しはわかっているのか、エラは喜んでいます。

「高級娼婦なら、高位貴族の愛人に納まって贅沢三昧したコーラ・パー○みたいになれるのね?それなら、そっちがいいわ」

 あら、思ったよりわかっていたようですね。コーラ・パー○は、宮廷の要人達の愛人になり豪奢な生活をおくったことで有名ですね。それを目指すと言うのならもう誰も止めません。

 ただ、妹のエラが勘違いしていることがありますよね? だれでも、コーラ・パー○のようになれるわけではないということ。そして、娼婦には絶頂期とともに、その逆も必ずあり、落ちぶれていく者の中には路上で死ぬ者も数多くいるということ。

 まぁ、いいでしょう。エラは満足そうですし、王妃様も呆れて何もそれ以上はおっしゃいませんでした。

 ただ、お父様とオードリーは王妃様に懇願していました。

「エラは修道院でお願いします。高級娼婦など絶対に無理です。娼婦同士で殺し合うことだってあると聞いたことがあります。身分の高い者には変態も多いとか。そんなところにエラはやれません」

 お父様は涙を流しながら訴えておりますが、王妃様は冷たいお顔で聞いておりましたよ。

「フレーク男爵、そこまで知っていながらジョセフィーヌには簡単に行かせようだな。それに、今の貴方は娘の心配より自分の心配をするべきだな。フレーク男爵が行く先は、もっと辛い場所だろうよ」

 お母様は、素晴らしい笑顔でおっしゃいましたよ。兵士達が3人を連れて行きます。お父様とオードリーは泣き叫びながら。エラは、楽しげな笑顔を浮かべながら・・・・・・

「やめろ! 放せ! 私はなにも悪いことはしていない! 男娼なんていやだぁーー」

「娼婦なんて嫌よぉーー。助けて! ジョセフィーヌ! 助けて! お願いよぉーーこの恩知らずめっ! 呪ってやるからな! お前を一生、呪ってやるーー」

「お姉様。さようなら! 私が権力を持つ日にまたお会いしましょうね」

 はい、さようなら! 申し訳ありませんが、そんな日は訪れないと思いますよ。だって、ここには王妃様も王太子様もいるのですよ。


 さぁ、彼らはどうなっていくのでしょうか?私は、王太子様に誘われて庭園をお散歩することにしますね。この続きは、また明日にいたしましょう。 

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