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6 カサンドラの地獄
※R18ざまぁ。後味悪いです。だいぶダークです。
あれから婚家のリンドマン男爵家に戻ったが、夫は冷めた顔で私を出迎えただけでなにも言わなかった。けれどこのまま何事もなく済むわけはなく、それから五日後に、ナーンアス帝国紋章をつけた白衣姿の看護婦が屋敷に訪れた。
「パイヤ男爵夫人からの依頼です。カサンドラ様、腕を出してください。今から血液を採取します」
リンドマン男爵家の応接室で注射器を持った看護婦が私に迫る。
「なぜ血なんて採るの?」
「”出生前親子確認鑑定”をする為です」
夫のジョナン・リンドマン男爵は拒む私の腕を抑え、看護婦は手慣れた様子で血を採った。それからジョナンは口腔内を検査キット専用綿棒といわれるものでこする。
(なんなの? そんなことでお腹の子どもが誰の子なんてわかるはずがないじゃない!)
「ナーンアス帝国の医学はとても進歩している、とパイヤ男爵夫人の手紙に書いてあった。これだけで親子関係があるかどうかわかるなんて素晴らしいと思いませんか? 今頃ベルラッテ侯爵もわたしと同じことをしている、と思うと笑ってしまいますがねぇ」
穏やかな声で話すジョナンだけれど、その瞳に強烈な怒りを浮かべている。
「こ、こんなもので親子関係があるかどうかなんてわかるはずがないですわ。詐欺です」
「詐欺? この世にカサンドラぐらい詐欺師の才能がある人間はいないと思いますよ。親友のふりが天才的に上手かった、とカロリーヌ様からの手紙にも書いてある」
パイヤ男爵夫人とカロリーヌは汚いことに、手紙で全てを夫に告げ口したのだ。
しばらくするとナーンアス帝国から鑑定結果なるものがこちらに届いた。結果は・・・・・・私の子供の父親はベルラッテ侯爵だという。
当然私は離縁され実家のミュール男爵家へ向かったが、あまりのことに立ち尽くす。屋敷が取り壊されている最中だったのだ。多くの職人が機材を使い屋敷を解体していた。
(お兄様や妹弟はどこに行ったの? これがパイヤ男爵家を怒らせた結果なの?)
「この跡地にはパイヤ男爵家経営の屠畜場ができるらしいわよ。屠殺場と食肉処理場ですって。貴族の屋敷を壊してそんなものになるって、珍しいわね」
道行く者の会話が聞こえ、私は身震いした。パイヤ男爵がどれほど怒っているかがわかったからだ。
身重の私はどこに行けばいい? あてもなくうろつき周り教会の前で倒れると意識を失った。出産まではその教会で預かってくれたが、すぐにパイヤ男爵家の使いが現れた。
「カロリーヌ様への慰謝料と今までパイヤ男爵家が援助したお金を返済してください。パイヤ男爵の依頼で来ました」
柄の悪い男が3人ほどだ。
もう私は嫌な予感しかしない・・・・・・私はどうなるの?
「あんたの選択肢は三通りあるよ。一つは一生真面目にコツコツ働き続ける人生。もう一つは、期間は5年だがかなり汚く臭い場所で仕事をする人生。あとのひとつは、半年という短期で職場も綺麗だが危険かもしれない人生。パイヤ男爵家への慰謝料や今までの援助金をお前自身が返す為に必要な選択肢だ」
「短い時間で済むほうがいいわ。一生働くにも汚くて臭い場所も嫌ですもの」
「後悔するなよ。まぁ、あんたみたいな女にはぴったりな末路かもな」
私はなぜか王宮に連れて行かれた。王宮の北塔に幽閉されている王弟の侍女として雇われたのだ。この王弟は精神異常者で歪んだ性癖もあり、侍女を強姦し何人も殺した罪で、こうして幽閉され二度と外にはでられない身だった。
(こんなの聞いてない。確かに王家から破格の給料が出そうな仕事だけれど・・・・・・殺されるかもしれないってこと?)
塔に入るなり、外から王家の騎士が鍵を閉めた。いきなり狂気の目をした男が襲いかかってきてドレスの裾をまくられる。
「やっと新しい女が来たよ。何日もつかなぁーー。長生きしたかったら僕の機嫌を損ねないようにねぇ」
背後から無理矢理犯されて、両手で首をゆっくりと締め付けた。
「くっくっくく。女ってさ、首絞めるとなんでアソコがキュッとなるのかなぁ。面白いよねぇ」
(終わった・・・・・・パイヤ男爵家を怒らせるとこうなるなんて・・・・・・思ってもいなかったのよ・・・・・・)
あれから婚家のリンドマン男爵家に戻ったが、夫は冷めた顔で私を出迎えただけでなにも言わなかった。けれどこのまま何事もなく済むわけはなく、それから五日後に、ナーンアス帝国紋章をつけた白衣姿の看護婦が屋敷に訪れた。
「パイヤ男爵夫人からの依頼です。カサンドラ様、腕を出してください。今から血液を採取します」
リンドマン男爵家の応接室で注射器を持った看護婦が私に迫る。
「なぜ血なんて採るの?」
「”出生前親子確認鑑定”をする為です」
夫のジョナン・リンドマン男爵は拒む私の腕を抑え、看護婦は手慣れた様子で血を採った。それからジョナンは口腔内を検査キット専用綿棒といわれるものでこする。
(なんなの? そんなことでお腹の子どもが誰の子なんてわかるはずがないじゃない!)
「ナーンアス帝国の医学はとても進歩している、とパイヤ男爵夫人の手紙に書いてあった。これだけで親子関係があるかどうかわかるなんて素晴らしいと思いませんか? 今頃ベルラッテ侯爵もわたしと同じことをしている、と思うと笑ってしまいますがねぇ」
穏やかな声で話すジョナンだけれど、その瞳に強烈な怒りを浮かべている。
「こ、こんなもので親子関係があるかどうかなんてわかるはずがないですわ。詐欺です」
「詐欺? この世にカサンドラぐらい詐欺師の才能がある人間はいないと思いますよ。親友のふりが天才的に上手かった、とカロリーヌ様からの手紙にも書いてある」
パイヤ男爵夫人とカロリーヌは汚いことに、手紙で全てを夫に告げ口したのだ。
しばらくするとナーンアス帝国から鑑定結果なるものがこちらに届いた。結果は・・・・・・私の子供の父親はベルラッテ侯爵だという。
当然私は離縁され実家のミュール男爵家へ向かったが、あまりのことに立ち尽くす。屋敷が取り壊されている最中だったのだ。多くの職人が機材を使い屋敷を解体していた。
(お兄様や妹弟はどこに行ったの? これがパイヤ男爵家を怒らせた結果なの?)
「この跡地にはパイヤ男爵家経営の屠畜場ができるらしいわよ。屠殺場と食肉処理場ですって。貴族の屋敷を壊してそんなものになるって、珍しいわね」
道行く者の会話が聞こえ、私は身震いした。パイヤ男爵がどれほど怒っているかがわかったからだ。
身重の私はどこに行けばいい? あてもなくうろつき周り教会の前で倒れると意識を失った。出産まではその教会で預かってくれたが、すぐにパイヤ男爵家の使いが現れた。
「カロリーヌ様への慰謝料と今までパイヤ男爵家が援助したお金を返済してください。パイヤ男爵の依頼で来ました」
柄の悪い男が3人ほどだ。
もう私は嫌な予感しかしない・・・・・・私はどうなるの?
「あんたの選択肢は三通りあるよ。一つは一生真面目にコツコツ働き続ける人生。もう一つは、期間は5年だがかなり汚く臭い場所で仕事をする人生。あとのひとつは、半年という短期で職場も綺麗だが危険かもしれない人生。パイヤ男爵家への慰謝料や今までの援助金をお前自身が返す為に必要な選択肢だ」
「短い時間で済むほうがいいわ。一生働くにも汚くて臭い場所も嫌ですもの」
「後悔するなよ。まぁ、あんたみたいな女にはぴったりな末路かもな」
私はなぜか王宮に連れて行かれた。王宮の北塔に幽閉されている王弟の侍女として雇われたのだ。この王弟は精神異常者で歪んだ性癖もあり、侍女を強姦し何人も殺した罪で、こうして幽閉され二度と外にはでられない身だった。
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塔に入るなり、外から王家の騎士が鍵を閉めた。いきなり狂気の目をした男が襲いかかってきてドレスの裾をまくられる。
「やっと新しい女が来たよ。何日もつかなぁーー。長生きしたかったら僕の機嫌を損ねないようにねぇ」
背後から無理矢理犯されて、両手で首をゆっくりと締め付けた。
「くっくっくく。女ってさ、首絞めるとなんでアソコがキュッとなるのかなぁ。面白いよねぇ」
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