(完結)本当に私でいいのですか?ーすっかり自信をなくした王女は・・・・・・

青空一夏

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9 あまりに歪められた真実と新たな展開(魔女が来た)(シルヴェスター視点)

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(シルヴェスター視点)


 母上を助け出してからずっと献身的に世話をしてくれたリリィ。傍らには私を産んだというロレインがおり右手の指が切られているけれど、自分のことよりも母上のことを心配して涙を浮かべている。

 ロレインとヒッタイト王国のアキレウス王から真実の話も聞けた。わたしは娼婦の子ではなく、母上の専属侍女だったデュヴァル侯爵家の三女ロレインの子だった。父上がわたしに思い込ませていた嘘は自分をひたすら美化するものだったのだ。

 リリィはロレインの血が滲む手を見てショックを受けていた。

(このような酷いことをしたブルジェ公爵は許せない)


 アキレウス王とも話し合い、見せしめの為に王都を引き回したうえに八つ裂きの刑に処すことにした。娘のエレアノールは戒律の厳しい修道院に送る。







 母上はそれから七日目に目覚め、少しづつ回復に向かっている。

「お腹の傷は一生残るけれど今が一番幸せよ。シルヴェスターに今までのことをちゃんと謝れたし、ロレインとも再会できた。それに、リリィ様がとても優しい女性だとわかりました。この女性は正妃に迎えるべきです。私が後ろ盾になりましょう。お兄様も賛同してくださいました」

「昔のことなど気にしないでください。真実を知ってしまえば、一番悪いのは父上だったのですから。あの狸オヤジ、わたしに嘘が伝わるように仕向けたのですよ。卑怯な男だ。母上と伯父上の後ろ盾があればリリィも心強いです」
 わたしは必ずリリィを妻に迎える。








 高位貴族達はこぞって自分の娘を正妃に推薦してくるし、リリィが王女ではないという噂は瞬く間に広まっていく。自分の娘を妃にしたい貴族達が流した噂は尾ひれがつき、リリィがいつのまにか奴隷の子になっている噂まであるのだ。


 私はリリィを正妃に迎えることを公表する。母上と伯父上(アキレウス王)の後ろ盾があるので、面と向かっては言えない貴族達が、なにやら企んでいるようだった。


 



 リリィとの婚約発表のパーティでそれは起こった。
「奴隷の子が王妃になるなんてバチ当たりです。その人間の本来の姿がわかるという大魔女様を異国から招きました。いくら王太后陛下の後ろ盾があっても、卑しい血筋の者は正妃にはなれません。さぁ、大魔女様。この女は奴隷の子ですよね?」
 ブルジェ公爵が失脚した後に台頭してきたフーベルトゥス公爵が、老女を連れて意気揚々とそう言い放ったのだった。



୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

次回はこの続きではなく、ブルジェ公爵の処刑シーンになります。
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