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16 ドビ王達の末路 & おまけ
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(俯瞰視点)
「わたしは王だぞ! この国の法律はわたしが決めるのだ。王の為の民であり、王は神なのだ。それを裁こうなど、お前らには天罰が下るぞ」
「そうよ、私達は神なのよ。だからなにをしても許されるわ。お前達の若さも美しさも自分のものにして何が悪いの?」
「そうよ! お母様の言う通りよ。お前達は私達の為に生きるのよ。家畜と同じだわ」
ドビ王もマミ王妃もホイットニーも言うことは同じだ。表情は戸惑っており顔は青ざめてはいても、思ったことは全てしゃべらずにはいられないのだ。
「お、お母様、困ったわ。こんなに洗いざらい話したくないのに、止められないのよ」
「わ、私もだわ。言いたくないのに口が勝手に動くのよ。ホイットニーをせっかくドビ王の娘として育てることに成功し王妃になれたのに」
「おい、今の言葉はどういう意味だ? まさかホイットニーはわたしの子供ではないのか?」
「えぇ、そうよ。ホイットニーの顔は私の護衛騎士ピエリックに似ているでしょう? 私はずっと彼を愛していたもの」
「こんのぉ、あばずれめ!」
王と王妃は罵り合い、裁判どころではなくなる。貴族達は比較的まともなウェルダン王子を即位させお飾りの王としたが、貴族同士の争いが絶えず起こりバイミラー王国は衰退、ムーアクラフト王国の属国となる。
ドビ王達は国外追放となり、ホイットニーは見世物小屋にいる。
「頭がツルツルで、それ以外は毛だらけの人間のような猿ですよぉーー。不思議なことに人間の言葉はわかります」
出てきたのは恐ろしく太った毛むくじゃらの動物で、頭だけがハゲていた。
「あんた達のものは私のものよ。この世界は私のものなんだからぁーー」
そう言っているつもりのホイットニーだが、周りの客にはただキィキィわめいているようにしか聞こえないのだった。
ドビ王は浮浪者になり公園で寝ているし、マミ王妃は『熟女と楽しく夢の世界』という娼館で働く。
それぞれがお似合いの場所に収まり、同じような不満を口にしてどこに言っても嫌われた。それは思ったことをそのまま言ってしまうからなのだった。
デスティニー王妃の実家であったキッシンジャー家はムーアクラフト王国に領地を賜り、ドノヴァン・キッシンジャー公爵(デスティニー王妃の弟)としてやがてムーアクラフト王妃となった姪グラディスを支えた。
お終い
おまけ
ひなびた村にその兄妹は住んでいる。とても仲の良い二人は真っ白な猫を飼っていた。その猫は迷い猫でその兄妹に拾われたのだ。
それ以来、それまで病弱だった妹は嘘のように元気になり、家のことを完璧にこなすようになった。兄はやがてパン職人になり、妹はそのパンを売り、猫は店先で客を呼ぶ。
兄の名前はティモーテオ、妹はマイリ。猫の名前はミミだ。今日もその白い猫は、店先で愛想良く道行く人にニャンと鳴く。
「まぁーー、可愛い猫ちゃん。パン屋さんの猫ちゃんなのね?」
3人の子供を連れた母親が立ち止まる。
「ママ、猫の形のパンがあるよ。買ってよ、お願い」
「わぁーー、美味しそう! 食べたいなぁーー」
店内に並べられたパンを見て子供達がはしゃぎ、そのままパンを買っていく。それを見ていた通行人も数人つられてパンを買う。
その猫は『招き猫』と呼ばれ、やがて商売繁盛の象徴になったのはこの店がはじまりだとか・・・・・・
この兄妹はそれぞれ良い出会いがあり幸せな家庭を持ったが、いつも傍らには白い猫がいたという。
おしまい
「わたしは王だぞ! この国の法律はわたしが決めるのだ。王の為の民であり、王は神なのだ。それを裁こうなど、お前らには天罰が下るぞ」
「そうよ、私達は神なのよ。だからなにをしても許されるわ。お前達の若さも美しさも自分のものにして何が悪いの?」
「そうよ! お母様の言う通りよ。お前達は私達の為に生きるのよ。家畜と同じだわ」
ドビ王もマミ王妃もホイットニーも言うことは同じだ。表情は戸惑っており顔は青ざめてはいても、思ったことは全てしゃべらずにはいられないのだ。
「お、お母様、困ったわ。こんなに洗いざらい話したくないのに、止められないのよ」
「わ、私もだわ。言いたくないのに口が勝手に動くのよ。ホイットニーをせっかくドビ王の娘として育てることに成功し王妃になれたのに」
「おい、今の言葉はどういう意味だ? まさかホイットニーはわたしの子供ではないのか?」
「えぇ、そうよ。ホイットニーの顔は私の護衛騎士ピエリックに似ているでしょう? 私はずっと彼を愛していたもの」
「こんのぉ、あばずれめ!」
王と王妃は罵り合い、裁判どころではなくなる。貴族達は比較的まともなウェルダン王子を即位させお飾りの王としたが、貴族同士の争いが絶えず起こりバイミラー王国は衰退、ムーアクラフト王国の属国となる。
ドビ王達は国外追放となり、ホイットニーは見世物小屋にいる。
「頭がツルツルで、それ以外は毛だらけの人間のような猿ですよぉーー。不思議なことに人間の言葉はわかります」
出てきたのは恐ろしく太った毛むくじゃらの動物で、頭だけがハゲていた。
「あんた達のものは私のものよ。この世界は私のものなんだからぁーー」
そう言っているつもりのホイットニーだが、周りの客にはただキィキィわめいているようにしか聞こえないのだった。
ドビ王は浮浪者になり公園で寝ているし、マミ王妃は『熟女と楽しく夢の世界』という娼館で働く。
それぞれがお似合いの場所に収まり、同じような不満を口にしてどこに言っても嫌われた。それは思ったことをそのまま言ってしまうからなのだった。
デスティニー王妃の実家であったキッシンジャー家はムーアクラフト王国に領地を賜り、ドノヴァン・キッシンジャー公爵(デスティニー王妃の弟)としてやがてムーアクラフト王妃となった姪グラディスを支えた。
お終い
おまけ
ひなびた村にその兄妹は住んでいる。とても仲の良い二人は真っ白な猫を飼っていた。その猫は迷い猫でその兄妹に拾われたのだ。
それ以来、それまで病弱だった妹は嘘のように元気になり、家のことを完璧にこなすようになった。兄はやがてパン職人になり、妹はそのパンを売り、猫は店先で客を呼ぶ。
兄の名前はティモーテオ、妹はマイリ。猫の名前はミミだ。今日もその白い猫は、店先で愛想良く道行く人にニャンと鳴く。
「まぁーー、可愛い猫ちゃん。パン屋さんの猫ちゃんなのね?」
3人の子供を連れた母親が立ち止まる。
「ママ、猫の形のパンがあるよ。買ってよ、お願い」
「わぁーー、美味しそう! 食べたいなぁーー」
店内に並べられたパンを見て子供達がはしゃぎ、そのままパンを買っていく。それを見ていた通行人も数人つられてパンを買う。
その猫は『招き猫』と呼ばれ、やがて商売繁盛の象徴になったのはこの店がはじまりだとか・・・・・・
この兄妹はそれぞれ良い出会いがあり幸せな家庭を持ったが、いつも傍らには白い猫がいたという。
おしまい
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“““ ““ ““ ““ ““
感想ありがとうございます🙇🏻♀️
とても励みになります😆
えっと
どこに行ったんだろう🙄
熟女と楽しく夢の世界www
行きたいwww
( ˆ﹀ˆ٥)アハハハハ💦
熟女って人生の酸いも甘いも噛み分けているので
きっと祐様を暖かく包み込んでくれることでしょうꉂ(˃▿˂๑)
ヾ(*・ω・*)o イッテラ~♪
感想ありがとうございます🌈