(完)美貌の王に恋するお姫様(前7話)

青空一夏

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5 ヒッタイト国の王女・忘れられない面影・エステファニア王国に急いで行こう

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俺は、ヒッタイト国の王女と会って話をするが、少しも気持ちは動かない。

この王女は、私の国の情報ばかり知りたがる。

我が国が所有しているダイヤモンド鉱山の話ばかりだ。

「貴女は、料理をするかい?」

俺はこの王女に聞いたが、王女は明らかに気分を害していた。

「私は、ヒッタイト国の王女ですよ? 料理なんて! 下女のする仕事でしょう? 塩と砂糖の区別すらつきませんわ!」

「私は、料理が好きだよ。気分転換になるし、うまい物を作った時には、好きな女に食べさせてやりたい、とも思う」

私のその言葉に王女はバカにしたように笑った。

「大国の王ともあろう方が! 料理など、コックに任せておけばよいのです。王たるもの、領地拡大の為に他の国を征服する会議をするべきでしょう。私の父上は、着々と近隣の国を滅ぼしています」

胸をはって言う王女に、一生の伴侶にはできないと思った。国を滅ぼすということは、その国の民が路頭に迷い、多くの人が死ぬということだ。私は、領土は広げたいが、殺戮をくりかえしたいわけではない。

アイヤナなら、こんなことは、決して言わないな。

「タキス王! 私と結婚したら、あのダイヤモンド鉱山を一つ、私にくださらない? エメラルド鉱山でもいいわ。全ての持ち物に宝石をつけたら、きっと面白いわ」

あぁ、決定的に不合格だよ。宝石を全ての持ち物につけるだと? バカだろう? 

丁重にヒッタイト国にはお断り申し上げたのだった。


*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚


その後は、ヒッタイト国から、散々、嫌味を言われた。

「私の娘を断るとは、ともに世界征服を目指すのは諦めたのか?」

ヒッタイト国王から、いろいろなことを言われたが、好きでもない女を正妃になんかできるか!

「まさか、あの小国の姫に惚れたのですか? 愛より世界征服だと思っていました」

一緒に密偵に行った側近にからかわれた。

「あぁ、世界征服しても、傍らに愛する女がいなかったら面白くないことが、わかったようだ。領土を広げるより、オタリス国を豊かで強固な国に、より一層していく努力をするべきだと思う」

いかにも、良い感じのセリフを言った私に侍従が、急いで書状を持ってきた。

エステファニア王国からの書状には、
エステファニア王国のアイヤナ姫とエステファニア王国の公爵の婚約が正式に決定しました。

婚姻の日取りは半年後です。是非、出席していただきたく・・・・・・・・・

と、書いてあった。

いや、いや。それは、困るぞ!

「おい! 急いで、エステファニア王国のアイヤナ姫にプロポーズする用意をしろ! 急げ!」

私は、慌てて叫んでいたのだった。




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