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6 王妃様はなんでもお見通し(王妃様視点)
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私はエステファニア王国のイマニ王妃で、アイヤナ姫の母だ。たまたま、庭園を眺めていたら、侍女の格好をしたアイヤナが庭師の男と嬉しそうに話をしているのを見かけた。
これは、どうしたことだろうと、ずっとその様子を”王妃の間”から観察していた。そこは、私のプライベートサロンで一人でゆっくりと考えたい時には、この部屋に籠もることが多かった。
その相手の男の顔を確認した時に、私は息が止まるかと思うほど驚嘆した。
あれは、隣国のオタリス王国の若き獅子、タキス王ではないか! タキス王は、明王(めいおう)で広くしられる。
だが、同時に若さ故なのか、大胆不敵な王とも噂されていた。
敵陣へのスパイ行動を自ら行ったり、犯罪者を追って、自ら捕らえにくることも珍しくないと言われていたのも知ってはいたが、信じてはいなかった。
まさか、我が国にお越しいただけるとは、思いもよらないことだ。
なるほど、タキス王とは、美しいとは聞いていたが噂に違わずそのホワイトブロンドの髪とサファイアブルーの瞳は素晴らしい。美の男神も舌を巻くと思われるほどの容姿だった。
アイヤナは、頬を染めて憧憬の眼差しでタキス王を見つめていた。あぁ、我が娘よ、お前の男を見る目は確かだ。
しかし、あの男は簡単には手に入らない類いの男だ。私は、その夜にアイヤナ姫を王妃の間に呼んだ。
「お母様、どうかされましたか?」
「えぇ、貴女に課題をあげましょう。今日、庭園で侍女の服で話をしていた男性の正体を知っていますか?」
「正体?・・・庭師ですわよね?」
「そんなわけがないでしょう? あの風格とあの身体つきからして、わからなかったのですか? あの風格は産まれながらの王者にしかないもの・・・・・・そして、あの筋肉は剣術と武道を極めた者に特有のものです。あの方はオタリス王国のタキス王ですよ」
「え? まさか・・・・・」
「ふふふ、もうすぐあの方は、貴女に駆け落ちを持ちかけてきます。貴女はそれを受け入れて彼と王宮を出なさい」
私は、我ながらバカな計画を実行しようとしているのに呆れていた。だが、アイヤナ姫の恋はこんな形で演出した方が絶対、成功するはずだ。
美貌の王を虜にできるほどの、魅力は十分だけれど、普通に縁談を持って行くより変った方法の方がいいにちがいない。
「いいですか? タキス王がアイヤナに身分を打ち明けたら、アイヤナの勝ちです。自分の正体も明かさず、酷い男を演じるようなら貴女の負けですよ。試してみなさい」
私は、アイヤナにそう言ったのだった。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
「お母様、タキス王は、本当の身分をおっしゃってくださらなかったわ。それどころか、キスもしてくれなかったのよ」
王宮に戻ってきたアイヤナはすっかり、しょげているが・・・・・・
私は、嘘の書状をオタリス王国に送りつけてやった。
ヒッタイト国の王女と見合いをしたとは聞いているが、あの王女は残虐性が高くプライドの塊だと聞いたことがある。タキス王が、そんな王女を選ぶはずがないのだ。
それに・・・アイヤナには言わなかったが、男はどうでもいい女には手が早いものよ。大事だと思う女には、返って手が出せない生き物なのだ。
大丈夫・・・・・・タキス王はきっと来るわ・・・
※明王・・・優れた賢い王
これは、どうしたことだろうと、ずっとその様子を”王妃の間”から観察していた。そこは、私のプライベートサロンで一人でゆっくりと考えたい時には、この部屋に籠もることが多かった。
その相手の男の顔を確認した時に、私は息が止まるかと思うほど驚嘆した。
あれは、隣国のオタリス王国の若き獅子、タキス王ではないか! タキス王は、明王(めいおう)で広くしられる。
だが、同時に若さ故なのか、大胆不敵な王とも噂されていた。
敵陣へのスパイ行動を自ら行ったり、犯罪者を追って、自ら捕らえにくることも珍しくないと言われていたのも知ってはいたが、信じてはいなかった。
まさか、我が国にお越しいただけるとは、思いもよらないことだ。
なるほど、タキス王とは、美しいとは聞いていたが噂に違わずそのホワイトブロンドの髪とサファイアブルーの瞳は素晴らしい。美の男神も舌を巻くと思われるほどの容姿だった。
アイヤナは、頬を染めて憧憬の眼差しでタキス王を見つめていた。あぁ、我が娘よ、お前の男を見る目は確かだ。
しかし、あの男は簡単には手に入らない類いの男だ。私は、その夜にアイヤナ姫を王妃の間に呼んだ。
「お母様、どうかされましたか?」
「えぇ、貴女に課題をあげましょう。今日、庭園で侍女の服で話をしていた男性の正体を知っていますか?」
「正体?・・・庭師ですわよね?」
「そんなわけがないでしょう? あの風格とあの身体つきからして、わからなかったのですか? あの風格は産まれながらの王者にしかないもの・・・・・・そして、あの筋肉は剣術と武道を極めた者に特有のものです。あの方はオタリス王国のタキス王ですよ」
「え? まさか・・・・・」
「ふふふ、もうすぐあの方は、貴女に駆け落ちを持ちかけてきます。貴女はそれを受け入れて彼と王宮を出なさい」
私は、我ながらバカな計画を実行しようとしているのに呆れていた。だが、アイヤナ姫の恋はこんな形で演出した方が絶対、成功するはずだ。
美貌の王を虜にできるほどの、魅力は十分だけれど、普通に縁談を持って行くより変った方法の方がいいにちがいない。
「いいですか? タキス王がアイヤナに身分を打ち明けたら、アイヤナの勝ちです。自分の正体も明かさず、酷い男を演じるようなら貴女の負けですよ。試してみなさい」
私は、アイヤナにそう言ったのだった。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
「お母様、タキス王は、本当の身分をおっしゃってくださらなかったわ。それどころか、キスもしてくれなかったのよ」
王宮に戻ってきたアイヤナはすっかり、しょげているが・・・・・・
私は、嘘の書状をオタリス王国に送りつけてやった。
ヒッタイト国の王女と見合いをしたとは聞いているが、あの王女は残虐性が高くプライドの塊だと聞いたことがある。タキス王が、そんな王女を選ぶはずがないのだ。
それに・・・アイヤナには言わなかったが、男はどうでもいい女には手が早いものよ。大事だと思う女には、返って手が出せない生き物なのだ。
大丈夫・・・・・・タキス王はきっと来るわ・・・
※明王・・・優れた賢い王
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