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11 王家から解放される?
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「あたし達は下級メイドで家族を養う為に王宮勤めをしています。国王陛下に逆らいクビになることは死活問題でした。ですからなにを言われても従うことしかできません。国王陛下がコップに入れたそれを、あたし達に目の前で飲むように命令するのは珍しいことではありませんでした」
メイド達の悲痛な告白は気の毒としか言い様がない。
(私なら吐いちゃうわ。気持ち悪い・・・・・・)
コップに残った精液を持ってきて私に救いを求めたメイド達を慰め、それも検査機関に送ったのは我ながら良い思いつきだった。こんな好色な国王陛下にキース王子殿下以降、お子様が授からないのはおかしいと思ったから。なので私が親子鑑定とは別に依頼したのは国王陛下の精子検査よ。
「国王陛下の精液を調べていただいたら無精子症とのことでしたわ。おかしいと思い、それも侍女長達に尋ねたところ、キース王子殿下をキャサリン第2妃殿下が身籠もった直後に、国王陛下はおたふく風邪で高熱をお出しになり睾丸が腫れたと聞きました。そのようになると精巣が萎縮する可能性があり無精子症になるそうですわ。ですからマリーを妊娠させることができるわけがないのです」
「そ、そんなぁーー。だ、だったら、スタンフォード王太子殿下。やはりこのお腹の子はスタンフォード王太子殿下の子です! 私が勘違いしました。一緒にこの子を仲良く育てていきましょうね」
マリーは慌ててスタンフォード王太子殿下の腕をとりすり寄っていく。あらまぁ、また仲良しですわね。でしたら私からささやかなプレゼントをしなくてはいけないと思う。
「元サヤに収まれてなによりですわ。さっさと結婚なさって仲睦まじく一緒にお暮らしなさい。真実の愛を貫いている間は金銭の返還請求はしないで差し上げます。離縁したり別居すれば莫大なお金を私に返還する羽目になります。なぜなら私有財産の抵当権者の権利は私が買いましたから。それにお父様からせびっていた金銭も返していただきたいわ。とてもスタンフォード元王太子殿下に返せる金額ではないと思いますけれど」
「そんな・・・・・・こんな女と子供を育てろと言うのか? 俺の子かも怪しいのに?」
「あら、身の覚えがあるのならこの際どうでもよろしいではありませんか? 国王陛下を見習って大事に育ててあげてくださいね? 国王陛下もスタンフォード王太子殿下が他人の子であったのに愛を注がれたのですから」
「アラナ。お、俺が悪かったよ。子供が産めぬお前でも我慢してやるから、俺の妻でいろよ。お前は俺が王太子でなくなっても金持ちだから困らないだろう? 二人で仲良く生きていこう」
「お断りします! 真実の愛っていいですね、どうぞお幸せに!」
私はこれで王家から解放されるはず・・・・・・さぁ、実家に戻りましょう! そう思ったのに・・・・・・
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※下級メイド:この小説ではメイドも幾種類かに別れる。下級メイドは使用人のなかでも一番下のメイドで、洗濯やトイレ、水回りの掃除などをする女達。
メイド達の悲痛な告白は気の毒としか言い様がない。
(私なら吐いちゃうわ。気持ち悪い・・・・・・)
コップに残った精液を持ってきて私に救いを求めたメイド達を慰め、それも検査機関に送ったのは我ながら良い思いつきだった。こんな好色な国王陛下にキース王子殿下以降、お子様が授からないのはおかしいと思ったから。なので私が親子鑑定とは別に依頼したのは国王陛下の精子検査よ。
「国王陛下の精液を調べていただいたら無精子症とのことでしたわ。おかしいと思い、それも侍女長達に尋ねたところ、キース王子殿下をキャサリン第2妃殿下が身籠もった直後に、国王陛下はおたふく風邪で高熱をお出しになり睾丸が腫れたと聞きました。そのようになると精巣が萎縮する可能性があり無精子症になるそうですわ。ですからマリーを妊娠させることができるわけがないのです」
「そ、そんなぁーー。だ、だったら、スタンフォード王太子殿下。やはりこのお腹の子はスタンフォード王太子殿下の子です! 私が勘違いしました。一緒にこの子を仲良く育てていきましょうね」
マリーは慌ててスタンフォード王太子殿下の腕をとりすり寄っていく。あらまぁ、また仲良しですわね。でしたら私からささやかなプレゼントをしなくてはいけないと思う。
「元サヤに収まれてなによりですわ。さっさと結婚なさって仲睦まじく一緒にお暮らしなさい。真実の愛を貫いている間は金銭の返還請求はしないで差し上げます。離縁したり別居すれば莫大なお金を私に返還する羽目になります。なぜなら私有財産の抵当権者の権利は私が買いましたから。それにお父様からせびっていた金銭も返していただきたいわ。とてもスタンフォード元王太子殿下に返せる金額ではないと思いますけれど」
「そんな・・・・・・こんな女と子供を育てろと言うのか? 俺の子かも怪しいのに?」
「あら、身の覚えがあるのならこの際どうでもよろしいではありませんか? 国王陛下を見習って大事に育ててあげてくださいね? 国王陛下もスタンフォード王太子殿下が他人の子であったのに愛を注がれたのですから」
「アラナ。お、俺が悪かったよ。子供が産めぬお前でも我慢してやるから、俺の妻でいろよ。お前は俺が王太子でなくなっても金持ちだから困らないだろう? 二人で仲良く生きていこう」
「お断りします! 真実の愛っていいですね、どうぞお幸せに!」
私はこれで王家から解放されるはず・・・・・・さぁ、実家に戻りましょう! そう思ったのに・・・・・・
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※下級メイド:この小説ではメイドも幾種類かに別れる。下級メイドは使用人のなかでも一番下のメイドで、洗濯やトイレ、水回りの掃除などをする女達。
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