(完結)真実の愛っていいですね、どうぞお幸せに!

青空一夏

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12 儂は最も高貴な人間、いや神の末裔なんだぞ! (ジョーダン国王陛下視点)※R15

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(ジョーダン国王陛下視点)

 儂がメイドに自分の精液を飲ませてやってなにが悪い? 儂はこの国で一番偉い国王なのだぞ。ここでは儂が神であり法律ではないのか? しかも下級メイドなど家畜と一緒だ。貧しい平民出身で王宮の底辺の仕事をする女達。人間の姿をした家畜のようなものだと思う。その命さえも儂の自由になるどうでもいい存在。

 だが、そのようなメイドのなかにも若くて可愛い女が何人かいた。勿体ない話しだ。王宮勤めとはいえ下働きの仕事で、せっかくの可愛い顔もこのままではなんの役にも立たぬ。だったら儂が夢を与えてやろう。儂という神に等しき存在と交わる機会を与えることはメイド達の生き甲斐にもなろう。

 拒んだメイドなど一人もいない。皆喜んで儂に奉仕し儂の精液、いや液を飲み干したものさ。だからこの夜会でなぜ皆がそれほど儂を白い眼差しで見るのかわからん。

 男達まで眉をひそめる。本当は儂を羨ましいくせに。

「良く考えてみよ。メイド達にとっては栄誉であろう。儂のような高貴な男に相手にしてもらえ、貴重な液まで飲ませてもらったのだぞ? メイド達は皆儂にひざまずき礼を言った。つまりありがたがっていたのだ」

「まさかコップを使わずに直に飲ませていたこともあるのですか? それはメイド達はクビになりたくもないし、拒んで罪を着せられて処刑もされたくありませんからね。文句も言えず、父上になんでも従ったのでしょう。しかし、なんというみっともないことをなさるのか。抵抗できない女達にそのようなことを強要するとは、あなたの血がわたしにも入っているのかと思うとぞっとしますよ」

 キース王子が生意気にも儂にそのようなことを言ってくる。なぜ、わからんのだ? 同じ男なら儂の気持ちがわかるはずだろう?

「お前が儂の息子ならわかるだろう? 高貴な男は女達を支配する権利がある。メイドぐらいでなぜそれほど騒ぐ?
 お前だっていずれわかるさ。これは男の根本的な欲望なんだ。液をたくさんの女にばらまく。これは高貴な選ばれた男には当たり前に許される行為だろう? 聖なる体液・・・・・・ぶほっ」

 キャサリン第2妃が儂の右頬に拳を繰り出す。全く女のくせになんたる力だ。

「それ以上気持ちの悪い事を吐かないでくださいませ! ひと昔前なら通用した理屈かもしれませんが、今はそのような時代ではないのですよ。なにより自分に逆らえない女に強要することがダサいです。男なら自ら飲むと言わせるべきでしょう!」

(キャサリン第2妃よ、お前は儂のものを飲みたかったのかぁーー?)

「キャサリン第2妃よ、お前を第1妃に迎え儂のものを毎晩飲ませてやる栄誉を与えよう。お前は素直に儂を愛していると言えないだけなのだろう。だから王太子時代より儂に説教という形で、照れ隠しに関わりを持とうとしてきたのだろう? わかっているのだ」

「うげっ! 先ほどの発言はものの例えですわ。間違ってもこの私が飲みたいわけではございません! 気持ち悪い。それに、あなたが王太子の時代から一瞬たりとも愛など感じたことはありません。これは政略結婚で私の義務でした。お説教はあなたがあまりに怠け者だったのでしただけです」

(キャサリン第2妃よ、お前はなんて冷たい女だ。そうか! 今まで全力で愛してやらなかったから拗ねているのだな)

「許せ。これ以降は他の女には手をださぬ。お前だけに手をだそう。だからヤキモチはやめよ。みっともないぞ。儂を愛していない振りなどしなくて良い」

「はぁ? 私に手をだすですって? 結構です。とても迷惑ですし、そのまま国王でいられると思っていることが驚きですわ。二人の女性(ジェンナとマリー)に騙され王家の威信に傷をつけた愚王よ。これより主だった貴族達を集め議会にかけ処分を決めますわ。それまで北の塔に幽閉します」

 幽閉、なんでだ? 北の塔に閉じ込められる? ・・・・・・だが、メイドは付くよな?

「食事の用意や身の回りの世話は儂のお気に入りのメイドにさせてくれ」

「一番年老いた侍従にさせます。確か今年で77歳でしたかしら?」

「77歳・・・・・・男でもいいからもっと若くしてくれ。せめて25歳で・・・・・・」

「なにを考えているのですか! けがらわしいっ!」

 キャサリン第2妃の拳が今度は左頬に飛んできた。殴られた頬が熱を帯びてヒリヒリと痛む。

「あら、両頬がリンゴのほっぺのように赤くなって・・・・・・これでバランスがとれましたわね」

 にっこり笑ったのはアラナ王太子妃だ。この者さえ王宮に入れなければこのようなことにはならなかった。失敗した・・・・・・平民だと思い侮りすぎたのだ。

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