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エリーゼ、家出の準備をする!
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私は15歳になった。
貴族の子女が通う学園の入学式にはロベルト様も一緒に行ってくださった。
すれ違う女性はみんな、ロベルト様をあからさまに見て頬を染めている。
それは、そうだ、こんなに素敵な男性はいないもの。
ロベルト様は、大人の色気があって素敵だった。
「学校はどうだい?」ロベルト様はいつも聞いてくださる。
「楽しいです、公爵様」いつものように私は言う。
心の中ではロベルト様とよんでいるけれど、会話をするときは公爵様とお呼びしている。
「公爵様では他人行儀だな。お兄様ではどうかな?」
ロベルト様は顔をのぞき込んで優しく問いかけてきた。
「いやです!」
つい即答してしまう。ロベルト様はがっかりなされている。
「ロベルト様とお名前でよんではいけませんか?」
「いいとも。ロベルト兄さんでもいいよ?」
「絶対、いやです!」きっぱりと私は言い切った。
ひどいと思う。私はロベルト様が大好きなのに。お兄様なんてよんだら、恋人になれない。
私は、ロベルト様の恋人になりたいのだから!
そのために、魔法もマナーもダンスもがんばった。
すべてはロベルト様にふさわしくなりたいからだ。
侍女長のアンヌさんも、お似合いだと、いつも、私に言ってくれる。
女性として見てほしい。
◆
18歳になり、そろそろ学園の卒業も近い。
「エリーゼもそろそろ結婚相手を探さないとね!第一王子が申し込んできているが王家に嫁いでも窮屈なだけだろう。ラピス公爵家の長男とメディチ伯爵家の長男からも申し込みが来ている。政略結婚など気にしなくていい。好きな男を自由に選べばいい」
とおっしゃった。
「ロベルト様はどなたとご結婚なさるおつもりですか?」私は努めて平静さを装って尋ねた。
「第一王女を迎えようと思う」
「ロベルト様、大嫌いです!」私は自室のドアをバタンと思いっきり閉めると鍵をかけた。
第一王女は綺麗な優しい方だ。でも、そんな方がきたら、私はここにはいられない。
かといって、他の男性と結婚する気は全くない。
そうだ、ここを出て、1人で生きていこう。
幸い、私は能力が高い。水の魔法と薬草と組み合わせた治癒魔法も使える。
ロベルト様が私用にお金を貯めてくださっている一部を少しお借りすれば、小さな家ぐらい借りれるかもしれない。
そう思って計画を練っているとロベルト様が私の部屋をノックなさった。
「エリーゼ、プリンを一緒にどうだ?」
「いりません!」
「シャーベットは?」
「けっこうです!」
ロベルト様はすごすごと去って行かれた。
一週間ほど口も聞かなかった。
食欲もないし、学校にもいきたくない。
けれど、準備は着々と進めていた。
侍女長のアンヌさんに相談して屋敷を出たい、と言ったら
「いいお考えです」とにっこりされた。
貴族の子女が通う学園の入学式にはロベルト様も一緒に行ってくださった。
すれ違う女性はみんな、ロベルト様をあからさまに見て頬を染めている。
それは、そうだ、こんなに素敵な男性はいないもの。
ロベルト様は、大人の色気があって素敵だった。
「学校はどうだい?」ロベルト様はいつも聞いてくださる。
「楽しいです、公爵様」いつものように私は言う。
心の中ではロベルト様とよんでいるけれど、会話をするときは公爵様とお呼びしている。
「公爵様では他人行儀だな。お兄様ではどうかな?」
ロベルト様は顔をのぞき込んで優しく問いかけてきた。
「いやです!」
つい即答してしまう。ロベルト様はがっかりなされている。
「ロベルト様とお名前でよんではいけませんか?」
「いいとも。ロベルト兄さんでもいいよ?」
「絶対、いやです!」きっぱりと私は言い切った。
ひどいと思う。私はロベルト様が大好きなのに。お兄様なんてよんだら、恋人になれない。
私は、ロベルト様の恋人になりたいのだから!
そのために、魔法もマナーもダンスもがんばった。
すべてはロベルト様にふさわしくなりたいからだ。
侍女長のアンヌさんも、お似合いだと、いつも、私に言ってくれる。
女性として見てほしい。
◆
18歳になり、そろそろ学園の卒業も近い。
「エリーゼもそろそろ結婚相手を探さないとね!第一王子が申し込んできているが王家に嫁いでも窮屈なだけだろう。ラピス公爵家の長男とメディチ伯爵家の長男からも申し込みが来ている。政略結婚など気にしなくていい。好きな男を自由に選べばいい」
とおっしゃった。
「ロベルト様はどなたとご結婚なさるおつもりですか?」私は努めて平静さを装って尋ねた。
「第一王女を迎えようと思う」
「ロベルト様、大嫌いです!」私は自室のドアをバタンと思いっきり閉めると鍵をかけた。
第一王女は綺麗な優しい方だ。でも、そんな方がきたら、私はここにはいられない。
かといって、他の男性と結婚する気は全くない。
そうだ、ここを出て、1人で生きていこう。
幸い、私は能力が高い。水の魔法と薬草と組み合わせた治癒魔法も使える。
ロベルト様が私用にお金を貯めてくださっている一部を少しお借りすれば、小さな家ぐらい借りれるかもしれない。
そう思って計画を練っているとロベルト様が私の部屋をノックなさった。
「エリーゼ、プリンを一緒にどうだ?」
「いりません!」
「シャーベットは?」
「けっこうです!」
ロベルト様はすごすごと去って行かれた。
一週間ほど口も聞かなかった。
食欲もないし、学校にもいきたくない。
けれど、準備は着々と進めていた。
侍女長のアンヌさんに相談して屋敷を出たい、と言ったら
「いいお考えです」とにっこりされた。
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