(完)私の恋人を奪う人妻の姉

青空一夏

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かわいいイザベラの為に裁判を起こそう(マイロ男爵)

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 その日は、言いたいことをノートにたくさん書いて家庭裁判所にむかった。
家庭内のゴタゴタは、まずはこの裁判官が一人しかいない狭い裁判所でやると言われた。

 受付の女の無愛想さにも、心底、腹が立つ。
ここは、私らの税金で運営されているのだろう? ならば、あの女は私が雇ってやっているのと変わらないじゃないか!もう少し、この私に敬意を払っても良さそうなものだ・・・・・・全くこの国はなっとらんな。

 さて、案内された部屋は、殺風景で長い事務用のテーブルとパイプ椅子が並んでいるだけの部屋だ。こんな居心地の悪い部屋に私を案内するとは、けしからん! 

「もっと、良い部屋はないのか?」

 私が、声を張り上げると、後ろから赤い縁の眼鏡をかけた冷たい目つきの女が無表情で言った。

「ここはホテルじゃありませんよ? 物見遊山にでも来たつもりですか?」

 なんだと? 生意気な! ふと、クソ生意気な女の服を見ると、裁判官のバッチをつけていた。しまった。最初から心証を悪くしたかもしれない。

「さてと、あぁ、いらっしゃいましたね! メーガン・ワトソン前伯爵夫人! さぁ、始めましょうか?」

 メーガン・ワトソン前伯爵夫人、アーシャ様、ジェネシスまでいる。私は早速、攻撃を開始した。

「メーガン・ワトソン前伯爵夫人が、用もないのにやって来てずっと居座りイザベラを虐げていたのです。それに耐えられなくなりイザベラが実家に戻っている隙に偽造された離婚届けを出されました! 酷いばばぁだ!」

 私は、メーガン・ワトソン前伯爵夫人を指さした。

「ばかばかしい話ですよ。用はありましたとも。アーシャの兄が侯爵家の一人娘と結婚し婿に入ることが決まったのです。なので、アーシャをワトソン伯爵にする為に、いろいろ話し合わなければなりませんでした。イザベラさんは、話があると言うとすぐにどこかにお出かけしてしまうか、頭痛がすると言って自室に引きこもり聞こうともしませんでしたよ」


「嘘よ! 私は虐められていました! だから、慰謝料が欲しいです。あと、その離婚届は無効だわ。知らないうちに出すなんて卑怯よ! あぁ、きっとジェネシスがアーシャを誘惑したんだわ。アーシャはジェネシスと結婚したくなったから離婚届けを偽装して出したのだと思います!」

「なにを、いい加減なことを言っているのです!あの離婚届はマイロ男爵が持ってきたものでしょう? イザベラのサインも入っていますよ」

 メーガン・ワトソン前伯爵夫人が、落ち着き払って言う言葉がむかつく。

「ふん、お父様がそれを持ってきた証拠がどこにありますか? それと筆跡など、工夫すれば真似して書けるでしょう? 言っておきますが、アーシャが証言しても身内の言葉なんてあてにならないわよ! そこの性悪な妹のジェネシスだって仲間なんでしょ? だから、私は伯爵夫人だと思います。離婚するというのなら、伯爵家の財産の半分が貰えるはずだもん」

 おぉ、なんて良い作戦だ! イザベラは、金が絡むと頭が冴えるのだな。ふははは。この裁判はうまくことが運びそうだとほくそ笑んでいたら、間延びした聞きたくない声が部屋に響き渡った。

「すいませぇーーん。私も参加させてください。そのイザベラさんの婚約者のアーロンといいます」
 
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