7 / 24
あっさり捨てられた私(アーロン視点)
しおりを挟む
『極上のステーキ専門店』の肉は、最高に美味しかった。こんな肉が、気軽に食べに行けるマイロ家は、やはりたいしたものだと思う。だからこそ、この獲物は逃したくない。
私は、このマイロ男爵に次から次へとワインをついだ。バカな女にも、その母親にもどんどん飲ませた。こういう奴らは自尊心を満たしてやれば、面白いように酒も飲めば話も弾むんだ。
「流石ですね! マイロ男爵の医学界における功績は素晴らしいと思います。天才だと思うなぁ」
私は、実はこのマイロ男爵の功績など知らないし、知りたくもない。けれど、医者というのは、皆自分が医学界においてすばらしい功績をあげたと思い込みたい人種なんだ。自分こそは天才と思っている者も多い。案の定、すっかり気分を良くしたマイロ男爵は、へべれけになった。
このイザベラとその母親も簡単だった。容姿を褒めてやれば、いくらでも良い気分でワインをおかわりした。
「イザベラとお母様は、姉妹のようですね! 美しい女神様が二人いる家はマイロ男爵家だけですよ」
母娘は、機嫌良く笑って、やはり、かなり酔っ払っていた。
マイロ男爵家に戻ると、ジェネシスはいなかった。私は、酔っ払った3人に、それぞれサインをさせた。それは婚姻の承諾書だ。それから、白紙の借用書にかなりな枚数、サインをさせた。
そうして、3人が寝込んでしまうと、彼らの財布から金をとった。引き出しも金がありそうな場所もかたっぱしからあさり、結構な額の金をポケットにしまい込んだ。
金庫もあったが、残念だが番号がわからない。試しに、バカ女の耳元で囁いた。
「ねぇ、女神のように美しいダーリン。君の誕生日は絶対一緒に祝いたいなぁ。教えて、誕生日を」
「うーーん。9月25日よん」
そっか。ならば、0925と金庫に番号を入れてみた。ビンゴ!! 大当たりだ!! しかも、かなりな大金だ!!
この金を全部、持ってきたかばんに詰めた。あぁ、大きめのかばんで来て本当に良かった。そうして、自分の頭をダメージが少ない位置を狙って柱にぶつけて気絶したのだった。
翌日、大騒ぎになって警察も来たが、物盗りの仕業だということになった。私は疑われることは少しもなかった。なぜなら、イザベラが私をもうすぐ夫になるダーリンだと言ったからだ。
「すごい金額の被害ですね! 早くこの病院を盛り立てていかないといけないですね! なぁに、私とイザベラさんが協力すればすぐにこんな損害は取り戻せますよ。それより、早く結婚しないと私も病院の上司の娘さんから言い寄られてて断れなくなってしまいます」
もちろん、こんなのは大嘘だったが、愚かなマイロ男爵は急いでイザベラの夫の家に離婚届を持って行った。その間に、イザベラとイチャイチャしてたら、マイロ男爵が血相を変えて戻って来た。
「うちの娘から離れろ! イザベラは伯爵夫人だぞ!」
マイロ男爵は、私を突き飛ばして殴った。
「イザベラ! アーシャ様は伯爵になったようだ! いいか? 絶対に離婚なんてするな! あそこの財産は莫大だ!」
「ちょっと、待ってください! 私はここの婿になるのではないのですか?」
私は、マイロ男爵とイザベラに大声でわめき散らしてやった。
「うるさいな! たかが、平民の医者なんか相手にしてられん。ジェネシスと結婚でもなんでもしてくれ。こっちはこっちで忙しいんだ! 裁判を起こして、なんとしても渡してしまったあの離婚届が無効なことを訴えよう!」
相手方に渡してきた離婚届の無効を訴えるだと? こいつらの頭は大丈夫か? あぁ、これだけコケにされたら、私もその裁判には途中で参加してやろう! 面白そうだ! その前に・・・・・・
「マイロ男爵。私に慰謝料を下さい。あなたの家に婿に入れると思って期待していた僕の心の痛みに関してです」
「はぁ? そんなものに慰謝料が発生するはずがないだろう? ほら、汽車賃ぐらいは払ってやるぞ!」
はした金を、無造作に投げてよこしたのだった。私は、その金をポケットにねじ込むと、心のなかでそいつらに言った。
ーー裁判の時に会おうな! とても、その日が楽しみだよ!
帰りに、金貸し屋にかたっぱしから飛び込んで、マックス金を借りてやった。この金で借金も返せるし、当分遊べるから、もうあそこの婿にはならなくてもいいかもしれないな。
でも、ムカつくから、その裁判の日には、あいつらが困るようなことをいっぱい言ってやろう。
私は、このマイロ男爵に次から次へとワインをついだ。バカな女にも、その母親にもどんどん飲ませた。こういう奴らは自尊心を満たしてやれば、面白いように酒も飲めば話も弾むんだ。
「流石ですね! マイロ男爵の医学界における功績は素晴らしいと思います。天才だと思うなぁ」
私は、実はこのマイロ男爵の功績など知らないし、知りたくもない。けれど、医者というのは、皆自分が医学界においてすばらしい功績をあげたと思い込みたい人種なんだ。自分こそは天才と思っている者も多い。案の定、すっかり気分を良くしたマイロ男爵は、へべれけになった。
このイザベラとその母親も簡単だった。容姿を褒めてやれば、いくらでも良い気分でワインをおかわりした。
「イザベラとお母様は、姉妹のようですね! 美しい女神様が二人いる家はマイロ男爵家だけですよ」
母娘は、機嫌良く笑って、やはり、かなり酔っ払っていた。
マイロ男爵家に戻ると、ジェネシスはいなかった。私は、酔っ払った3人に、それぞれサインをさせた。それは婚姻の承諾書だ。それから、白紙の借用書にかなりな枚数、サインをさせた。
そうして、3人が寝込んでしまうと、彼らの財布から金をとった。引き出しも金がありそうな場所もかたっぱしからあさり、結構な額の金をポケットにしまい込んだ。
金庫もあったが、残念だが番号がわからない。試しに、バカ女の耳元で囁いた。
「ねぇ、女神のように美しいダーリン。君の誕生日は絶対一緒に祝いたいなぁ。教えて、誕生日を」
「うーーん。9月25日よん」
そっか。ならば、0925と金庫に番号を入れてみた。ビンゴ!! 大当たりだ!! しかも、かなりな大金だ!!
この金を全部、持ってきたかばんに詰めた。あぁ、大きめのかばんで来て本当に良かった。そうして、自分の頭をダメージが少ない位置を狙って柱にぶつけて気絶したのだった。
翌日、大騒ぎになって警察も来たが、物盗りの仕業だということになった。私は疑われることは少しもなかった。なぜなら、イザベラが私をもうすぐ夫になるダーリンだと言ったからだ。
「すごい金額の被害ですね! 早くこの病院を盛り立てていかないといけないですね! なぁに、私とイザベラさんが協力すればすぐにこんな損害は取り戻せますよ。それより、早く結婚しないと私も病院の上司の娘さんから言い寄られてて断れなくなってしまいます」
もちろん、こんなのは大嘘だったが、愚かなマイロ男爵は急いでイザベラの夫の家に離婚届を持って行った。その間に、イザベラとイチャイチャしてたら、マイロ男爵が血相を変えて戻って来た。
「うちの娘から離れろ! イザベラは伯爵夫人だぞ!」
マイロ男爵は、私を突き飛ばして殴った。
「イザベラ! アーシャ様は伯爵になったようだ! いいか? 絶対に離婚なんてするな! あそこの財産は莫大だ!」
「ちょっと、待ってください! 私はここの婿になるのではないのですか?」
私は、マイロ男爵とイザベラに大声でわめき散らしてやった。
「うるさいな! たかが、平民の医者なんか相手にしてられん。ジェネシスと結婚でもなんでもしてくれ。こっちはこっちで忙しいんだ! 裁判を起こして、なんとしても渡してしまったあの離婚届が無効なことを訴えよう!」
相手方に渡してきた離婚届の無効を訴えるだと? こいつらの頭は大丈夫か? あぁ、これだけコケにされたら、私もその裁判には途中で参加してやろう! 面白そうだ! その前に・・・・・・
「マイロ男爵。私に慰謝料を下さい。あなたの家に婿に入れると思って期待していた僕の心の痛みに関してです」
「はぁ? そんなものに慰謝料が発生するはずがないだろう? ほら、汽車賃ぐらいは払ってやるぞ!」
はした金を、無造作に投げてよこしたのだった。私は、その金をポケットにねじ込むと、心のなかでそいつらに言った。
ーー裁判の時に会おうな! とても、その日が楽しみだよ!
帰りに、金貸し屋にかたっぱしから飛び込んで、マックス金を借りてやった。この金で借金も返せるし、当分遊べるから、もうあそこの婿にはならなくてもいいかもしれないな。
でも、ムカつくから、その裁判の日には、あいつらが困るようなことをいっぱい言ってやろう。
32
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる