[完結]裏切りの果てに……

青空一夏

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 sideリリア


「レオン・バルネス伯爵。貴族とは民の上に立ち、法と道徳の模範たるべき存在である。
 にもかかわらず、お前はその名と地位をもって婚姻の誓約を汚し、妻を欺き、財を奪い、命までも危うくした。
 その行いは一個人の罪にとどまらず、貴族としての信義、ひいてはこの国の秩序を踏みにじるものだ。よって、民への戒めとし、見せしめの意味をもって、死刑を命ずる!」

 そのレオンへの陛下の裁きが告げられた瞬間、広間の空気がわずかにざわめいた。
 高い天井の下、集まった貴族たちは一様に息を呑み、緊張が走る。
 貴族たちは皆、レオンが罪を償うための厳しい処分を受けるものと考えていた。
 だが、実際に“死刑”という言葉が出た瞬間、誰もが驚きを隠せなかった。

 この国で“死刑”の判決が下されることは、ほとんどない。
  国家の秩序そのものを脅かす大逆罪――王家に刃を向け、革命を企てた者。
  あるいは、王侯貴族や高位聖職者の命を奪った者。
  そのいずれかに該当しなければ、たとえ重罪であっても、通常は爵位・財産没収や流刑で済むのが慣例だった。だからこそ、王の口から「死刑」という言葉が告げられた瞬間、広間にいた誰もが息を呑んだ。

  陳腐な結婚詐欺師に下されるには、あまりに重すぎる刑――それは、“見せしめ”の意味を持っているのでしょうけど……。
 私の浮かない顔つきを見て、王太子殿下が小声で私とカイルに囁いた。

「カイルとリリア嬢の気持ちは分かっているよ。父上の顔を立てるため、表向きは死刑という形にする。だが、彼は獄中で死んだことにして、身柄は君たちに引き渡そう。あのエレナという女も、彼の一族も私たち王族はどうなろうと真相を追求しようとは思わない。言っている意味、わかるよね?」

 私とカイルは顔を見合わせ、静かに微笑んだ。
 侍女として後ろに控えているリンも……わずかに口元を歪めたのだった。 



 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

 ※明日の更新で完結となります。
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感想 4

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