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連載
24-3 カバデール準男爵視点
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※リネータやベリンダのお話に脳が疲れた方に朗報です。少し新しい風をお届けします。場面変わりまして視点も変わります。フィントン男爵家の分家にあたるカバデール準男爵の登場です。フィントン男爵家の元家令もこれからでてきまぁす。プチざまぁの始まりです。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
「旦那様、フィントン男爵家からパーティの招待状が届いております」
執事がわたしに一通の手紙を手渡す。
フィントン男爵家はカバデール準男爵家の本家筋にあたる。先代の頃はお屋敷に伺うことも多かったが、今では年始めの挨拶に行くぐらいでほとんど交流はない。
手紙には、リネータ様がポールスランド伯爵家のコンスタンティン様と婚約するので、一族で婚約前祝いをすると記されていた。
この幸運を分け与えてやるので祝い金を持って来い、そのようなことも書かれている。
(なぜ婚約したではないのだ? それに婚約前祝いって? 通常なら婚約祝いで、前はつけない)
嫌な予感しかしないので、わたしはすぐに執事を呼んだ。
「この手紙をポールスランド伯爵家のコンスタンティン様にお渡ししてくれ。婚約が事実かどうかもできれば聞いてほしい」
するとその二日後にコンスタンティン様が自ら屋敷にいらした。まさか伯爵家の若様がいらっしゃるとは思わず戸惑いを隠せない。
(確かこの方の祖父はウォルフェンデン侯爵閣下だったはず。このような身分の高い方とお話などしたこともないぞ)
「これはコンスタンティン様、このようなところにわざわざお越しいただいて恐縮でございます」
「いや、よく知らせてくれたね。もちろん、わたしとリネータ嬢は婚約などしていないよ」
「やはりそうでしたか。あまりにも文面がおかしいうえに、身分が違いすぎますので本当のこととは思いませんでした」
「それにしてもフィントン男爵家というのはおもしろいな。頭のなかはどうなっているのだろうか? 君は本家筋のあちらに義理立てしなくていいのかい?」
「義理は先代にしかございません。フィントン男爵家の家令ランスロット様にもとてもお世話になりました。ですが、今のフィントン男爵には嫌悪感しかございませんから」
「嫌悪感か。理由を聞いてもいいかな?」
「はい、フィントン男爵は先代の頃から誠心誠意仕えていたランスロット様を、退職金も払わずに身ひとつで追い出したのですよ。紹介状も渡さずにです。それに異議を唱えたのが、ランスロット様を慕っていたメイド達です。ですがそのメイド達も不当に解雇してしまいました。ですからもう顔も見たくないのです」
「そのランスロットはどこにいるんだい? 解雇されたメイド達は?」
「ランスロット様はテイスラー通りに一軒家を買ってそこに住んでいます。今までの蓄えでお一人であれば暮らしていけたでしょうが、クビになったメイド達も住まわせて面倒をみています。メイド達は紹介状をもらえなかったのでどこにも働き口を見つけられません。ランスロット様の蓄えもそのうち底が尽きてしまうでしょう。最後まで責任感のある方なのです。わたしはしがない準男爵で、屋敷にさらに家令やメイド7人を置くほどの余裕はありません。今雇っている執事とメイド3人で精一杯なので、助けることもできません」
愚痴っぽくなってしまったが仕方が無い。
「だったら、ポールスランド伯爵家で雇おう。ランスロットのところに案内してくれないか? それから、君はそのパーティに出席してほしい。フィントン男爵を少しお仕置きしなければいけないからね」
「押し置きですか? わたしは犯罪めいたことはできません」
「そんなことをわたしがさせると思うかい? ほんの子供の悪戯みたいなものさ」
コンスタンティン様が天使のような顔でにっこりと微笑んだのだった。
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「旦那様、フィントン男爵家からパーティの招待状が届いております」
執事がわたしに一通の手紙を手渡す。
フィントン男爵家はカバデール準男爵家の本家筋にあたる。先代の頃はお屋敷に伺うことも多かったが、今では年始めの挨拶に行くぐらいでほとんど交流はない。
手紙には、リネータ様がポールスランド伯爵家のコンスタンティン様と婚約するので、一族で婚約前祝いをすると記されていた。
この幸運を分け与えてやるので祝い金を持って来い、そのようなことも書かれている。
(なぜ婚約したではないのだ? それに婚約前祝いって? 通常なら婚約祝いで、前はつけない)
嫌な予感しかしないので、わたしはすぐに執事を呼んだ。
「この手紙をポールスランド伯爵家のコンスタンティン様にお渡ししてくれ。婚約が事実かどうかもできれば聞いてほしい」
するとその二日後にコンスタンティン様が自ら屋敷にいらした。まさか伯爵家の若様がいらっしゃるとは思わず戸惑いを隠せない。
(確かこの方の祖父はウォルフェンデン侯爵閣下だったはず。このような身分の高い方とお話などしたこともないぞ)
「これはコンスタンティン様、このようなところにわざわざお越しいただいて恐縮でございます」
「いや、よく知らせてくれたね。もちろん、わたしとリネータ嬢は婚約などしていないよ」
「やはりそうでしたか。あまりにも文面がおかしいうえに、身分が違いすぎますので本当のこととは思いませんでした」
「それにしてもフィントン男爵家というのはおもしろいな。頭のなかはどうなっているのだろうか? 君は本家筋のあちらに義理立てしなくていいのかい?」
「義理は先代にしかございません。フィントン男爵家の家令ランスロット様にもとてもお世話になりました。ですが、今のフィントン男爵には嫌悪感しかございませんから」
「嫌悪感か。理由を聞いてもいいかな?」
「はい、フィントン男爵は先代の頃から誠心誠意仕えていたランスロット様を、退職金も払わずに身ひとつで追い出したのですよ。紹介状も渡さずにです。それに異議を唱えたのが、ランスロット様を慕っていたメイド達です。ですがそのメイド達も不当に解雇してしまいました。ですからもう顔も見たくないのです」
「そのランスロットはどこにいるんだい? 解雇されたメイド達は?」
「ランスロット様はテイスラー通りに一軒家を買ってそこに住んでいます。今までの蓄えでお一人であれば暮らしていけたでしょうが、クビになったメイド達も住まわせて面倒をみています。メイド達は紹介状をもらえなかったのでどこにも働き口を見つけられません。ランスロット様の蓄えもそのうち底が尽きてしまうでしょう。最後まで責任感のある方なのです。わたしはしがない準男爵で、屋敷にさらに家令やメイド7人を置くほどの余裕はありません。今雇っている執事とメイド3人で精一杯なので、助けることもできません」
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「だったら、ポールスランド伯爵家で雇おう。ランスロットのところに案内してくれないか? それから、君はそのパーティに出席してほしい。フィントン男爵を少しお仕置きしなければいけないからね」
「押し置きですか? わたしは犯罪めいたことはできません」
「そんなことをわたしがさせると思うかい? ほんの子供の悪戯みたいなものさ」
コンスタンティン様が天使のような顔でにっこりと微笑んだのだった。
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