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3 リンダ視点
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私は、ダリル様の婚約者になってから、義理の姉のルルとダリル様が抱き合うのを何度も見たわ。
男性が浮気をすることは、よくあることだから、見ないふりをした。でも、相手が義理の姉であることに憤りを覚えた。貴族の綺麗な女性は、他にもたくさんいるのに・・・・・・これは、明らかに私に対する冒涜だ。裏切ったこの二人を許せなかった。
思いっきり不幸になればいいと思った。そして、いろいろ模索した・・・・・・
お父様の書斎にはたくさんの魔法書があったから、それを持ち出して、隅から隅まで読んだ。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
ある日、ついに決意して床に魔方陣を描き、呪文を唱えた。すると、麗しい男性がポワンと出てきて、素敵な声で尋ねてきた。
「お望みはなにかな?」
「痛くも苦しくもなく、必ず1年後に死なせてください」
「はぁ? 変った願いだな。普通は永遠の命を願うものなのになぁ・・・・・・」
「死んで、その方の心の中で生き続けたいのです」
「了解した。望みは叶えよう」
私は、死ぬまでの一年間をダリル様に尽くしすぎるくらい尽くしたわ。理想の女性を演じてあげたのよ。
刺繍は、とても細かくて手の込んだものを頑張ってしたし、お茶の入れ方だって拘ったわ。
そして、死んだ。わざと、日記には、毒薬を飲むと書き残した。こうすれば、良心の呵責をより強く感じると思ったから。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私は、再び、悪魔の腕の中で目を覚ました。
「さぁ、貴女は望み通りに死ねたけれど、これからどうしたいのかな?」
「そうですねぇ。私はまた生き返りたくはないし、お父様にも会いたくないし、幸せにもなりたくありません」
「ふん! そーかい? 忌々しいくらい、賢い女だ」
その美しい悪魔は、苦々しい顔で呟いた。
「あ、まだ、続きがあります。貴方と生き返って結婚もしたくないし、貴方から愛されたくないです!」
「うわ、バカ! なんてことを言うんだ!」
目の前の悪魔にあった背中から翼が消えていた。
「全く! よくも、私を人間界に縛り付ける方法がわかったな! 仕方ない、生き返って二人でミント公爵家に戻ろう」
その、ぞっとするくらい美しい悪魔は、私を大事そうに抱きかかえると、頬にキスをしてきた。
「私を好きにならないで?」私は、その悪魔の唇を人差し指でそっとなぞった。
「大丈夫。もう逆のことは言わなくていい。貴女は私の大切な妻になったのだから」
私は、笑いながら悪魔に抱きついたのだった。
私には、こうなることがわかっていた。
だって、私の祖先もきっとこの方法を使った事があるに違いなかったから。
高位悪魔のイラストの横には、ぼろぼろになった古いメモが挟んであった。
★
私の愛する子孫の女性達へ
この悪魔達は男性で、金髪美人を好み、妻と認められたら一生大事にされる。ただ、最初だけは、して欲しいことと逆のことをいうこと! 人間の男と違って、決して貴女を裏切らないわよ? 人間の男に死ぬほど絶望したら、試してみなさい。
★
完
男性が浮気をすることは、よくあることだから、見ないふりをした。でも、相手が義理の姉であることに憤りを覚えた。貴族の綺麗な女性は、他にもたくさんいるのに・・・・・・これは、明らかに私に対する冒涜だ。裏切ったこの二人を許せなかった。
思いっきり不幸になればいいと思った。そして、いろいろ模索した・・・・・・
お父様の書斎にはたくさんの魔法書があったから、それを持ち出して、隅から隅まで読んだ。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
ある日、ついに決意して床に魔方陣を描き、呪文を唱えた。すると、麗しい男性がポワンと出てきて、素敵な声で尋ねてきた。
「お望みはなにかな?」
「痛くも苦しくもなく、必ず1年後に死なせてください」
「はぁ? 変った願いだな。普通は永遠の命を願うものなのになぁ・・・・・・」
「死んで、その方の心の中で生き続けたいのです」
「了解した。望みは叶えよう」
私は、死ぬまでの一年間をダリル様に尽くしすぎるくらい尽くしたわ。理想の女性を演じてあげたのよ。
刺繍は、とても細かくて手の込んだものを頑張ってしたし、お茶の入れ方だって拘ったわ。
そして、死んだ。わざと、日記には、毒薬を飲むと書き残した。こうすれば、良心の呵責をより強く感じると思ったから。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私は、再び、悪魔の腕の中で目を覚ました。
「さぁ、貴女は望み通りに死ねたけれど、これからどうしたいのかな?」
「そうですねぇ。私はまた生き返りたくはないし、お父様にも会いたくないし、幸せにもなりたくありません」
「ふん! そーかい? 忌々しいくらい、賢い女だ」
その美しい悪魔は、苦々しい顔で呟いた。
「あ、まだ、続きがあります。貴方と生き返って結婚もしたくないし、貴方から愛されたくないです!」
「うわ、バカ! なんてことを言うんだ!」
目の前の悪魔にあった背中から翼が消えていた。
「全く! よくも、私を人間界に縛り付ける方法がわかったな! 仕方ない、生き返って二人でミント公爵家に戻ろう」
その、ぞっとするくらい美しい悪魔は、私を大事そうに抱きかかえると、頬にキスをしてきた。
「私を好きにならないで?」私は、その悪魔の唇を人差し指でそっとなぞった。
「大丈夫。もう逆のことは言わなくていい。貴女は私の大切な妻になったのだから」
私は、笑いながら悪魔に抱きついたのだった。
私には、こうなることがわかっていた。
だって、私の祖先もきっとこの方法を使った事があるに違いなかったから。
高位悪魔のイラストの横には、ぼろぼろになった古いメモが挟んであった。
★
私の愛する子孫の女性達へ
この悪魔達は男性で、金髪美人を好み、妻と認められたら一生大事にされる。ただ、最初だけは、して欲しいことと逆のことをいうこと! 人間の男と違って、決して貴女を裏切らないわよ? 人間の男に死ぬほど絶望したら、試してみなさい。
★
完
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