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2 ルル(義理の姉)視点
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私は、ダリル王太子とずっと、いい仲だった。私の母がミント公爵と再婚して、私は公爵家の令嬢になれたけれど、義理の妹には叶わない。リンダのお母様は、この国の王女で王太子とは従兄弟同士で婚約者だった。
私のお母様は、貧乏な伯爵家の出身だから、私とリンダでは格が全く違った。しかも、私より、遙かに気品があって美しい。癪だったわ。
だから、私は自分の魅力を最大限に利用した。ピンクの髪はふわふわとした巻き毛にして、バサバサの付け睫毛をつけた。胸の大きさも強調したドレスを着るようにして、ダリル様の目にとまるように頑張った。
作戦は成功して、ダリル様とは秘密の逢瀬を楽しむようになったわ。わざと、リンダにはわかるように仕向けて傷つくのを眺めていたのよ。
王には愛妾が許されるから、いずれ、私も愛妾におさまるつもりだった。リンダはさすが、王族の血が流れているだけあって、私とダリル様のことに気がついても、少しも騒がなかった。黙認して、ますますダリル様に尽くしていてバカみたいだった。
私は、できるだけ、ダリル様と会ってリンダの目に触れるようにして追い詰めた。・・・・・・その結果、リンダは死んだ。初めは、突然死だと思われていた。けれど、リンダの日記がダリル様の手に渡り、それがきっかけでダリル様は精神を病んでしまった。
その日記は、王と王妃様、ミント公爵も読むこととなり・・・・・・私とお母様はミント公爵家から追い出された。
お母様は、私の頬を叩いておっしゃった。
「貴方が、身のほどをわきまえないから、こんなことになったんです! リンダ様は亡き王女様と公爵様の娘なのですよ? その方の心を惑わせ、自殺させるような真似をして、ただで済むと思ったのですか・・・・・・私は、修道院に入って、リンダ様にお祈りを捧げます。あなたも、そうなさい」
「私は、悪くないわ! だって、王様には愛妾が3人まで許されるでしょう? なぜ、当てつけがましく死ぬの? 私は、修道院なんて嫌よ。好きに生きるわ」そう言って、お母様から離れて走った。修道院なんてつまらないところに行きたくない。
「ダリル様は、まだ王太子でしょう? 王になって、跡継ぎが出来たら愛妾が許されるだけです。ルル! お待ちなさい」
お母様の、引き留める声も聞かずに、ひたすら走った。どこだかわからない路地に逃げ込むと、お母様から見つからないように隠れていた。
しゃがみこみ、じっとしていると、柄の悪い男性達が寄ってきた。
「どうしたのかなぁ? 綺麗なお姉さんがこんなところに、しゃがみこんで。行くところがないなら、良い所があるよ?」
これは・・・・・・もしかして・・・・・・私、まずい状況なんじゃぁーー?
私のお母様は、貧乏な伯爵家の出身だから、私とリンダでは格が全く違った。しかも、私より、遙かに気品があって美しい。癪だったわ。
だから、私は自分の魅力を最大限に利用した。ピンクの髪はふわふわとした巻き毛にして、バサバサの付け睫毛をつけた。胸の大きさも強調したドレスを着るようにして、ダリル様の目にとまるように頑張った。
作戦は成功して、ダリル様とは秘密の逢瀬を楽しむようになったわ。わざと、リンダにはわかるように仕向けて傷つくのを眺めていたのよ。
王には愛妾が許されるから、いずれ、私も愛妾におさまるつもりだった。リンダはさすが、王族の血が流れているだけあって、私とダリル様のことに気がついても、少しも騒がなかった。黙認して、ますますダリル様に尽くしていてバカみたいだった。
私は、できるだけ、ダリル様と会ってリンダの目に触れるようにして追い詰めた。・・・・・・その結果、リンダは死んだ。初めは、突然死だと思われていた。けれど、リンダの日記がダリル様の手に渡り、それがきっかけでダリル様は精神を病んでしまった。
その日記は、王と王妃様、ミント公爵も読むこととなり・・・・・・私とお母様はミント公爵家から追い出された。
お母様は、私の頬を叩いておっしゃった。
「貴方が、身のほどをわきまえないから、こんなことになったんです! リンダ様は亡き王女様と公爵様の娘なのですよ? その方の心を惑わせ、自殺させるような真似をして、ただで済むと思ったのですか・・・・・・私は、修道院に入って、リンダ様にお祈りを捧げます。あなたも、そうなさい」
「私は、悪くないわ! だって、王様には愛妾が3人まで許されるでしょう? なぜ、当てつけがましく死ぬの? 私は、修道院なんて嫌よ。好きに生きるわ」そう言って、お母様から離れて走った。修道院なんてつまらないところに行きたくない。
「ダリル様は、まだ王太子でしょう? 王になって、跡継ぎが出来たら愛妾が許されるだけです。ルル! お待ちなさい」
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