3 / 5
後編ざまぁその1(ラウリス視点)
しおりを挟む
(ラウリス視点)
わたしはサブリーナなど少しも好きではない。見た目も全く好みではないし、性格も真面目すぎてつまらない会話しかできない。もっと華やかな容姿で気の利いた言葉が言える、そんな女性が好みなのに。
(わたしは薔薇が好きなのさ。引き立て役の添えものに過ぎないカスミソウなんて価値がない。サブリーナはカスミソウだよ)
では、なぜそんな女を妻に迎えたのかと言えば、母の愚行を止める為だった。
母上は10歳の頃に病気で亡くなった妹にそっくりな、没落貴族の娘サブリーナを養女に迎えようとしたのだ。サブリーナの両親が亡くなり、そんななかでも彼女が奨学金で学園に通い始めた頃だ。
「サブリーナは両親も亡くなり後ろ盾もいないのよ。それなのに奨学金を貰いながら学園に通い、頑張って健気に生きようとしています。娘のヴィクトリーヌにそっくりだし、とても他人とは思えないのよ」
「ヴィクトリーヌは死にました。あのサブリーナ嬢は赤の他人ですよ。養女にするなんて反対です」
「私の決断に異論を挟む権利はラウリスにはありませんよ。この家は誰のお陰でもっていると思うの?」
そのように母上に言われたら絶対に逆らえない。
なぜなら、このマイゼッティ男爵家は母上がいるからこそ存続しているような家なのだから。マイゼッティ男爵家は祖父の代に大借金を抱え、父の代でもそれは重くのしかかっていた。
ところが母上が父に恋をしたことでそれは大きく変わった。母上はダイヤモンド鉱山を複数所有するルフォール侯爵家の愛娘だったのだ。姉妹のなかでも特に愛された母上は、ダイヤモンド鉱山のひとつを含めた莫大な持参金をもって、このマイゼッティ男爵家に嫁いで来た。
つまりこのマイゼッティ男爵家そのものが、母上の財産のおかげで生き延びてきたという情けない立場なのだ。だから、このマイゼッティ男爵家では母上に逆らうことも怒らせるような意見することもしにくかった。
しかし、この話は別だ。父上も亡き今は、母上の財産はわたしと弟エドアルドとで山分けにするつもりだ。ここに新たな養女を迎えたら、わたしの取り分が少なくなる。
(どうしたらいい? 母上も怒らせないで、このサブリーナに遺産をやらない方法は? あぁ、これだよ。閃いた。なんてわたしは頭がいいんだ!)
「実は母上、わたしはサブリーナ嬢に一目惚れしたのです。ヴィクトリーヌに似て清楚で真面目なところがとても好ましいと思いました。学園を卒業次第、わたしの妻に迎えるので養女にはしないでください」
「まぁ、そういうことならなおさら嬉しいですよ。マイゼッティ男爵家の嫁に迎えるのならいつも一緒にいられますものね? 養女にしても他家に嫁いだら手元を離れてしまうわ。嫁に来て貰うなら、ずっと私はサブリーナといられる。とても素晴らしいことですよ」
母上は最上の笑みを浮かべ、私に全てを譲るとまで言ってくれそうな勢いだった。
(ふふふ、うまくいったぞ)
サブリーナを養女に迎えたらあいつにも遺産の相続権ができるが、妻に迎えれば母上の面倒を見させた後に捨てても相続権はない。
(我ながらとても頭がいいぞ)
そうして、わたしはサブリーナと結婚し母上を妻に押しつけ、自分は本当に好きなタイプの女サンドラと付き合う。平民だけれど、とびっきりの美女でとても華やかな女だ。子供も産まれ母上が死ぬのをじっと待っていた。
母上はお気に入りのサブリーナが側にいるからこちらに文句は来ないし、滅多に領地の屋敷に戻らなくても気にはならないらしい。
あれほどお気に入りのサブリーナを、養女に迎えさせることを止めさせて本当に良かったよ。でなければ、あいつに遺産が全部いってしまったかもしれない。
母上が亡くなりさっさとサブリーナを追い出すと、すぐさまサンドラと再婚した。遺産の山分けを楽しく相談しながらエドアルドとカサンドラとわたし、それにビビアーナ叔母で、母上の遺品を整理すると厳重に封がされた遺言書が出てきた。
「すぐに顧問弁護士を呼ぼう。これはわたしに全財産を残す内容に違いない。やはりわたしが犠牲になりサブリーナを妻に迎えて良かった。母上はサブリーナといられて、わたしに感謝してくださったのだろうなぁ」
事情をよく知らないエドアルドとビビアーナ叔母は不快げな様子だったが、カサンドラはサブリーナと結婚生活を続けていた事情を知っているので、輝く笑顔で頷いた。
「本当にそうよね。あの冴えないサブリーナだって感謝しているわよ。だってしばらくの間はマイゼッティ男爵夫人でいられたのだもの」
ところが、弁護士がそれを開封し内容を確認してまず言ったことは、
「この屋敷を皆様、直ちに出て行ってください。ラウリス様にもエドアルド様にも、なにひとつ権利はありません。爵位だけはラウリス様のものですが、この屋敷も王都のタウンハウスも全ては娘さんのものです」
「はぁ? 娘だとぉ? 妹は亡くなっている。娘なんていないぞ」
「サブリーナ様を養女にし全てを譲るという遺言書の内容です。あなた達には1ダラも遺産はいきません」
冷たく言い放つ顧問弁護士はわたしを睨んだ。
「そんなぁーー。母上の金で新しい事業を興して一儲けしようと文官をやめたのに・・・・・・おかしいだろ? サブリーナを養女にするなんて・・・・・・どういうつもりだったんだよ! 母上めっ!」
「フェドーラ様がこれを書いたのは日付から見て、完全に呆けてしまう直前の、あなた達が寄りつかなくなったあたりですね。甲斐甲斐しく自分の世話をし常に側にいてくれた人間に遺産を残そうとするのは当然ですな」
わたしは職もなく家もなく・・・・・・全てはサブリーナに奪われてしまうのか?
「遺留分があるはずだ! 子供には最低限もらうべき権利が守られているはずだろう?」
わたしは必死で叫ぶ。
「どうぞ、裁判でもなんでもやってくださいよ。こちらはラウリス様がフェドーラ様の宝石を無断で売り払い、遊興費に使っていた証拠もあります。遺留分で渡すお金以上にラウリス様は使い込んでいるのです。すでにあなたの分の遺産は渡していたのも同然ですな。それはエドアルド様にも言える」
「わたしはなにも、もらっていないよ」
エドアルドは目を泳がせるが、弁護士は首を横に振った。
「あなたのツケで飲み歩く癖はもう通用しませんよ。フェドーラ様が生存中は、フェドーラ様のお金から支払われていましたが、その額もすでに遺留分を超えています。つまりもう遺産はあげてしまった後というわけですな。さっさとこの屋敷からお引き取りを願いますかな? こちらの所有者はサブリーナ様になります」
ビビアーナ叔母も文句を言っていたが、
「お子様がいる以上、姉妹には相続権はありません。遺留分もなし。それ以上騒ぐなら、あなたが来るたびに盗んでいったフェドーラ様の指輪をお返しください。フェドーラ様は『ビビアーナとラウリスが来る度に宝石がなくなるわ』と、おっしゃっていました」
と、言われ顔を青くして帰って行った。
サブリーナに用意したあの汚いアパートメントにわたしは今一人で住んでいる。サンドラはわたしに遺産が入ってこないことを知ると、離縁を申し出てすぐに子供を連れて去っていく。
派手な女だったから、わたしの他にも男がいたのかもしれない。あっさりといなくなり、あの子供もきっとわたしの子ではなかったのだろう、次第にそう思うようになった。
臭いドブ川の匂いが部屋まで流れ込み、前住人の残していったシミだらけの寝具に身体を横たえると、惨めで涙が溢れてきた。
やがて、食べ物を探してレストランの裏口にあるゴミ箱を漁るのが日課になった。路上に落ちている小銭も探す。そんなときに、運悪く馬車が突っ込んできて片足がもげた。
金持ちの所有する馬車だったから、毎月3万ダラが慰謝料として渡されるようになった。
(これって、わたしがサブリーナにあげると言ったお金と同じ額だ。まるでサブリーナと自分が逆転したようだよ)
やがて年老いていき、自分が身動きもできない状態が訪れた。もちろん介護してくれる人も誰一人いない。わたしはここで朽ち果てていく。誰にも看取られずに・・・・・・
喉が渇いて死にそうだ・・・・・・誰か水を・・・・・・水をく・・・・・・れ・・・・・・サブリーナ、たすけて・・・・・・
もちろんサブリーナがそこに駆けつけてくれるわけもなく・・・・・・わたしは孤独な死を静かに迎える・・・・・・
わたしが悪かったよ。心からそう思ったのに、全ては遅すぎたのだった。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※後編のお話しを3話ほどに分けました。すいません。次回はエドアルドとビビアーナのお話になります。最後はサブリーナが幸せになるところで完結予定です。
わたしはサブリーナなど少しも好きではない。見た目も全く好みではないし、性格も真面目すぎてつまらない会話しかできない。もっと華やかな容姿で気の利いた言葉が言える、そんな女性が好みなのに。
(わたしは薔薇が好きなのさ。引き立て役の添えものに過ぎないカスミソウなんて価値がない。サブリーナはカスミソウだよ)
では、なぜそんな女を妻に迎えたのかと言えば、母の愚行を止める為だった。
母上は10歳の頃に病気で亡くなった妹にそっくりな、没落貴族の娘サブリーナを養女に迎えようとしたのだ。サブリーナの両親が亡くなり、そんななかでも彼女が奨学金で学園に通い始めた頃だ。
「サブリーナは両親も亡くなり後ろ盾もいないのよ。それなのに奨学金を貰いながら学園に通い、頑張って健気に生きようとしています。娘のヴィクトリーヌにそっくりだし、とても他人とは思えないのよ」
「ヴィクトリーヌは死にました。あのサブリーナ嬢は赤の他人ですよ。養女にするなんて反対です」
「私の決断に異論を挟む権利はラウリスにはありませんよ。この家は誰のお陰でもっていると思うの?」
そのように母上に言われたら絶対に逆らえない。
なぜなら、このマイゼッティ男爵家は母上がいるからこそ存続しているような家なのだから。マイゼッティ男爵家は祖父の代に大借金を抱え、父の代でもそれは重くのしかかっていた。
ところが母上が父に恋をしたことでそれは大きく変わった。母上はダイヤモンド鉱山を複数所有するルフォール侯爵家の愛娘だったのだ。姉妹のなかでも特に愛された母上は、ダイヤモンド鉱山のひとつを含めた莫大な持参金をもって、このマイゼッティ男爵家に嫁いで来た。
つまりこのマイゼッティ男爵家そのものが、母上の財産のおかげで生き延びてきたという情けない立場なのだ。だから、このマイゼッティ男爵家では母上に逆らうことも怒らせるような意見することもしにくかった。
しかし、この話は別だ。父上も亡き今は、母上の財産はわたしと弟エドアルドとで山分けにするつもりだ。ここに新たな養女を迎えたら、わたしの取り分が少なくなる。
(どうしたらいい? 母上も怒らせないで、このサブリーナに遺産をやらない方法は? あぁ、これだよ。閃いた。なんてわたしは頭がいいんだ!)
「実は母上、わたしはサブリーナ嬢に一目惚れしたのです。ヴィクトリーヌに似て清楚で真面目なところがとても好ましいと思いました。学園を卒業次第、わたしの妻に迎えるので養女にはしないでください」
「まぁ、そういうことならなおさら嬉しいですよ。マイゼッティ男爵家の嫁に迎えるのならいつも一緒にいられますものね? 養女にしても他家に嫁いだら手元を離れてしまうわ。嫁に来て貰うなら、ずっと私はサブリーナといられる。とても素晴らしいことですよ」
母上は最上の笑みを浮かべ、私に全てを譲るとまで言ってくれそうな勢いだった。
(ふふふ、うまくいったぞ)
サブリーナを養女に迎えたらあいつにも遺産の相続権ができるが、妻に迎えれば母上の面倒を見させた後に捨てても相続権はない。
(我ながらとても頭がいいぞ)
そうして、わたしはサブリーナと結婚し母上を妻に押しつけ、自分は本当に好きなタイプの女サンドラと付き合う。平民だけれど、とびっきりの美女でとても華やかな女だ。子供も産まれ母上が死ぬのをじっと待っていた。
母上はお気に入りのサブリーナが側にいるからこちらに文句は来ないし、滅多に領地の屋敷に戻らなくても気にはならないらしい。
あれほどお気に入りのサブリーナを、養女に迎えさせることを止めさせて本当に良かったよ。でなければ、あいつに遺産が全部いってしまったかもしれない。
母上が亡くなりさっさとサブリーナを追い出すと、すぐさまサンドラと再婚した。遺産の山分けを楽しく相談しながらエドアルドとカサンドラとわたし、それにビビアーナ叔母で、母上の遺品を整理すると厳重に封がされた遺言書が出てきた。
「すぐに顧問弁護士を呼ぼう。これはわたしに全財産を残す内容に違いない。やはりわたしが犠牲になりサブリーナを妻に迎えて良かった。母上はサブリーナといられて、わたしに感謝してくださったのだろうなぁ」
事情をよく知らないエドアルドとビビアーナ叔母は不快げな様子だったが、カサンドラはサブリーナと結婚生活を続けていた事情を知っているので、輝く笑顔で頷いた。
「本当にそうよね。あの冴えないサブリーナだって感謝しているわよ。だってしばらくの間はマイゼッティ男爵夫人でいられたのだもの」
ところが、弁護士がそれを開封し内容を確認してまず言ったことは、
「この屋敷を皆様、直ちに出て行ってください。ラウリス様にもエドアルド様にも、なにひとつ権利はありません。爵位だけはラウリス様のものですが、この屋敷も王都のタウンハウスも全ては娘さんのものです」
「はぁ? 娘だとぉ? 妹は亡くなっている。娘なんていないぞ」
「サブリーナ様を養女にし全てを譲るという遺言書の内容です。あなた達には1ダラも遺産はいきません」
冷たく言い放つ顧問弁護士はわたしを睨んだ。
「そんなぁーー。母上の金で新しい事業を興して一儲けしようと文官をやめたのに・・・・・・おかしいだろ? サブリーナを養女にするなんて・・・・・・どういうつもりだったんだよ! 母上めっ!」
「フェドーラ様がこれを書いたのは日付から見て、完全に呆けてしまう直前の、あなた達が寄りつかなくなったあたりですね。甲斐甲斐しく自分の世話をし常に側にいてくれた人間に遺産を残そうとするのは当然ですな」
わたしは職もなく家もなく・・・・・・全てはサブリーナに奪われてしまうのか?
「遺留分があるはずだ! 子供には最低限もらうべき権利が守られているはずだろう?」
わたしは必死で叫ぶ。
「どうぞ、裁判でもなんでもやってくださいよ。こちらはラウリス様がフェドーラ様の宝石を無断で売り払い、遊興費に使っていた証拠もあります。遺留分で渡すお金以上にラウリス様は使い込んでいるのです。すでにあなたの分の遺産は渡していたのも同然ですな。それはエドアルド様にも言える」
「わたしはなにも、もらっていないよ」
エドアルドは目を泳がせるが、弁護士は首を横に振った。
「あなたのツケで飲み歩く癖はもう通用しませんよ。フェドーラ様が生存中は、フェドーラ様のお金から支払われていましたが、その額もすでに遺留分を超えています。つまりもう遺産はあげてしまった後というわけですな。さっさとこの屋敷からお引き取りを願いますかな? こちらの所有者はサブリーナ様になります」
ビビアーナ叔母も文句を言っていたが、
「お子様がいる以上、姉妹には相続権はありません。遺留分もなし。それ以上騒ぐなら、あなたが来るたびに盗んでいったフェドーラ様の指輪をお返しください。フェドーラ様は『ビビアーナとラウリスが来る度に宝石がなくなるわ』と、おっしゃっていました」
と、言われ顔を青くして帰って行った。
サブリーナに用意したあの汚いアパートメントにわたしは今一人で住んでいる。サンドラはわたしに遺産が入ってこないことを知ると、離縁を申し出てすぐに子供を連れて去っていく。
派手な女だったから、わたしの他にも男がいたのかもしれない。あっさりといなくなり、あの子供もきっとわたしの子ではなかったのだろう、次第にそう思うようになった。
臭いドブ川の匂いが部屋まで流れ込み、前住人の残していったシミだらけの寝具に身体を横たえると、惨めで涙が溢れてきた。
やがて、食べ物を探してレストランの裏口にあるゴミ箱を漁るのが日課になった。路上に落ちている小銭も探す。そんなときに、運悪く馬車が突っ込んできて片足がもげた。
金持ちの所有する馬車だったから、毎月3万ダラが慰謝料として渡されるようになった。
(これって、わたしがサブリーナにあげると言ったお金と同じ額だ。まるでサブリーナと自分が逆転したようだよ)
やがて年老いていき、自分が身動きもできない状態が訪れた。もちろん介護してくれる人も誰一人いない。わたしはここで朽ち果てていく。誰にも看取られずに・・・・・・
喉が渇いて死にそうだ・・・・・・誰か水を・・・・・・水をく・・・・・・れ・・・・・・サブリーナ、たすけて・・・・・・
もちろんサブリーナがそこに駆けつけてくれるわけもなく・・・・・・わたしは孤独な死を静かに迎える・・・・・・
わたしが悪かったよ。心からそう思ったのに、全ては遅すぎたのだった。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※後編のお話しを3話ほどに分けました。すいません。次回はエドアルドとビビアーナのお話になります。最後はサブリーナが幸せになるところで完結予定です。
180
あなたにおすすめの小説
地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定
お姉様から婚約者を奪い取ってみたかったの♪そう言って妹は笑っているけれど笑っていられるのも今のうちです
山葵
恋愛
お父様から執務室に呼ばれた。
「ミシェル…ビルダー侯爵家からご子息の婚約者をミシェルからリシェルに換えたいと言ってきた」
「まぁそれは本当ですか?」
「すまないがミシェルではなくリシェルをビルダー侯爵家に嫁がせる」
「畏まりました」
部屋を出ると妹のリシェルが意地悪い笑顔をして待っていた。
「いつもチヤホヤされるお姉様から何かを奪ってみたかったの。だから婚約者のスタイン様を奪う事にしたのよ。スタイン様と結婚できなくて残念ね♪」
残念?いえいえスタイン様なんて熨斗付けてリシェルにあげるわ!
いつまでも甘くないから
朝山みどり
恋愛
エリザベスは王宮で働く文官だ。ある日侯爵位を持つ上司から甥を紹介される。
結婚を前提として紹介であることは明白だった。
しかし、指輪を注文しようと街を歩いている時に友人と出会った。お茶を一緒に誘う友人、自慢しちゃえと思い了承したエリザベス。
この日から彼の様子が変わった。真相に気づいたエリザベスは穏やかに微笑んで二人を祝福する。
目を輝かせて喜んだ二人だったが、エリザベスの次の言葉を聞いた時・・・
二人は正反対の反応をした。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
【完結】大好きな彼が妹と結婚する……と思ったら?
江崎美彩
恋愛
誰にでも愛される可愛い妹としっかり者の姉である私。
大好きな従兄弟と人気のカフェに並んでいたら、いつも通り気ままに振る舞う妹の後ろ姿を見ながら彼が「結婚したいと思ってる」って呟いて……
さっくり読める短編です。
異世界もののつもりで書いてますが、あまり異世界感はありません。
妹が処刑さる……あの、あれは全て妹にあげたんです。
MME
恋愛
妹が好きだ。妹が欲しい物はみんなあげる。それであの娘が喜ぶなら何だって。それが婚約者だって。どうして皆が怒っているんだろう。お願いです妹を処刑しないで下さい。あれはあげたんです。私が我慢すればいいのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる