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本編
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昼寝から起こされたら、晩餐会の支度と言われて、お風呂に入れられた。
いつも以上に丁寧に洗われて、オイルマッサージをされて。
用意された服を着せられたら、髪を整えられる。仕上げに薄く化粧をされた。
胸元に父と母からプレゼントされたサファイアのブローチをつけてもらったら、完成らしい。
「リアム様、とてもお綺麗ですよ。」
とシリルは言ってくれた。
祖父母の支度が終わるまで、少しだけお茶をいただく。しばらくすると2人が来た。
「リアム、綺麗だね。」
「アルと並ぶと親子だな。」
と、言ってくれた。
「親子?」
「ああ、親子にしか見えない。アルはいつまでも綺麗で若いから、リアムとはそっくりな親子にしか見えないな。」
祖父が事あるごとに祖母を褒めるから、聞いているこっちが恥ずかしくなる。でも、これが祖母の若さの秘訣なのかも?
祖父母に手を繋がれて、晩餐会の会場へと向かった。
会場に入った瞬間、ものすごい香水の匂いで、祖母の手を離し、鼻を摘んだ。
「リアム?」
「くちゃいでちゅ。」
「ああ。誰か換気を。」
と、祖母が使用人に声をかけた。
多分先に来ていた人の中に、思いっきり香水を使っている人がいたのだろう。
ギリリと歯軋りをする音が聞こえる。
誰かわからないけど、食事をする場で、この匂いはない。
一人、席を立ち近づいてきた。
「叔父上、お久しぶりです。その子は?」
「久しぶりだね、ウルトゥス。私の孫だよ。」
「紹介はしてくれないんですか?」
「レイモンド達が来てからするよ。」
祖母は素っ気なく対応して、椅子に座る。
その隣に祖父が僕を椅子に座らせてくれると、またその隣に祖父が座る。
祖父母の間に僕が挟まる形になった。
「お祖父様、お祖母様のお隣じゃなくてもいいの?(小声)」
いつも2人の席は隣同士だから、間に挟まれる形は初めてだった。
「今夜は特別だから。」
「特別?」
「シリルがいないから、リアムは一人で食べれないだろ。私達がリアムのお手伝いをするから。」
「あっ、そっか。お祖父様、お祖母様ありがとうございます。」
探査魔法を使えば一人でも食べれるようになったが、今は使えない。昨日からシリルに手伝ってもらっている。
口を開けて待っているだけなんだけど。
流石に皇族が集まる席で、シリルを連れて来れなかった。
僕はお留守番でも良かったんだけど、祖母は『何事も経験』と言って、出席となった。
『プッ』とどこからか笑い声が聞こえた。
多分、僕が一人で食べれないことの嘲笑。でも、僕は気にしないし、気にも留めない。どんなに優秀な人だろうと、他者を貶めていい理由はない。第一、少し優っているからってバカにしてくる奴は、小者でしかない。いちいちそんな奴を相手にすることはしない。
皇帝陛下達が来るまで、誰も会話をしないで、静かな時間が流れた。壁際にいるであろう使用人も、衣擦れの音もたてないくらいに静かだった。
静かだと、よくわからない恐怖に襲われる。隣の祖母の手を探して、握ってもらう。手の温かさで心が落ち着いた頃、陛下達が入場された。
一斉にみんなが席を立って礼をした。
僕はわからないので動けないでいた。
椅子の高さやテーブルとの距離。下手に動いたら、椅子から落ちてしまうし、テーブルもぐちゃぐちゃにしてしまう。
「ふっ、不敬だぞ!」
と、誰かに言われた。しかし、皇帝陛下は、『よい』と言ってくれた。
祖父母が僕を立たせなかったので、何か思惑があるか、忘れていたかどちらかである。今回は多分前者なんだろうな。孫をあまりいいように使わないでもらいたい。事前に言ってくれたら、協力はするのに。
みんなが席に座る音がした。
少し静かになったところで、皇帝陛下が話し出す。
「父上の見舞いで、父の弟アムール様がアダマス王国よりみえられたので、歓迎の意を込めて、身内だけだが晩餐会を執り行う運びとなった。初めて会う者もいるだろうが、これを機に交流を深めてもらいたい。同行者として、サファイア前公爵、孫のリアムが来ている。リアムは、ザライア様と同じ流行り病に罹り、視力を失っておる。今回は身内だけであるから、マナーに関しては多めに見てほしい。」
と、紹介された。『えっ?!』と驚いた空気になった。それはテーブルにいる人、壁際にいる使用人から伝わってきた。
見た目は常人と変わらないから。ずっと瞼を閉じているわけでないから、初見では分かりづらい。
皇帝陛下は続けて同席者の紹介をしていく。皇太子殿下と第二皇子、皇弟殿下、皇弟妃、皇弟子息、祖母、祖父、僕の順番で紹介された。
皇太子殿下と第二皇子は、似たような低めの声で間違いそうだ。
皇弟妃はちょっと高めの声。なんか虫の居所が悪いって感じの話し方だった。多分香水の人なんだろうな。
紹介が終わり、料理が運ばれてくる。
最初にスープだ。右手にスプーンを持たされ、左手はスープ皿の受け皿を触れさせてもらった。
スープの飲み方はいっぱい練習した。肉料理とかはどんな形かわからないから、カトラリーを扱えないけど、スープはスプーンで掬うだけだから、音を立てずに、食器をぶつかり合わさないように、何十回と練習をした。
祖母が小声で『ポタージュだよ』と教えてくれた。
ゆっくりと慎重にスープを掬い、口元に運ぶ。スッと飲めば、ジャガイモの甘さが美味しい。
みんなが静かに食べる中、カチャッ、カチャッと音が響く。
聞こえる場所から多分グウェンダルだと思う。マナーをきちんと習ってないのかな?
僕は気にせず食べ進める。
残り少なくなってきたところで、祖母が僕のスプーンを持って、残りを食べさせてくれた。
僕がゆっくりとスープを味わっている間に、みんなはオードブルや肉料理と食べ進めていた。
スープが飲み終えたから、祖父母に一皿交代で食べさせてもらう。
祖母はオードブルをちょうど良いサイズにして食べさせてくれるが、祖父は豪快に切り分けた肉料理を口に運んでくる。
「お祖父様、もう少し小さくです。僕のお口はまだ小さいです。」
「すまん。」
と、祖父は笑いながら謝った。僕もいつかは豪快に肉料理を食べたい。まずは顎を鍛えるところからかな?
僕も食べ終えた頃、デザートが来た。
「リアム食べられそう?」
「どのくらいの量ですか?」
「パン2つ分かな?」
パン1つが成人男性の拳2つ分だから、
「やめておきます。お腹いっぱいです。」
「じゃあ、フルーツを一口分だけは?」
「それなら、大丈夫です。」
一口サイズのフルーツが口に運ばれる。
とても甘くて甘くて美味しかった。
「お祖母様、このフルーツはなんて言うフルーツですか?ルー兄様とエド兄様に食べさせたいです。」
「マンゴーっていうらしいよ。あまり日持ちはしないから、持ち帰れないよ。」
「そうなんですね。残念です。」
僕はしょぼんとしてしまう。兄達は甘いものが好きだから、気にいると思ったのに。
「マンゴーは干し果物としても売られています。それを持ち帰れるのは如何ですか?」
と、皇太子殿下が教えてくれた。
「ありがとうございます。是非そうさせていただきます。お祖父様!」
こういう時は祖父に頼む。
「よしよし、買って帰ろうな。」
「ブルート。」
祖母の少しお怒りの声。
「リアムのこの気持ちは大事にしてあげないとな。」
「もう、甘いんだから。リアムもわかっていてブルートに言うし。」
「お祖母様、お土産ダメですか?」
胸元に手を組み、きゅるんとした瞳で祖母を見つめる。多分できているはず?
「…お土産分だけ。それ以上はダメだよ。」
「はい!ありがとうございます。」
祖母への説得は成功したようだ。
兄達へのお土産ができたって、僕は喜ぶ。
祖父母のことだからお土産は買って帰ると思うが、僕も選んだと言いたかった。
陛下達からほんわかとした雰囲気が伝わってくる。
「リアムには、兄が2人いるのか?」
さっきと声が微妙に違うから、多分第二皇子かな?
「はい。ルーフェスとエドワードと言います。あっ、2人共婚約者はいます。」
「そうか。」
クツクツと笑われた。面白い要素あった?
「あらあら。」
と、皇后陛下の楽しそうな声が聞こえてきた。何が『あらあら』なのかな?
「リアムの胸元のブローチは素敵だね。誰かからの贈り物ですか?」
今度は皇太子殿下かな?ちょっとずつだけど、違いがわかってきた。
「父と母からです。アダマス王国では、10歳になると、家名の宝石を誂えた装飾品をもらうのです。もしくは婚約者がいたら、その方の家名の宝石と合わせた装飾品を作られるそうです。」
「サファイア公爵だから、サファイア?その大きさのサファイアは初めて見たよ。しかも、スターサファイアかな?光が反射して星形が浮かび上がって見えるよ。」
大きいのかな?他のと比べたことがないから、僕はよくわからない。
しかもスターサファイアとは?
首を傾げていたら、
「リアムのそのブローチは、みんなで決めたんだよ。父とルーフェスが石を選んで、母とエドワードがデザインしたものなんだ。」
と、祖父が教えてくれた。
みんなの想いが詰まったブローチだった。シリルがブローチをつけてくれる時に緊張気味だったのは、そういうことだと知っていたからだ。
僕は思わずポロリと涙を溢す。
「絶対に大事にします。」
僕の宝物が増えた。
どんなものかわからないけど、家族の気持ちがいっぱいに詰まったブローチ。
家に帰ったら、探査魔法で形だけは覚えるまで見続けようと思った。その前に探査魔法の性能をあげないと。
いつも以上に丁寧に洗われて、オイルマッサージをされて。
用意された服を着せられたら、髪を整えられる。仕上げに薄く化粧をされた。
胸元に父と母からプレゼントされたサファイアのブローチをつけてもらったら、完成らしい。
「リアム様、とてもお綺麗ですよ。」
とシリルは言ってくれた。
祖父母の支度が終わるまで、少しだけお茶をいただく。しばらくすると2人が来た。
「リアム、綺麗だね。」
「アルと並ぶと親子だな。」
と、言ってくれた。
「親子?」
「ああ、親子にしか見えない。アルはいつまでも綺麗で若いから、リアムとはそっくりな親子にしか見えないな。」
祖父が事あるごとに祖母を褒めるから、聞いているこっちが恥ずかしくなる。でも、これが祖母の若さの秘訣なのかも?
祖父母に手を繋がれて、晩餐会の会場へと向かった。
会場に入った瞬間、ものすごい香水の匂いで、祖母の手を離し、鼻を摘んだ。
「リアム?」
「くちゃいでちゅ。」
「ああ。誰か換気を。」
と、祖母が使用人に声をかけた。
多分先に来ていた人の中に、思いっきり香水を使っている人がいたのだろう。
ギリリと歯軋りをする音が聞こえる。
誰かわからないけど、食事をする場で、この匂いはない。
一人、席を立ち近づいてきた。
「叔父上、お久しぶりです。その子は?」
「久しぶりだね、ウルトゥス。私の孫だよ。」
「紹介はしてくれないんですか?」
「レイモンド達が来てからするよ。」
祖母は素っ気なく対応して、椅子に座る。
その隣に祖父が僕を椅子に座らせてくれると、またその隣に祖父が座る。
祖父母の間に僕が挟まる形になった。
「お祖父様、お祖母様のお隣じゃなくてもいいの?(小声)」
いつも2人の席は隣同士だから、間に挟まれる形は初めてだった。
「今夜は特別だから。」
「特別?」
「シリルがいないから、リアムは一人で食べれないだろ。私達がリアムのお手伝いをするから。」
「あっ、そっか。お祖父様、お祖母様ありがとうございます。」
探査魔法を使えば一人でも食べれるようになったが、今は使えない。昨日からシリルに手伝ってもらっている。
口を開けて待っているだけなんだけど。
流石に皇族が集まる席で、シリルを連れて来れなかった。
僕はお留守番でも良かったんだけど、祖母は『何事も経験』と言って、出席となった。
『プッ』とどこからか笑い声が聞こえた。
多分、僕が一人で食べれないことの嘲笑。でも、僕は気にしないし、気にも留めない。どんなに優秀な人だろうと、他者を貶めていい理由はない。第一、少し優っているからってバカにしてくる奴は、小者でしかない。いちいちそんな奴を相手にすることはしない。
皇帝陛下達が来るまで、誰も会話をしないで、静かな時間が流れた。壁際にいるであろう使用人も、衣擦れの音もたてないくらいに静かだった。
静かだと、よくわからない恐怖に襲われる。隣の祖母の手を探して、握ってもらう。手の温かさで心が落ち着いた頃、陛下達が入場された。
一斉にみんなが席を立って礼をした。
僕はわからないので動けないでいた。
椅子の高さやテーブルとの距離。下手に動いたら、椅子から落ちてしまうし、テーブルもぐちゃぐちゃにしてしまう。
「ふっ、不敬だぞ!」
と、誰かに言われた。しかし、皇帝陛下は、『よい』と言ってくれた。
祖父母が僕を立たせなかったので、何か思惑があるか、忘れていたかどちらかである。今回は多分前者なんだろうな。孫をあまりいいように使わないでもらいたい。事前に言ってくれたら、協力はするのに。
みんなが席に座る音がした。
少し静かになったところで、皇帝陛下が話し出す。
「父上の見舞いで、父の弟アムール様がアダマス王国よりみえられたので、歓迎の意を込めて、身内だけだが晩餐会を執り行う運びとなった。初めて会う者もいるだろうが、これを機に交流を深めてもらいたい。同行者として、サファイア前公爵、孫のリアムが来ている。リアムは、ザライア様と同じ流行り病に罹り、視力を失っておる。今回は身内だけであるから、マナーに関しては多めに見てほしい。」
と、紹介された。『えっ?!』と驚いた空気になった。それはテーブルにいる人、壁際にいる使用人から伝わってきた。
見た目は常人と変わらないから。ずっと瞼を閉じているわけでないから、初見では分かりづらい。
皇帝陛下は続けて同席者の紹介をしていく。皇太子殿下と第二皇子、皇弟殿下、皇弟妃、皇弟子息、祖母、祖父、僕の順番で紹介された。
皇太子殿下と第二皇子は、似たような低めの声で間違いそうだ。
皇弟妃はちょっと高めの声。なんか虫の居所が悪いって感じの話し方だった。多分香水の人なんだろうな。
紹介が終わり、料理が運ばれてくる。
最初にスープだ。右手にスプーンを持たされ、左手はスープ皿の受け皿を触れさせてもらった。
スープの飲み方はいっぱい練習した。肉料理とかはどんな形かわからないから、カトラリーを扱えないけど、スープはスプーンで掬うだけだから、音を立てずに、食器をぶつかり合わさないように、何十回と練習をした。
祖母が小声で『ポタージュだよ』と教えてくれた。
ゆっくりと慎重にスープを掬い、口元に運ぶ。スッと飲めば、ジャガイモの甘さが美味しい。
みんなが静かに食べる中、カチャッ、カチャッと音が響く。
聞こえる場所から多分グウェンダルだと思う。マナーをきちんと習ってないのかな?
僕は気にせず食べ進める。
残り少なくなってきたところで、祖母が僕のスプーンを持って、残りを食べさせてくれた。
僕がゆっくりとスープを味わっている間に、みんなはオードブルや肉料理と食べ進めていた。
スープが飲み終えたから、祖父母に一皿交代で食べさせてもらう。
祖母はオードブルをちょうど良いサイズにして食べさせてくれるが、祖父は豪快に切り分けた肉料理を口に運んでくる。
「お祖父様、もう少し小さくです。僕のお口はまだ小さいです。」
「すまん。」
と、祖父は笑いながら謝った。僕もいつかは豪快に肉料理を食べたい。まずは顎を鍛えるところからかな?
僕も食べ終えた頃、デザートが来た。
「リアム食べられそう?」
「どのくらいの量ですか?」
「パン2つ分かな?」
パン1つが成人男性の拳2つ分だから、
「やめておきます。お腹いっぱいです。」
「じゃあ、フルーツを一口分だけは?」
「それなら、大丈夫です。」
一口サイズのフルーツが口に運ばれる。
とても甘くて甘くて美味しかった。
「お祖母様、このフルーツはなんて言うフルーツですか?ルー兄様とエド兄様に食べさせたいです。」
「マンゴーっていうらしいよ。あまり日持ちはしないから、持ち帰れないよ。」
「そうなんですね。残念です。」
僕はしょぼんとしてしまう。兄達は甘いものが好きだから、気にいると思ったのに。
「マンゴーは干し果物としても売られています。それを持ち帰れるのは如何ですか?」
と、皇太子殿下が教えてくれた。
「ありがとうございます。是非そうさせていただきます。お祖父様!」
こういう時は祖父に頼む。
「よしよし、買って帰ろうな。」
「ブルート。」
祖母の少しお怒りの声。
「リアムのこの気持ちは大事にしてあげないとな。」
「もう、甘いんだから。リアムもわかっていてブルートに言うし。」
「お祖母様、お土産ダメですか?」
胸元に手を組み、きゅるんとした瞳で祖母を見つめる。多分できているはず?
「…お土産分だけ。それ以上はダメだよ。」
「はい!ありがとうございます。」
祖母への説得は成功したようだ。
兄達へのお土産ができたって、僕は喜ぶ。
祖父母のことだからお土産は買って帰ると思うが、僕も選んだと言いたかった。
陛下達からほんわかとした雰囲気が伝わってくる。
「リアムには、兄が2人いるのか?」
さっきと声が微妙に違うから、多分第二皇子かな?
「はい。ルーフェスとエドワードと言います。あっ、2人共婚約者はいます。」
「そうか。」
クツクツと笑われた。面白い要素あった?
「あらあら。」
と、皇后陛下の楽しそうな声が聞こえてきた。何が『あらあら』なのかな?
「リアムの胸元のブローチは素敵だね。誰かからの贈り物ですか?」
今度は皇太子殿下かな?ちょっとずつだけど、違いがわかってきた。
「父と母からです。アダマス王国では、10歳になると、家名の宝石を誂えた装飾品をもらうのです。もしくは婚約者がいたら、その方の家名の宝石と合わせた装飾品を作られるそうです。」
「サファイア公爵だから、サファイア?その大きさのサファイアは初めて見たよ。しかも、スターサファイアかな?光が反射して星形が浮かび上がって見えるよ。」
大きいのかな?他のと比べたことがないから、僕はよくわからない。
しかもスターサファイアとは?
首を傾げていたら、
「リアムのそのブローチは、みんなで決めたんだよ。父とルーフェスが石を選んで、母とエドワードがデザインしたものなんだ。」
と、祖父が教えてくれた。
みんなの想いが詰まったブローチだった。シリルがブローチをつけてくれる時に緊張気味だったのは、そういうことだと知っていたからだ。
僕は思わずポロリと涙を溢す。
「絶対に大事にします。」
僕の宝物が増えた。
どんなものかわからないけど、家族の気持ちがいっぱいに詰まったブローチ。
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いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
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一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
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