ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん異世界に来ました!

sideロイ8

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怒られてしょんぼりしてしまったアオイは、食欲がなくなったのか、食べすすみが遅かった。

俺は食べ終わっので、皿を持って席を立った。アオイもようやく食べ終わり、食器を持っていこうとするが、スッと俺が近づいてアオイの手から食器を取っていった。

「手伝いますよ。」

声をかけられるが、

「座っていて。」

と断る。

感情の起伏が激しくて、子供みたいだと思った。足の裏をケガしていることなんてもう忘れているのだろう。

食後のお茶をカップにいれて、テーブルに戻る。

アオイの前に1つ置き、俺の前にもう1つ置いて席に座る。

若返ったとはしゃいでいたが、実際40過ぎの言動でないことがわかる。元々が大人になりきれていない人だったかもしれない。もしくは、稀人と偽り、ラクな生活を送りたい平民か、城に入り込んで有益な情報を得たいスパイか?どちらにしても、今は本人の話からしか情報がない。

それに、体型から成人前にしても、話し方は平民にしては丁寧だし、別世界から来たと言った時の説明は、なるほどと思ったが。案外頭の回転は速そうだ。

自分の身体の変化についてはなんてこたえるんだろうか?

「身体の確認をしてどう?」

「かっ、確認をしたら、お腹や二の腕やらの贅肉がなくっていました。鏡でも、髪や顔を見たら、若返っていたんです。」

しどろもどろになりながら、確認内容を伝えてくれる。

先程、チラリと見てしまったが、確かに贅肉なんてなく、スラリとした体型ではあった。

「つまり、アオイは白髪がなくなって、贅に、…んっ、身体が若返ったということか?」

「そういうことです。」

女性に面と向かって、贅肉なんて言葉は失礼だよな。

「アオイは、40過ぎって言っていたけど、俺には13、14歳くらいにしか見えなかったから、驚いた。」

「私は16、17の時の顔に近いです。」

と、年齢より幼く見える顔立ちらしい。

「この国は15歳から成人と見なされるけど、それでも成人には見えないな。」

「で、でも、中身40過ぎだから、十分成人ですよね。」

「まぁ、そうなんだろうな。」

苦笑いをしてしまった。

外見年齢は16歳くらいで、精神年齢が40過ぎか。なかなかに厄介な話だな。

「私、元の世界に戻れないってことなんですかね。元の世界に戻っても、また私として生きていけないことなんですかね。もう二度と子供達に会えないんですかね。なんで、どうしてこうなってしまったんだろう。」

アオイは悪い方向に考え出したのか、もう前の世界に戻れない、前の姿に戻れないのだと言い出した。

子供達に会えないって言うや涙が溢れてだして、なんで、どうしてと誰かしらに問い出した。

アオイは母親なんだ。子供達が恋しいと泣いている。

俺は思わず席を立ち、アオイを横から、そっと優しく、でもしっかりと抱きしめた。

「城に行ったら、帰る方法も、身体が戻る方法も探そう。子供達が大事なんだろう。」
「うん。帰りたい、会いたいよぉ~。」

わんわん泣きながら、会いたい、帰りたい、子供達の名前らしき言葉を繰り返し叫んでいる。

子供を思う気持ちが、俺の胸も締め付けられているようで、この小さい存在を守りたいとも思った。

段々と声も小さくなってきたら、アオイは泣き疲れたのか、俺に抱き締めながら、泣きながら眠ってしまったようだ。
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