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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
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翌日、私は学園に戻った。授業はその翌日から再開した。
1週間ほどの休みであったが、長期休暇前と変わらない穏やかな雰囲気に変わっていた。
コンラッド殿下が教えてくれるはずがないので、聞かないことにした。
殿下方の補佐候補の方達の護衛兼監視も解かれた。ジークハルト王太子殿下には、当分は大人しくしていて欲しいと言われてしまった。私が問題起こしたわけでないのに、解せぬ。
それに、コンラッド殿下に微妙に距離を置かれている。多分、ロイさんのせいだ。いや、絶対そうだ。
ある放課後、帰り支度をして、コンラッド殿下達と寮に帰る時に、グランダル先輩に声をかけられた。
「シュバルツバルト嬢、少し話がしたいんだけど、いいかな?」
「?いいですけど。」
「えっと、ここで話しにくいから、別の場所に移動したいんだが。」
バッと、コンラッド殿下を見た。どうしたらいいかわからないから、対応頼む!と、目線を送る。
「グランダル殿、アオイと2人っきりは、まずいので、私も同行してもいいか?」
「いや、……わかった。」
グランダル先輩は、断ろうとしたが、思案して、コンラッド殿下を受け入れてくれた。
生徒が使用できる応接室に移動して、話を聞く。モリー様、マクスウェル様は部屋の前で待機してくれている。
「シュバルツバルト嬢が神樹に魔力を流したと聞いて、我が領の大樹を診てもらいたいんだ。」
「大樹、ですか?」
「神樹ではないんだが、我がグランダル領を守ってくれている大きな樹があるんだ。それが、父の話だとここ最近枯れてきているようなんだ。それで、神樹に選ばれたシュバルツバルト嬢なら、何かわかるかもしれないと思って。殿下、まだ王宮には報告していません。調査をしているんですが、原因がわからないので、報告の仕様がなく。」
「…なるほど。アオイ、前に言っていたアレかも知れない。」
「……アレ?ってなんでしたっけ?」
「~~、父上に報告したアレだ!」
「あっ、あ~、アレですね?」
「…殿下、アレとは?」
「すまない、父上の許可がなくては、話せないのだ。すぐ私の方から、父上に報告する。グランダル辺境伯にも連絡が行くと思う。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「アオイ、すぐに城に行くぞ。」
「今すぐですか?」
「今すぐだ。」
と、殿下は外にいるモリー様に声をかけて、馬車の準備をしてもらう。私は、マリアさんに伝達魔法で、城に行くことになったと伝える。
「シュバルツバルト嬢。聞いてもいいか?」
「?はい。」
「シュバルツバルト公と婚約をしたと聞いた。…後見人という立場から無理矢理に婚約したなんて噂もある。本当のところを教えてほしい。」
「何故です?」
「…私は、あなたに婚約を打診したが、断られた。その後すぐに婚約されている。私と公の違いを教えて欲しい。」
「…私はロイさんじゃないとダメで、ロイさんも私じゃないとダメなんです。それだけなんです。身分とか年齢とか関係ないんです、私達は。だから、グランダル先輩とロイさんの違いをあげても仕方ないんです。むしろ、私と婚約なんて、罰ゲームみたいなものですよ?」
「アオイ、その言い方は、叔父上が罰ゲーム中ではないか?むしろ、俺が罰ゲーム中だ。」
「まあ、確かにそうなりますね。」
「お前が納得するな!なんで宰相は、俺と同時期に学園に入学させたんだ。」
「殿下、諦めが肝心です。」
「もう、本当にやだ、こいつ。」
「…確かに罰ゲームっぽいですね?」
「グランダル殿、わかってくれるか?」
「…なんとなく、なら?」
「アオイは、父上にも普通に説教するんだぞ。不敬罪にあたらないからって、一国の王を説教するんだぞ。側から見て、恐ろしかった。婚約が罰ゲームなら、結婚はなんだ?!本当に叔父上を尊敬するよ。」
「そんなにやらかしていないんだけど?」
「リバーシで儲けたら、賭博場を作ろうかと言っていたでないか!この国は賭博は刑罰の対象だって言わなければ、作っていただろう?」
「あるところからしか、もらう予定なかったのに。」
「頼むから、この国の刑罰は覚えてくれ。」
「…抜け穴ってどこにでもありますよね?」
「あ~~~っ!」
コンラッド殿下は頭を抱えて蹲る。
からかい過ぎたようだ。
「コンラッド殿下、馬車の準備ができる頃なので、そろそろ行きましょうか。グランダル先輩、失礼します。」
と、私は殿下を無理矢理立たせて、部屋から出て行った。
「確かに、罰ゲームだ。」
グランダル令息は、心からコンラッド殿下を同情した。
1週間ほどの休みであったが、長期休暇前と変わらない穏やかな雰囲気に変わっていた。
コンラッド殿下が教えてくれるはずがないので、聞かないことにした。
殿下方の補佐候補の方達の護衛兼監視も解かれた。ジークハルト王太子殿下には、当分は大人しくしていて欲しいと言われてしまった。私が問題起こしたわけでないのに、解せぬ。
それに、コンラッド殿下に微妙に距離を置かれている。多分、ロイさんのせいだ。いや、絶対そうだ。
ある放課後、帰り支度をして、コンラッド殿下達と寮に帰る時に、グランダル先輩に声をかけられた。
「シュバルツバルト嬢、少し話がしたいんだけど、いいかな?」
「?いいですけど。」
「えっと、ここで話しにくいから、別の場所に移動したいんだが。」
バッと、コンラッド殿下を見た。どうしたらいいかわからないから、対応頼む!と、目線を送る。
「グランダル殿、アオイと2人っきりは、まずいので、私も同行してもいいか?」
「いや、……わかった。」
グランダル先輩は、断ろうとしたが、思案して、コンラッド殿下を受け入れてくれた。
生徒が使用できる応接室に移動して、話を聞く。モリー様、マクスウェル様は部屋の前で待機してくれている。
「シュバルツバルト嬢が神樹に魔力を流したと聞いて、我が領の大樹を診てもらいたいんだ。」
「大樹、ですか?」
「神樹ではないんだが、我がグランダル領を守ってくれている大きな樹があるんだ。それが、父の話だとここ最近枯れてきているようなんだ。それで、神樹に選ばれたシュバルツバルト嬢なら、何かわかるかもしれないと思って。殿下、まだ王宮には報告していません。調査をしているんですが、原因がわからないので、報告の仕様がなく。」
「…なるほど。アオイ、前に言っていたアレかも知れない。」
「……アレ?ってなんでしたっけ?」
「~~、父上に報告したアレだ!」
「あっ、あ~、アレですね?」
「…殿下、アレとは?」
「すまない、父上の許可がなくては、話せないのだ。すぐ私の方から、父上に報告する。グランダル辺境伯にも連絡が行くと思う。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「アオイ、すぐに城に行くぞ。」
「今すぐですか?」
「今すぐだ。」
と、殿下は外にいるモリー様に声をかけて、馬車の準備をしてもらう。私は、マリアさんに伝達魔法で、城に行くことになったと伝える。
「シュバルツバルト嬢。聞いてもいいか?」
「?はい。」
「シュバルツバルト公と婚約をしたと聞いた。…後見人という立場から無理矢理に婚約したなんて噂もある。本当のところを教えてほしい。」
「何故です?」
「…私は、あなたに婚約を打診したが、断られた。その後すぐに婚約されている。私と公の違いを教えて欲しい。」
「…私はロイさんじゃないとダメで、ロイさんも私じゃないとダメなんです。それだけなんです。身分とか年齢とか関係ないんです、私達は。だから、グランダル先輩とロイさんの違いをあげても仕方ないんです。むしろ、私と婚約なんて、罰ゲームみたいなものですよ?」
「アオイ、その言い方は、叔父上が罰ゲーム中ではないか?むしろ、俺が罰ゲーム中だ。」
「まあ、確かにそうなりますね。」
「お前が納得するな!なんで宰相は、俺と同時期に学園に入学させたんだ。」
「殿下、諦めが肝心です。」
「もう、本当にやだ、こいつ。」
「…確かに罰ゲームっぽいですね?」
「グランダル殿、わかってくれるか?」
「…なんとなく、なら?」
「アオイは、父上にも普通に説教するんだぞ。不敬罪にあたらないからって、一国の王を説教するんだぞ。側から見て、恐ろしかった。婚約が罰ゲームなら、結婚はなんだ?!本当に叔父上を尊敬するよ。」
「そんなにやらかしていないんだけど?」
「リバーシで儲けたら、賭博場を作ろうかと言っていたでないか!この国は賭博は刑罰の対象だって言わなければ、作っていただろう?」
「あるところからしか、もらう予定なかったのに。」
「頼むから、この国の刑罰は覚えてくれ。」
「…抜け穴ってどこにでもありますよね?」
「あ~~~っ!」
コンラッド殿下は頭を抱えて蹲る。
からかい過ぎたようだ。
「コンラッド殿下、馬車の準備ができる頃なので、そろそろ行きましょうか。グランダル先輩、失礼します。」
と、私は殿下を無理矢理立たせて、部屋から出て行った。
「確かに、罰ゲームだ。」
グランダル令息は、心からコンラッド殿下を同情した。
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