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おばちゃん学園に通っちゃいます!【2年生】
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「ああ、そうね。あんた帝王切開だったわね。卵管縛ってあるんだったわ。」
先輩に3人目ができた時に相談していた。外科医としての意見を聞きたかったから。
でも答えは同じで、4人目以降は子宮が耐えられるかわからないと言われた。
3人目の時に破水をして、予定より1か月早く産むことになった。破水した場所が、1人目、2人目でメスが入った場所だったらしい。そのこともあり、これ以上の妊娠は、母体の負担が大きいとのことでそのような処置をされたのだ。
「その『ランカン』がまずわからなかった。赤子が育つ場所なども知らなくて、アオイから説明を受けたのが切っ掛けだった。王都はまだ良いが、地方に行けば子供の生存率は低くなる一方だ。父の三代前から戦争も起こさないように条約も結ばれたし、ならば、次は国力を上げようと思った時に何から手を付けていいかわからなかった。その頃にアオイの話を聞いて『これだ!』と思ったが、医者は数は少ないうえに一子相伝とまでいかないが、門外不出の情報が多い。だから国をあげて、医者を増やそうとした時に基礎となる教書が欲しい。あらゆるところに頼んでみたが、どこも返答は『拒否』だった。」
「まぁ、そうでしょうね。私も代々の医者の家系で生まれたから良かったですが、他の家系で生まれたら、反対にこの知識のことで罰せられるかもしれませんし。知識の盗人として。」
「えっ!こっわぁ!だって小学生のうちに簡単なことくらいは習うんじゃないの?」
「おなつ、ここは違うの。向こうは当たり前でも、こっちは違うのよ。あんたこっちに来て何年なの?」
「1年は経ったよ。」
「なら、あんたはまだまだこっちの常識を知らな過ぎよ。殿下、公爵様、みっちり教えてあげてください。」
「そうだな。まだまだだったな。」
ロイさんのニンマリ笑顔。笑顔が黒いってこのことを指すと思う。
「いや、これ以上忙しいのはちょっと。」
「マリア、寮で寝る前に少しずつ教えていけ。まだ、寮でもやらかしているんだろう?」
「はい。では、そのように。」
その『はい』は、教えることに対しての『はい』なの?それともやらかしていることの『はい』なの?
マリアさんを見て確認するが、良い笑顔でしか返してくれない。
「こ、これが四面楚歌!周りが敵しかいない。」
誰も私の味方になってくれないことに嘆いたら、
「「アオイ(あんた)がきちんと話さないのが悪い!!」」
と、ロイさんと先輩に叱られる。
なんでこの2人は短時間で意気投合してんのよ!
その後、ジークハルト殿下と先輩は、より詳しい話をすることになり、離宮から王宮に場所を移した。
「ロイさん、これは?」
「湖にある島に建物を建てたのか。綺麗だな。」
「これは海だよ。ここは島全体が教会になっていて、潮の満ち引きで道が現れたり、孤島になったりするの。」
「海か。こんなに綺麗なものなんだな。」
と、ロイさんと一緒にスマホに保存してある世界の絶景を観ている。
ロイさんは後ろから私を抱きしめられながら、私の肩に顔を乗せて、ソファに座りながら一緒にスマホを観る。
今は2人きりの時間。
ダンさんやマリアさんもいない。
彼が塩湖の世界しか知らないのは、物悲しいものがあるから、色々と観せる。
「ロイさん、海や湖がある風景好きだよね。」
「……そうかも知れない。…好きだと自覚したことはなかったな。」
「初めてのデートは湖だったし。」
「途中で邪魔が入ったがな。」
「今度またデートしようね?」
「ああ。今度は邪魔が入らない場所にしような。」
「次はどこかな?」
どんなところに連れて行ってくれるか想像していたら、ロイさんに顎クイされ、後ろに振り向かせられて、キスをしてくる。
唇の角度を変えて、私の身体の向きも変えて。
まだ、夜でないから激しくはない。優しいキスを繰り返してくる。
私を大事に想ってくれる人。
私が大事な人。
マリアさんに夕食を呼ばれるまで、2人の時間を堪能した。
先輩に3人目ができた時に相談していた。外科医としての意見を聞きたかったから。
でも答えは同じで、4人目以降は子宮が耐えられるかわからないと言われた。
3人目の時に破水をして、予定より1か月早く産むことになった。破水した場所が、1人目、2人目でメスが入った場所だったらしい。そのこともあり、これ以上の妊娠は、母体の負担が大きいとのことでそのような処置をされたのだ。
「その『ランカン』がまずわからなかった。赤子が育つ場所なども知らなくて、アオイから説明を受けたのが切っ掛けだった。王都はまだ良いが、地方に行けば子供の生存率は低くなる一方だ。父の三代前から戦争も起こさないように条約も結ばれたし、ならば、次は国力を上げようと思った時に何から手を付けていいかわからなかった。その頃にアオイの話を聞いて『これだ!』と思ったが、医者は数は少ないうえに一子相伝とまでいかないが、門外不出の情報が多い。だから国をあげて、医者を増やそうとした時に基礎となる教書が欲しい。あらゆるところに頼んでみたが、どこも返答は『拒否』だった。」
「まぁ、そうでしょうね。私も代々の医者の家系で生まれたから良かったですが、他の家系で生まれたら、反対にこの知識のことで罰せられるかもしれませんし。知識の盗人として。」
「えっ!こっわぁ!だって小学生のうちに簡単なことくらいは習うんじゃないの?」
「おなつ、ここは違うの。向こうは当たり前でも、こっちは違うのよ。あんたこっちに来て何年なの?」
「1年は経ったよ。」
「なら、あんたはまだまだこっちの常識を知らな過ぎよ。殿下、公爵様、みっちり教えてあげてください。」
「そうだな。まだまだだったな。」
ロイさんのニンマリ笑顔。笑顔が黒いってこのことを指すと思う。
「いや、これ以上忙しいのはちょっと。」
「マリア、寮で寝る前に少しずつ教えていけ。まだ、寮でもやらかしているんだろう?」
「はい。では、そのように。」
その『はい』は、教えることに対しての『はい』なの?それともやらかしていることの『はい』なの?
マリアさんを見て確認するが、良い笑顔でしか返してくれない。
「こ、これが四面楚歌!周りが敵しかいない。」
誰も私の味方になってくれないことに嘆いたら、
「「アオイ(あんた)がきちんと話さないのが悪い!!」」
と、ロイさんと先輩に叱られる。
なんでこの2人は短時間で意気投合してんのよ!
その後、ジークハルト殿下と先輩は、より詳しい話をすることになり、離宮から王宮に場所を移した。
「ロイさん、これは?」
「湖にある島に建物を建てたのか。綺麗だな。」
「これは海だよ。ここは島全体が教会になっていて、潮の満ち引きで道が現れたり、孤島になったりするの。」
「海か。こんなに綺麗なものなんだな。」
と、ロイさんと一緒にスマホに保存してある世界の絶景を観ている。
ロイさんは後ろから私を抱きしめられながら、私の肩に顔を乗せて、ソファに座りながら一緒にスマホを観る。
今は2人きりの時間。
ダンさんやマリアさんもいない。
彼が塩湖の世界しか知らないのは、物悲しいものがあるから、色々と観せる。
「ロイさん、海や湖がある風景好きだよね。」
「……そうかも知れない。…好きだと自覚したことはなかったな。」
「初めてのデートは湖だったし。」
「途中で邪魔が入ったがな。」
「今度またデートしようね?」
「ああ。今度は邪魔が入らない場所にしような。」
「次はどこかな?」
どんなところに連れて行ってくれるか想像していたら、ロイさんに顎クイされ、後ろに振り向かせられて、キスをしてくる。
唇の角度を変えて、私の身体の向きも変えて。
まだ、夜でないから激しくはない。優しいキスを繰り返してくる。
私を大事に想ってくれる人。
私が大事な人。
マリアさんに夕食を呼ばれるまで、2人の時間を堪能した。
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