真紅の殺戮者と魔術学校

蓮月

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第二章

第10話

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『…何を言っている。』

ADXから意味が分からないと、
いう声が聞こえる。
クラトはADXをぎゅっと握り直す。

「…レウ君は…レウ君の中には…もう一人の人格がいます。…レウ君は二重人格です。」

クラトは途切れ途切れに、
上司であり、レウの父であるディオンに
伝える。クラトの目の前では、
既に事情を聞いたキッカが、
涙を流して震えている。

『…どういう事だ!?何があった!?』

荒々しい叫びと共に、落ち着いて下さいと
訴えるユリヤの声が聞こえた。

「詳しい話は、直接言いますが…もう一人の人格は、危険です。」

クラトは今は包帯が巻かれている首を、
触りながら続ける。

「言っていた事は、殆どわかりませんでしたが、彼は魔銃を使わず、魔術で敵の首を狩り取り、自分がこの身体の主人格だと言っていました。」

『……どういう事だ。』

「…分かりません。レウ君は今は眠っています。起きたら、本人にどこ迄理解しているのかを確認するつもりです。」

『…すぐ戻る。』

「了解です…。」

ー ピッ。

「…すぐ戻るそうです。」

「あぁ…ッ!!」

キッカは顔を両手で覆う。
クラトは無言でキッカの膝の上に、
ハンカチを置いて部屋を出ていく。

(…何も、出来なかった。)

クラトは唇を噛みながら、
重い足を引き摺るように歩く。

レウが気を失った後、
クラトはすぐにADXでオールディス家の
使用人に連絡をとり、
二人を屋敷に運んでもらう様に指示を
出し、キッカに事情を説明した。
キッカは気を失っているレウと、
クラトの首にくっきりと残る赤い
手形の痣を見て、動揺しながらも
使用人に的確な指示を出していた。

少し落ち着いたところで、
詳しい事情を説明し、ディオンに
連絡をして今に至る。

クラトの心の中は後悔と自身に対する
憤りが渦巻いていた。
ふぅっと息を吐き、ある部屋の前に立つと、
控えめなノックをし、入っていく。

「…ルチアちゃん。」

そこには、ベッドで眠るルチアがいた。
顔色は良くなり、穏やかな寝息を
立てている。

「………。」

クラトはベッド脇にある椅子に座る。
そして、ゆっくりとルチアの手を握る。
手は少し冷えていた。

「…ごめん。」

クラトは小さく呟き、額を
ルチアの手に当てる。

(君を守ると言ったのに…。)

クラトとルチアが初めて会った日、
クラトはルチアにとある契約を持ちかけた。
それは、クラトはルチアを
サルザットの追手から守り、
ルチアはクラトの仕事に手を貸す
といったものだった。
初めは、警戒してなかなか頷いて
くれなかったが、何とか説得して…
少し脅したかもしれないが、
良い協力関係を築けていた。

「…情けないな、僕は。」

「……そうね。」

「!!」

声にハッと顔を上げると、
ルチアが目を開けていた。

「ルチアッ…ちゃん。」

「…ここは何処?」

ゆっくりと身体を起こし、
辺りを見回すルチア。
まだ、頭がぼんやりしているのか
こめかみを軽く押さえて、
瞬きを繰り返している。

「屋敷の中だよ。…あの後、敵は逃げてった。」

「……どうやって撃退したの?」

クラトの言葉にホッと息を吐きつつ、
驚いた顔で訝しげに聞く。

「……レウ君…って言って…いいのか…。」

「…は?」

クラトはルチアが気絶した後の
出来事を順に説明する。

「…そんな事が。」

事情を聞いたルチアは、
目を見開いて、固まっていた。

「…………。」

クラトは沈黙する。
けれど、口を震わせて声を…
思いをルチアに打ち明ける。

「…僕は、ルチアちゃんが連れていかれそうになった時…。」

クラトの弱々しい声に、
ルチアはハッとクラトを見る。
クラトの顔は青ざめていて、
いつもの飄々とした雰囲気はなかった。

「…混乱して…何も出来なかった。敵の者に、言われた言葉もそうだけど、今まで君と関わった時間は全て偽りだったのかと…間違いだったのかと…思ったんだ。」

「……ッ。」

自分の性で…自分が事情を隠してた
性で、今クラトを傷つけている事を
理解し、ルチアは悲痛な顔を伏せる。

傷ついているのは、自分だけでは
なかった。勝手に自分を悲劇の主人公と
考えて、巻き込んだ人の事は
何も…考えていなかった。
兄を救う為なら、どんな事でもやれると
思っていた。けれど、それを実行すると
いうことは、周りを傷つけるという事を
本当の意味で、理解していなかった。

「……私は、最低な奴ね。」

ルチアはクラトの手を握り返した。
そして、クラトの水色の瞳を
ひたと見据えた。

「……クラト。」

初めて、きちんと名前で呼んだ。
いつの間にか自分にとってクラトは、
悲しませたくない人に…なっていた。

(あぁ…そうだ。そうなんだ。)

悲しませたくないから、
教えなかった。教えたら…
離れていくかもしれない。
今までの関係が崩れてしまうかも
しれない。

(今更…、今更だけど…。)

「ルチア…ちゃん?」

クラトは戸惑った声を上げる。

「…私は、サルザット帝国第二皇女ルチア・サルザット。事情により、アルヴィート王国に亡命してきた。」

「!!」

「私は…サルザット帝国皇帝を…父をここに来たの。…兄を…助けるため。」

「皇帝を…殺す…?」

クラトは意味を理解するために、
ポツリと呟く。

「…父は、壊れているの。いや…父じゃなく、サルザット帝国そのものが。」

ルチアは祖国を思い浮かべる。
民は苦しみ、権力者は好き勝手に暴れ、
王はただそれを続けさせる。
もうあの国は腐っているのだ。

「…だから、終わらせたいの。あの国を。」

ルチアはもう一度、クラトの手を
握り直した。

「もう…隠さないわ。ちゃんと、覚悟を決めて戦う。…貴方を騙して、図々しいかもしれない。けどっ!!」

ルチアの瞳は決意に溢れていた。
もう霞も迷いも無くなっていた。

「私の為に…いえ、祖国の民の為に!!力を貸して欲しいの!!…貸して…下さい!!」

「ッ…ルチア…ちゃん。」

ルチアは、すっと握っていた手を
離し、ベッドから降りて地に伏せ、
額を地に付けた。
それはサルザット帝国では、
死を受け入れ、皇帝の裁きを待つ時に
する動作だった。

「私は死んでもいい!!けれど、民はッ。民とお兄様だけはッ!!救って下さい!!」

「ルチアちゃん!頭を上げて!!」

クラトは無理矢理、ルチアを
立ち上がらせ、ベッドに座らせる。

「……ルチアちゃんの…覚悟は…分かったよ。」

クラトはルチアの瞳を見て言う。
ルチアの瞳は、あの時のの瞳と
同じだった。

(僕も…覚悟を決めるよ…。)

「…僕に…出来る事をする。君に…ルチアに協力する。これは、誰の意志でもない…僕の…クラト・ウォティラの意志だ。」

クラトはポケットから、煌びやかな
装飾の付いたバッチを取り出す。
そして、それを"身体強化"魔術を
使ってバキッと壊した。

「それは……?」

「これは、国王陛下が認めた者のみが持つものだ。僕は国王陛下に仕える時に、これを貰った。」

それを…壊したという事は…
つまり…。

「…これで、僕は国王陛下の意志に背き、ただのクラト・ウォティラ…いや、もしかしたら絶縁されるかも……まあ、ただのクラトになったって事だ。」

「えぇッ!?」

「…うん。何か後悔とかするかな?って思ってたけど…凄いスッキリした。…ハハハッ。」

クラトは呆然とするルチアに
笑いかけながら、んーっと背伸びをする。
その顔はとても子供らしい、
無邪気な良い笑顔だった。

「…ルチアちゃん…いや、ルチアって呼ぶね。…僕は君の事が…命賭けて守りたいくらい…大事だから。」

(そうか…そんな単純な事だったんだな。)

クラトはルチアに対するこの気持ちが、
何なのかが漸くわかった。
すとんっと腑に落ちた。

「え…ぇ?あ、ありがとう??」

(あ、これ、わかってないやつだ。)

ルチアの戸惑った返答に、
クラトは困った様に笑う。
思ってたよりもルチアは鈍感な様だ。

「わかってないね?…それじゃあ。」

クラトはスッとルチアとの距離を詰めた。

ー ちゅっ。

「……ぇ。」

一瞬だった。
ルチアの頬に温かく柔らかいものが
触れたのは。

「…僕は本気だからね。同情とかじゃなく。」

クラトの言葉と共に、
ボボボッと顔を真っ赤にして
キスされた頬を手で押さえるルチア。

「ぁ…ぁぅ…!!」

狼狽えるルチアに笑いかけ、離れる。

「…僕は今から色んな事を片付けてくるよ。君はまだ少し寝ててね。君の事は、キッカ様に頼んでおくから。…ユリヤさんにも頼んでおこうか。」

クラトは部屋のドアノブに手を
かける。

「…戻ってくるからね。」

そう言い残して、クラトは部屋から
出て行った。
ルチアは暫くはそのままボーッと
していたが、ゆっくりとベッドに
深く潜り込んだ。

「…………うぁぁーッ!!」

くぐもった小さな叫びが
ベッドの中で響いた。
そしてバタバタと足を動かす音も。

「………本気…なの…。」

ルチアは暫く悶々と考えていた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「……ここは。」

レウが目を開けると、そこは
あの夢の中だった。
だが、前と違い、草原ではなく
何処かの部屋の一室の様だ。
窓の外は相変わらず月が浮かんでいる。

「…君には困ったものだよ。」

ああ、とレウは思う。
いつも聞く声とは違い、
低い声だが、この声は…。

「…お前は…何なんだ。」

「それは自分で答えを見つけないと、意味が無い。」

振り返ると椅子に優雅に座る…
自分がいた。けれど、わかる。
目の前にいる自分は、もう一人の人格で
ある者だと。あの少年だと。

「答えへの鍵はもう手に入れた。あとは、宝箱…いや、血に塗れた箱を開ければいい。」

「…お前は…何でそんな事をさせたいんだ?」

目の前の自分は溜息を吐いた。
そして、つまらないものを見るかの
様に目を細めた。

ではないんだよ。お前はんだ。」

ー ジャラッ。

「……?」

よく見ると、目の前の自分の両手、
両足に黒い鎖が絡みついていた。
鎖の先は彼の足下の影に繋がっている。

「…全てが分かった時には、君は自ら身体の主導権を僕に渡す。望んだ上でだ。」

ジャラリッと音を立てながら、
煩わしげに前髪を掻き上げて
笑うもう一人の自分。

「さあ…開けに行ってきな。」

その言葉と共に足元がガラガラと
音を立てて、崩れ落ちていく。
落ちていく最中、見えたもう一人の自分は
悲しげにこちらを見ていた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「………行こう。」

目を開けると、いつもの自分の部屋だった。
部屋には幸い誰もいない。
素早く、支度を終え、また窓から
飛び降りる。

「……書き置きは…ない方がいい。」 

ADXも部屋に置いてきた。
部屋にいない事がバレれば、
すぐに俺を探し始めるだろう。

「……誰にも会わないように。あの場所へ。」

気配を消しながら、"身体強化"魔術を
使って速く目的地に向かう。
自分が出せる最大のスピードで。

「………。」

数十分後、俺は王城に来ていた。
門兵はこの前来た時に、顔を
覚えられていたので、
本人証明の検査を受けた後、
快く通してくれた。
王城内に入り、あの一室に向かう。
部屋の前には、二人の憲兵がいた。

「レウ・オールディスがお話したい事があると、伝えてもらえませんか?」

「…暫しお待ち下さい。」

憲兵の一人が部屋へ入っていった。
暫くして、憲兵が戻ってきた。

「…どうぞ、お入り下さい。」

「ありがとうございます。」

礼を言って中へと入る。
部屋の中は、広く豪華な造りに
なっており、入口から長く赤い絨毯が
敷かれている。その先には、
王座とそこに座る国王陛下がいた。

俺は、ゆっくりと国王陛下の近くまで
近寄り、臣下の礼をとる。

「楽にしていいよ。」

声と共に顔を上げれば、
国王陛下は柔らかい笑みを浮かべている。

「…君が一人で私に会いに来たという事は、もしかしてディオンに内緒で、娘との婚約に色良い返事をするためかな?」

「いえ、違います。」

俺が即答すると、国王陛下は
残念だだなぁと笑いながら言った。
国王陛下の様子を見るに、
まだ父上やクラト先輩からの連絡は
来ていないようだ。

「…それで、用事は何かな?」

「…厳重保管室の資料の閲覧許可を頂きたいのです。」

「…へぇ。」

国王陛下はスっと目を細めた。
こちらを見透かすような視線だ。

「理由は何かな?」

「過去に自分がいた施設について、関係ある人物と接触した為、それについて調べたいのです。」

半分嘘、半分本当だ。

「…いいよ。」

国王陛下は憲兵を呼び、
許可証を取りに行かせた。

「その人物について、分かったら私にも教えてくれ。」

「わかりました。」

許可証を貰い、部屋から退出する。
その足で厳重保管室に向かう。
逸る気持ちを押さえつけ、
走らず、失礼のないギリギリの速さで
歩いて行く。

「……ここか。」

厳重保管室の扉に許可証を
スキャンすると、扉が開いた。
中へ入ると、多くの戸棚と、
部屋の中心に大型のADXが置いてあった。
俺は順番に戸棚の札を見ていく。

「…八年前………あった。」

目当ての棚の引き出しを開けると、
中には記録保存用の小さいADXが、
大量に保管されていた。
その中からあの施設についての
記録のADXを取り出す。

「これか…。」

そして、それを中心にあるADXの
読み取り口に設置し、中のデータを
読んでいく。

「…施設…関係者…子供……詳細について……。子供の個別データ……。」

施設で自分と同じ目にあった子供達の
写真が次々と出てくる。

「試験体No.423……No.501…No.597……No.624………あ。」

ぴたりと手を止める。
目の前にはあの頃の自分の写真。

「…試験体No.666。」

かつての名前。
自分に関する部分を読んでいく。

「…発見場所は…国境の森の中…。ふらふらと彷徨い歩いていた所を捕獲…。薄汚れていて、大きいTシャツだけを身につけていた…?」

何故、そんな格好で危険な国境附近を
俺は彷徨っていたのだろうか?

「……子供の耳には……ピアスが…片方ずつ付いていた…?……ピアス?」

…ピアス。
何故か引っ掛かる。

「…色は……金……と、青……?」

金…青…。
それは…確か…。

…。」

そうだ。瞳の色だった。
誰の瞳の色だっただろうか…。

「…ピアスは回収し…破棄した。……売れそうかと思ったが、ピアスには…文字…のようなものが、刻んであったため、もしものために…破棄…。」

文章の最後にピアスの写真が、
付属されていた。
その写真を拡大して見る。

「……これは…術式に使われる文字?」

魔術術式に使われる文字が、
ピアスの石の中央に彫られていた。

『…お揃いよ!!』

少女の声が聞こえる…。
…そうだ。お揃いだった。

『三人で…ずっと…。』

嬉しそうな少女の声だ。
頭がズキズキと痛み出した。
覚えている。ずっと、覚えていた。
何故忘れていたのか。
それは……。

『…さようなら。』

悲しい声。
もう二度と聞くことのない少女の声。

「ヴグッ!!…ッァア!!」

心臓が煩いほど脈打つ。
上手く呼吸が出来ない。

「…ッァアぁ…ァァァ!!」

ー キィンッッ!!

脳に突然甲高い音が響いた。
それが合図かの様に、記憶の蓋が開いた。

「ハァ…ッ……あぁ。そうだった。」

全て思い出した。
俺が何なのかも、過去も全て。
そしてもう一人の自分も。

「俺は……。」

ゆっくりと目を閉じる。
そして呼びかける。
もう一人の自分に。

「俺は……だ。」

『…正解。』

呟くと共に、身体の主導権を
もう一人の自分に…いや、

『…終わらせなければ、ならない。』

…わかっている。
間違いは正さなければならない。
だから…。






















さようなら。

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