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幕間~忘れられた出会い3~
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ドカンッ! という爆音とともに小屋の扉が粉砕され、次いでもうもうと煙が立ち込める。
煙のせいで、はっきりとした姿は分からないが数人の男達がなだれ込み人攫い達に襲い掛かった。
「な、何だ!」
「どうしたっ!」
「見張りは何してやがる!?」
突然の事態に動揺したのだろう。人攫い達は、あっという間に新たに入ってきた男達によって昏倒させられていた。
その騒ぎの合間に、聞き慣れた美声が響き渡った。
「ハーク! どこだ!?」
「父上!?」
今は遠方にいるはずの父が、こんな所にいるはずがない。
最初は信じられなかったが、煙の合間から見慣れた父の美しい姿が現れた。
「ハーク! 無事でよかった!」
普段は無表情な父が心からの安堵を見せると思い切りハークを抱きしめた。
「父上! 父上!」
ああ助かったのだと、ようやくハークは実感できた。
ハークを抱えた父が小屋の外に出ると気絶した五人の男達が縛られていた。その傍らには、ハークと共に夏祭りに来た三人の護衛がいた。監視なのだろう。
「若様! ご無事で!」
「お怪我はありませんか!?」
「若様! よかった!」
三人の護衛はハークを見ると、ほっとした顔になった。
「……おまえたち、きてくれたんだ」
「あの子と思しき子供を最近この辺りで見かけたという話を聞いてな、イアソンと夏祭りを見て回っていたら、こいつらやプロイ様に遭遇したんだ」
イアソンことイアソン・テッサリアは父の腹心の部下だ。父は捜している子供の捜索に、いつも彼だけを同行させている。
「プロイさまもいたの?」
「ご家族と夏祭りにいらしていた。事情を知って力を貸してくださったんだ」
プロイは後継者としてパーシーを養子にしただけでなく、どんな理由か一年ほど前ハークと同い年の女の子アンドロメダを養女に迎えた。プロイの家族とはパーシーとアンドロメダの事だろう。
「ハーク、一緒にいた子はどうした? 目撃者の話によると、やたら目立つ赤毛の子供と一緒に金髪の子供も抱えられていたと聞いたが?」
小屋の中から美丈夫が出てきた。
短い金髪、青氷色の瞳、逞しい長身。四十八になっても、その美しさや精悍さは全く衰えていない。現在のティーリュンス公爵、プロイトスだ。
「あっ、そうだ! アドニス! アドニスは!?」
「アドニス?」
怪訝そうな顔をする父に、ハークはまくし立てた。
「こいつらから一緒に逃げてくれた子! さっきまで一緒にいたんだ!」
ハークは父に下ろしてもらうと、もう一度小屋の中を見たり周囲を見回したりしたが、アドニスの姿はどこにもなかった。
「……いっちゃったんだ。これからずっと一緒にいてもらおうと思ったのに」
最悪な出会いと言えなくもない。
出会い頭にいきなり食べ物を奪われ、きつい言葉ばかり吐かれ険しい眼差しだけを向けられた。おまけに人攫いに遭遇し初めて殴られた。
それでも、ハークはアドニスに、ずっと一緒にいてもらいたかった。
出会ったばかりだのに、最悪な出会いだのに、不思議とアドニスはハークの心に入り込んできたのだ。
遠慮会釈なく言ってくれたがアドニスの言う事に間違いはなかった。何よりハークを放って逃げる事もできたのに一緒に逃げてくれた。
あんな生活をしていても、根は悪い子ではないのだ。
「……また会えるかな」
今度会えたら絶対に、これからはずっと一緒にいてもらおうと誓うハークに、冷ややかな父の声が降ってきた。
「家に帰ったら、父上の叱責を覚悟しろ。イアソンには一足先に帰ってもらって事の次第を父上と母上に話してもらっているからな」
「……あ」
真っ青になったハークと同時に真っ青になった三人の護衛がいた。
「大丈夫だ。おまえたちは悪くないとお祖父さまに言う。ぼくが勝手にはなれたせいでこうなったって、ちゃんと言うよ」
幼くとも人の上に立つ者の心構えを叩き込まれている。何よりハークの生来の性格が自分の失敗を人のせいにするのを拒むのだ。
「「「……若様」」」
三人の護衛は感動した面持ちでハークを見ていた。
「ハークは、こう言っているが何もお咎めはなしという訳にはいかないぞ。勝手な事をしたのはハークだが、お前達もまた役目を果たせなかったのだからな」
「父上!」
抗議しようとするハークをプロイが止めた。
「オルフェはオルフェなりに、こいつらの事を考えているぞ。こいつら三人より私とイアソン二人のほうが、もっと効率よくハークを救出できたのに」
父を勘定に入れないのは戦力にならないからだろう。一応父も護身術を身に着けているが、やはり軍人や諜報員などには敵わないのだ。
「イアソンに報告に行かせて三人にハークを救出させたのは、少しでもオイアの心証をよくするためだろう」
「「「……旦那様」」」
三人は驚いた顔で父を見ていた。彼らは父が自分達の事を考えて、ここに残したとは思わなかったのだろう。
父は常に冷静で無表情、整い過ぎた顔と相まって近づきがたい印象だが本当は優しい人なのだ。
「お前達は父上に命じられハークの護衛についた。ならば、最後まできちんと役割を果たすべきだろう? プロイ様が仰られたような理由で、お前達を残した訳ではない。勘違いするな」
素っ気なく言ったこの言葉は、父の照れ隠しだとハークには分かった。
連絡していたのか、いつの間にか憲兵隊が来て人攫い達を回収していた。
憲兵隊と話していたプロイが、こちらにやってきた。
「詳しい話は後日すると言っておいた。ハークは疲れただろうしな。オルフェも帰るよな? 捜している子が近くにいると分かっただけで大収穫だろう?」
プロイも父が子供を捜している事を知っているようだ。
「そうですね。今日は息子を助けるのに力を貸してくださり、ありがとうございました。また改めてお礼に伺います」
「プロイさま、ありがとう」
親子のお礼の言葉にプロイは何でもない事のように言った。
「当然の事をしたまでだ」
ふいにプロイはクスリと笑った。
「ああ、嫌そうに私に礼を言うオイアの顔が目に浮かぶな」
プロイは従弟である祖父を大切にしているが、祖父は逆で彼の事を毛嫌いしている。理由は単純で最愛の妻である祖母の初恋の人がプロイだからだ。
プロイはパーシー同様男色家だ。従妹である祖母を大切にしていても恋愛対象には決してならない。
それを分かっているはずだのに、祖母は一途に彼を想い続けた。当初、祖父の求婚を退けた理由も違いすぎる家格だけではなく彼への想いもあったのだ。結局は祖父の強引な求婚とプロイの説得により祖母は祖父との結婚を承諾したらしい。
「私と母上、ハークは心からプロイ様に感謝していますから」
これから祖父がとるだろう失礼な態度を危惧してか、父がフォローと思われる言葉を口にした。
「いや、別にオイアが私にどんな態度をとっても気にしないよ。あの子は、どんな態度でも表情でも可愛いから」
「……か、かわいいですか?」
心からそう思っているのだろう、プロイはうっとりした表情で言っているが、普段無表情な父が、はっきりと引きつった顔で心なしか後ずさっていた。
「……えーと、お祖父さまって、かわいい?」
ハークは思わず三人の護衛に訊いてしまった。
一人は、あからさまに「そんな事訊くな!」という顔になった。
「……いえ、大旦那様は可愛いではなく素敵な方だと思います」
「はい。あの方は超絶美形です」
「……そうだよね」
二人の発言に、なぜかほっとしたハークだ。
「……可愛い……あれが、可愛いか?」
プロイの発言は父には相当衝撃的だったらしく、ぶつぶつと呟いている。しかも、敬愛しているはずの父親を「あれ」呼ばわりだ。
「……父上、帰ろう」
このままでは父がずっと思い悩みそうだったのでハークが声をかけた。
「……あ、そうだな。帰ろう」
父は思考から断ち切られた事に安堵した様子でハークを抱えると歩き出した。
「……ハーク、お前と一緒に逃げた子、アドニスというのか? どういう子だ?」
ハークは馬に父と同乗している。普段は寝ている時間だ。馬の並足は心地よいリズムでハークは、うつらうつらしていた。
三人の護衛も馬に乗っている。守るためだろう、親子が乗った馬を囲むようにして馬を歩かせている。
「……金髪で青い目の子。とってもやせてて汚れたかっこうだったけど、きれいな子だよ。両親がいなくて孤児院にも入ってなくて、おなかをすかせてさ迷っていたのに、ぼくが『家においで』って言っても『自分のような子を見るたびに同じことをするのか』ってしかってくれた。ぼくを見捨てずに一緒に逃げてくれた。悪い子じゃないよ。
もう一度会えたら、ぼく、あの子と暮らしたい。お祖父さま、許してくれるかな?」
言いながらハークは完全に寝入ってしまった。
だから、父の呟きに気づかなかった。
「……アドニスか。もしかしたら、私が捜しているあの子かもしれんな」
――ハークが「アドニス」と再会できるのは、十二年後。
社交界デビューした令嬢達の中に見つけたのだ。
男爵令嬢、エウリュディケ・グレーヴス。
気品に満ちた絶世の美少女だった。
アドニスとは全く真逆な彼女。
だが、ハークは一目で分かったのだ。
彼女こそ自分がずっと捜し求めていた「アドニス」だと。
衝撃的な出会いだったとはいえ数時間一緒に過ごしただけの「少年」を、なぜ、ずっと忘れられなかったのか自分でも不思議だった。
だが、「アドニス」と再会して気づいたのだ。
自分は、ずっと「アドニス」に恋していたのだと。
心のどこかで少女だと気づいていたのかもしれない。
いや、本当に少年だったとしても、この想いは変わらなかっただろう。
みすぼらしい恰好をしたアドニスも華やかなドレス姿のエウリも、どちらもハークが惹かれた同じ人間である事に変わりはないのだから。
煙のせいで、はっきりとした姿は分からないが数人の男達がなだれ込み人攫い達に襲い掛かった。
「な、何だ!」
「どうしたっ!」
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突然の事態に動揺したのだろう。人攫い達は、あっという間に新たに入ってきた男達によって昏倒させられていた。
その騒ぎの合間に、聞き慣れた美声が響き渡った。
「ハーク! どこだ!?」
「父上!?」
今は遠方にいるはずの父が、こんな所にいるはずがない。
最初は信じられなかったが、煙の合間から見慣れた父の美しい姿が現れた。
「ハーク! 無事でよかった!」
普段は無表情な父が心からの安堵を見せると思い切りハークを抱きしめた。
「父上! 父上!」
ああ助かったのだと、ようやくハークは実感できた。
ハークを抱えた父が小屋の外に出ると気絶した五人の男達が縛られていた。その傍らには、ハークと共に夏祭りに来た三人の護衛がいた。監視なのだろう。
「若様! ご無事で!」
「お怪我はありませんか!?」
「若様! よかった!」
三人の護衛はハークを見ると、ほっとした顔になった。
「……おまえたち、きてくれたんだ」
「あの子と思しき子供を最近この辺りで見かけたという話を聞いてな、イアソンと夏祭りを見て回っていたら、こいつらやプロイ様に遭遇したんだ」
イアソンことイアソン・テッサリアは父の腹心の部下だ。父は捜している子供の捜索に、いつも彼だけを同行させている。
「プロイさまもいたの?」
「ご家族と夏祭りにいらしていた。事情を知って力を貸してくださったんだ」
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「アドニス?」
怪訝そうな顔をする父に、ハークはまくし立てた。
「こいつらから一緒に逃げてくれた子! さっきまで一緒にいたんだ!」
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「……いっちゃったんだ。これからずっと一緒にいてもらおうと思ったのに」
最悪な出会いと言えなくもない。
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それでも、ハークはアドニスに、ずっと一緒にいてもらいたかった。
出会ったばかりだのに、最悪な出会いだのに、不思議とアドニスはハークの心に入り込んできたのだ。
遠慮会釈なく言ってくれたがアドニスの言う事に間違いはなかった。何よりハークを放って逃げる事もできたのに一緒に逃げてくれた。
あんな生活をしていても、根は悪い子ではないのだ。
「……また会えるかな」
今度会えたら絶対に、これからはずっと一緒にいてもらおうと誓うハークに、冷ややかな父の声が降ってきた。
「家に帰ったら、父上の叱責を覚悟しろ。イアソンには一足先に帰ってもらって事の次第を父上と母上に話してもらっているからな」
「……あ」
真っ青になったハークと同時に真っ青になった三人の護衛がいた。
「大丈夫だ。おまえたちは悪くないとお祖父さまに言う。ぼくが勝手にはなれたせいでこうなったって、ちゃんと言うよ」
幼くとも人の上に立つ者の心構えを叩き込まれている。何よりハークの生来の性格が自分の失敗を人のせいにするのを拒むのだ。
「「「……若様」」」
三人の護衛は感動した面持ちでハークを見ていた。
「ハークは、こう言っているが何もお咎めはなしという訳にはいかないぞ。勝手な事をしたのはハークだが、お前達もまた役目を果たせなかったのだからな」
「父上!」
抗議しようとするハークをプロイが止めた。
「オルフェはオルフェなりに、こいつらの事を考えているぞ。こいつら三人より私とイアソン二人のほうが、もっと効率よくハークを救出できたのに」
父を勘定に入れないのは戦力にならないからだろう。一応父も護身術を身に着けているが、やはり軍人や諜報員などには敵わないのだ。
「イアソンに報告に行かせて三人にハークを救出させたのは、少しでもオイアの心証をよくするためだろう」
「「「……旦那様」」」
三人は驚いた顔で父を見ていた。彼らは父が自分達の事を考えて、ここに残したとは思わなかったのだろう。
父は常に冷静で無表情、整い過ぎた顔と相まって近づきがたい印象だが本当は優しい人なのだ。
「お前達は父上に命じられハークの護衛についた。ならば、最後まできちんと役割を果たすべきだろう? プロイ様が仰られたような理由で、お前達を残した訳ではない。勘違いするな」
素っ気なく言ったこの言葉は、父の照れ隠しだとハークには分かった。
連絡していたのか、いつの間にか憲兵隊が来て人攫い達を回収していた。
憲兵隊と話していたプロイが、こちらにやってきた。
「詳しい話は後日すると言っておいた。ハークは疲れただろうしな。オルフェも帰るよな? 捜している子が近くにいると分かっただけで大収穫だろう?」
プロイも父が子供を捜している事を知っているようだ。
「そうですね。今日は息子を助けるのに力を貸してくださり、ありがとうございました。また改めてお礼に伺います」
「プロイさま、ありがとう」
親子のお礼の言葉にプロイは何でもない事のように言った。
「当然の事をしたまでだ」
ふいにプロイはクスリと笑った。
「ああ、嫌そうに私に礼を言うオイアの顔が目に浮かぶな」
プロイは従弟である祖父を大切にしているが、祖父は逆で彼の事を毛嫌いしている。理由は単純で最愛の妻である祖母の初恋の人がプロイだからだ。
プロイはパーシー同様男色家だ。従妹である祖母を大切にしていても恋愛対象には決してならない。
それを分かっているはずだのに、祖母は一途に彼を想い続けた。当初、祖父の求婚を退けた理由も違いすぎる家格だけではなく彼への想いもあったのだ。結局は祖父の強引な求婚とプロイの説得により祖母は祖父との結婚を承諾したらしい。
「私と母上、ハークは心からプロイ様に感謝していますから」
これから祖父がとるだろう失礼な態度を危惧してか、父がフォローと思われる言葉を口にした。
「いや、別にオイアが私にどんな態度をとっても気にしないよ。あの子は、どんな態度でも表情でも可愛いから」
「……か、かわいいですか?」
心からそう思っているのだろう、プロイはうっとりした表情で言っているが、普段無表情な父が、はっきりと引きつった顔で心なしか後ずさっていた。
「……えーと、お祖父さまって、かわいい?」
ハークは思わず三人の護衛に訊いてしまった。
一人は、あからさまに「そんな事訊くな!」という顔になった。
「……いえ、大旦那様は可愛いではなく素敵な方だと思います」
「はい。あの方は超絶美形です」
「……そうだよね」
二人の発言に、なぜかほっとしたハークだ。
「……可愛い……あれが、可愛いか?」
プロイの発言は父には相当衝撃的だったらしく、ぶつぶつと呟いている。しかも、敬愛しているはずの父親を「あれ」呼ばわりだ。
「……父上、帰ろう」
このままでは父がずっと思い悩みそうだったのでハークが声をかけた。
「……あ、そうだな。帰ろう」
父は思考から断ち切られた事に安堵した様子でハークを抱えると歩き出した。
「……ハーク、お前と一緒に逃げた子、アドニスというのか? どういう子だ?」
ハークは馬に父と同乗している。普段は寝ている時間だ。馬の並足は心地よいリズムでハークは、うつらうつらしていた。
三人の護衛も馬に乗っている。守るためだろう、親子が乗った馬を囲むようにして馬を歩かせている。
「……金髪で青い目の子。とってもやせてて汚れたかっこうだったけど、きれいな子だよ。両親がいなくて孤児院にも入ってなくて、おなかをすかせてさ迷っていたのに、ぼくが『家においで』って言っても『自分のような子を見るたびに同じことをするのか』ってしかってくれた。ぼくを見捨てずに一緒に逃げてくれた。悪い子じゃないよ。
もう一度会えたら、ぼく、あの子と暮らしたい。お祖父さま、許してくれるかな?」
言いながらハークは完全に寝入ってしまった。
だから、父の呟きに気づかなかった。
「……アドニスか。もしかしたら、私が捜しているあの子かもしれんな」
――ハークが「アドニス」と再会できるのは、十二年後。
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男爵令嬢、エウリュディケ・グレーヴス。
気品に満ちた絶世の美少女だった。
アドニスとは全く真逆な彼女。
だが、ハークは一目で分かったのだ。
彼女こそ自分がずっと捜し求めていた「アドニス」だと。
衝撃的な出会いだったとはいえ数時間一緒に過ごしただけの「少年」を、なぜ、ずっと忘れられなかったのか自分でも不思議だった。
だが、「アドニス」と再会して気づいたのだ。
自分は、ずっと「アドニス」に恋していたのだと。
心のどこかで少女だと気づいていたのかもしれない。
いや、本当に少年だったとしても、この想いは変わらなかっただろう。
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