魔物パーツコレクター ～ツンデレで鈍感系の俺が魔物の力でフォーリンラブ～

蛇の階層はヘビーだぜ

　俺は部位パーツを求め最下層まで行くことにした。
　最下層が何階かは知らないが、進んでいけば最下層につくだろう。

　武器は殺した冒険者の短槍ショートスピアを装備した。
　その他のアイテムや武器も拝借してアイテムボックスしまった。

　金棒をやめ短槍ショートスピアにしたのは部位交換ミキシングビルド用の素材を獲得したかったからだ
　金棒ではせっかくの素材を傷めてしまうからだ。

　現在、俺の体のオリジナル部分は脳だけだ、他は全てBブッティ・オーガロードの部位と交換されている。
　失った四肢だけで良いだろうと思ったがこんな強力な腕や足をつけたら人間の骨格じゃ耐えきれないのだろう。

　俺は殺した三人だったモノをにらみつける。
　血溜まりに内蔵やら体の部位がバラバラに砕けて散らばってすでに形を保っていなかった。

　人をこんな風に殺しても悪いとさえ思えない。
　人をだまして命を奪ったのだ当然の報いだ。

　そう俺は死んだ。

　もう俺は人間じゃない。

　だから人を、人間を仲間だともう思わない。

　やつらは敵だ、この世界の人間は敵だ。

　この世界の人間に心を許すな。

　誓いを新たに俺は下層へと進んだ。


◆◆57階◆

　下層へ降りるといきなり大型の蛇に遭遇した。
　どうやらここは蛇地帯のようでスネーク系のモンスターばかりだった。

　蛇と言っても地球のようにゆったりとした動作ではない。
　その動きはまるで重さなど無いように俊敏に動くのだ、アナコンダサイズの蛇がだ。

　蛇魔物のステータスを確認すると、固有技能ユニークスキルを持っていて全て毒系だった。
　毒系素材の宝庫だな。

　人間の俺なら怖くて一歩も動けなかったろうがオーがロード以上の力がある今なら蛇ごとき怖くもなんともない。

　とか言っていたら噛まれた。
　毒の無いタイプの蛇だったの助かった。

　油断大敵、蛇まっしぐらだな。

　その蛇を串刺しにして地面に縫い付けた。
　当然それだけでは死んだわけではないので素材にできない。

　どうすれば良いんだこれ、死ぬまで待つ？
　蛇って生半可じゃ死なないとか聞くしな。

　取り敢えず首を切るか、HPが０になれば死亡判定されるだろ？

　アイテムボックスから長剣を取り出し蛇の首を切った。
　HPがみるみる減っていく１分ほどで０になった。

　素材回収アイコンが浮かびあがる、それを目で選択すると蛇の死体は消え素材一覧にチャージされた。
　
　回復不可能なダメージで死亡判定されるのか？
　そして回復不能ダメージでも１分程は死なない。
　HPがすごい早さで削れたがその間に回復すれば生き返るのかもしれない。

　魔法が使えればな……。

　まあ、レベルが上がればそのうち覚えるだろ。

　蛇を倒して手に入れたのはピット器官だ。温度を可視化して見れるのはそれほど明るくないダンジョン内では役に立つ。

　魔窟内は薄暗く場所によっては真っ暗なのでこれはすごく有用だ。

　そのまま出没する蛇を倒していくと3種類の毒精製器官が手に入った。

固有技能ユニークスキル
　血液毒A級：動物の神経・筋接合部の神経伝達を攪乱する。

　神経毒A級：血液のプロトロンビンを活性化させ、血液を凝固させる。
　　
　腐食毒A級：筋肉細胞のDNAにインターカレーションを起こし、核酸の合成を阻害、アポトーシスを引き起こす。
　
　まあ、この器官は唾液腺が変化した毒腺なので消化液的な毒ということらしい。
　しかし噛みつき攻撃なんて、余程ピンチじゃないと使わないだろ？

「装備できないだと……」

　よく考えれば当然だ、ピット器官と同じものは人間にはないのだ交換できるわけ訳がない。
　まあ一応とっておこう。従属体とかあるから今後そっちに利用できるかもしれないしな。

　それと何匹か殺して分かったのだが蛇種に咆哮は効かない、どうやら聴覚がない奴には無効のようだ。
　と思っていた時期が私にもありました。

　どうやら蛇は皮膚で音を聞き肺がそれを受け内耳と言う器官で音を聞き分けるらしい。

　体全体で音が聞けるのだピット器官と合わせれば最強の敵発見器になるな。

　そして、更に数匹殺したところでレベルが40になった。
　さすがに早すぎると思ったがおっさん達を殺した分も入っているからだろう。

　そして新たなスキル、増加形成ジャンクビルドが手に入った。

　説明文を読むと部位交換できない物を設置することができる。
　つまり先程のピット器官なども装備できるということらしい、一見ご都合主義だがプラモデル製作技術にもあるやり方だ、職業造型師モデラーならできて当然か。

　ワイヤーフレームモデルをだし蛇の牙を爪に移してみた。

　″増加形成ジャンクビルドしますか？″

　　　yes／no

　と表示されたので、当然yesを選ぶ。

　”どういう風に加工するのか思考してください”

　と出たので爪から毒が出るようにイメージをした。
　これは毒腺が前向きについているので毒を飛ばすことのできるようにしたのだ。

　唾液腺は掌てのひらの中に入れた。

　これにより大体の毒が効かない身体になった。蛇は毒を打ち込むわけだから当然自分の毒に耐性がある者もいる。

　もちろん、ある者もいると言うだけなので『だ・い・た・い』なのだ。

　ピット器官や全身の皮膚を使った聴覚器官により蛇魔物をサクサク狩れるようになった。
　とは言え、空を飛ぶ蛇には少し度肝を抜かれた。
　尻尾のついたコウモリが空中に魔法の土台を作り加速して来るのだ、焦らない方がおかしい。

　大きさは2m程なので他の蛇に比べたら大したことはないのですぐに対処できるようになった。

　この階ではあらかたの種類は狩りつくしたので次の階に向かうことにした。



※毒に関してWikipedia『ヘビ毒』から引用