異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ

のきび

文字の大きさ
59 / 67
4章 守りたい者たちは誰なのか

破滅の虹。

しおりを挟む
ケン!」
 動きの止まった俺の前にシンミアが飛び出し床を殴る。床の石畳からストーンゴーレムが現れ、光の玉から俺たち守るように盾になってエネルギーを減退させる。
 しかし、ストーンゴーレムでは威力を完全に押さえることができなく光の玉がシンミアに直撃する。

「シンミア!」
 光の玉に飛ばされるシンミアに手を伸ばし抱き締める。

「な、なにボ~ッとしてんだよケン
 息も絶え絶えでシンミアは俺のヘルムをゴツンと殴る。

「すまん、あの娘がクニャラに似てるから一瞬固まった」
 
「クニャラ? そう言えば元魔導騎士団長も小人族ミニムだったな」
 王はクニャラの名前を聞いて、クニャラの出自を思い出すように大臣に尋ねる。

「はい、そうでございます。もしやクニャラと言うのはあの小人族ミニムの……」
 大臣はアゴ髭を撫でながら言葉を濁す。

「く、クニャラ……?」
 桃色髪の少女が死んだような目で俺を見ながら口を開く。その手には大きな槍をいつのまにか手に持ち石突きで床を叩く。
 その槍はエルダートレインの武器”覇王七聖剣”を槍にしたものだった。

 覇王七聖剣、それはエルダートレイン最強武器の一振り。七つの属性を変えて攻撃することができ、属性毎の魔法剣が封じ込められている物だ。

「やるのだ巫女よ!」

「”光炎剣:太陽ノ昇龍プロミネンス”」
 竜の形になった炎が俺たちを襲う。
 こんな魔法剣は覇王七聖剣には封じ込められていない。改造されてると言うことか。

 だが、俺の全開移動の前には少女の魔法剣は俺を捉えることができない。
 懐に入り武器を奪おうとした瞬間、少女の身体から光が溢れ鎧を壊すほどの衝撃が俺を襲い身体を弾く。

 鎧は所々へこみ傷がつく。質量のある光とは厄介だな。

「フハハハ、どうだ我が国の最終兵器、巫女の力は。脳改造を施し神の力を際限無く使えるのだ」

「脳改造だと?」

「巫女は戦いたくないと言ったのでなDrバルトスに命じて戦う兵士に改造させたのよ」
 こんな年端もいかない少女の脳をいじって戦闘兵器にしたというのか。

 人の命を武器に替えただけでは飽きたらず、戦いたくないと言う少女の脳をいじってまで戦わせる。……このくそ王だけは絶対に許さない。

ケン、あれやろうぜ」

「シンミア、身体は大丈夫なのか?」

「当たり前だろ、こんなダメージなんて屁でもねぇよ」
 シンミアはそう言うと力瘤を作りパシリと叩く。もちろん力瘤なんて無い。
 あれだけのパワーが出せるシンミアが力瘤ひとつ無くプニプニの身体をしているのは神のなせる技なのかもしれないな。

 などと考えていると巫女は宙に浮き、背中に光輪が現れる。その光輪はまるで天使の羽根のように空間を支配する。
 なんだこの娘は天使の軍団より天使じゃないか。

「くにゃくにゃくにゃらあぁぁぁぁ!!!」
 翼が蜘蛛の糸のようになり王の間は白に染まり少女は狂ったように頭を前後左右にシェイクする。

 脳をいじった影響か、自分の意思と制御された意思で自分を失ってしまっているように見える。

 その豹変ぶりに一瞬腰が引けるが、びびってる場合じゃない。

「シンミア行けるか?」

「ちゃっちゃっとやっつけようぜ」
 ゴールデンハンマーに木の棒を差し込みシンミアが差し込んだ木を握り込むと木が攻撃的土属性になりそれがハンマーへと伝わる。

「シンミア、行くぞ!」
「おう! はじめての共同作業だな!」
 共同作業の意味が分かっているのかと苦笑しながら俺は床をハンマーでぶん殴る。
 攻撃的土属性のハンマーから繰り出されるその一撃は俺の力とシンミアから無限に送られる攻撃的土属性と合間って、莫大な衝撃を産み出し石を粒子に分解して、城が砂のように崩れだす。

「なんじゃこれは!」
 王や大臣が砂に包まれる。しかし少女はその位置に固定されているかのように落ちてくる砂は少女を避ける。
 いや、砂が消滅しているのだ。

 王や大臣たちは砂を掻きわけ砂上に出てくると自分の目を疑うように当たりを見回す。

「なんじゃこれは! 1000年続く我が城が、我が城が!!」

「ひゃひゃひゃ、これはすごい、これはすごいですぞ!」
 眼鏡をかけた白衣の男がこの惨状を喜んでいるかのように笑う。
 その姿はまるでマッドサイエンティストだ。どうやらあいつがDr.バルトスのようだ。

「Dr.バルトスよ我が城をこんなにしたあやつをさっさと殺せ! いや、できるだけ苦しませて殺せ!」

「フハハハ、巫女よ最大の力でこの世界を滅せよ!」
 Dr.バルトスは王には目もくれずに巫女に不穏な命令くだす。巫女は首を傾け光の無い目で俺を見るとボソリと呟く。

神の光は闇を照らす慈愛の光リュミエール

 巫女が掲げる覇王七聖剣から全方位に向け七色の光が放たれる。それは世界を破滅へと導く光だった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...