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ぼっちは活躍する
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「何かあるんなら直接言ったらどーなんだよ!」
うん、確かにその通りだな。この意見に関してはこの不良が正しい。
「お前ら見てるとイライラするんだよ」
「ウジウジしてよー、ほんと気持ち悪りぃな」
サッカーを中断してこちらに迫ってくる不良たち。
それに怯えてますます隅に追いやられ、随分と小さく固まるクラスメイト。
「さっきお前らジュース奢るみたいな話してたよな? なら俺らとサッカー勝負しようぜ。勝った方にジュース奢りな」
「いや、で、でも……… 俺たち絶対に勝てないじゃん……」
「あ? 何言ってるか聞こえねーよ! やんのかやらねーのかはっきりしろよ」
「や、やりません……」
「あ? どっちだよ!!」
「やりますっ!!」
「じゃあ早くコートに行こうぜ」
おっ、どうやらサッカーやるみたいだな。クラスメイトの奴、元気にやりますって答えてたけど勝てるのか? そもそも何で勝負することになったんだろう。
俺はというと、少し離れた場所でリフティングを続けていたのでみんなが何の話をしていたのか聞こえていない。聞こえたのはどっちだよとやりますの二言だけだった。
みんな仲良くサッカーできるならそれはとてもいいことだと思っているとクラスメイトの一人がこっちに走ってきた。しかしその顔を見る限りそうではないらしい。
「あの、試合することになったんだけど力貸してもらえませんか……?」
おーい。対応間違ってるぞ。不良にビビりすぎて俺にまで敬語を使うような始末。
グラウンドを見てみるとすでに試合が始められているようで、一方的に攻められている。ボールを持っていない人に思いっきりタックルしたりスライディングしたり、ボールをわざと顔面狙って蹴ったりととてもサッカーとは言えないものになっている。
そう、いろんな意味で攻められている状況だ。
「怒ってますよね……?いつも悪口言ってすみません。助けていただけませんか……?」
見入ってしまい返事をするのを忘れていただけなのだが、どうわら勘違いさせてしまったらしい。
「別にいいよ」
俺は一言だけ返してコートへ向かって歩いていく。
こうしてみるとまるでヒーローみたいに思えるが、実際そこまですごい奴ではない。少なくとも俺自身はそう思っているのだが、コートから俺を見るクラスメイトの顔は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせているので少し勘違いしても許してほしい。
「頼むバケモノ、終わらせてくれ」
「やっと来てくれたか!」
コートに入るなり、これまた雑にパスして地面に崩れるクラスメイトたち。
地面に座り込むクラスメイトと一人立っているロン毛の男、この変な光景にスポーツ科の奴が突っ込む。
「お前も英才科か? こんな変な奴でも入れるなら俺らでも入れちゃうんじゃね?」
「確かに~! ってか陰キャすぎて不気味だっての」
そう言ってケラケラ笑っている中、俺は相手のキーパーが前に出すぎていてゴールがガラ空きなのを発見し、センターサークルのところから思いっきりボールを蹴った。
そんな突然の俺の行動にその場の誰もが呆気に取られていた。
ゴールに向かって美しい放物線を描いて飛んでいくボールは誰にも邪魔されることなくそのままゴールネットを揺らした。
「何だあいつ」
「たまたまだろ、たまたま」
「いや、それにしてもあそこからあんなに綺麗に決まるか?」
この一つのプレーによってスポーツ科の奴の目の色がアスリートのそれに変わった。
体育の時間は後3、4分で終わる。
このアディショナルタイムくらいの時間だけはちゃんとしたサッカーをしてくるだろう。
俺は本気で運動してもいい相手に密かに心を踊らせるのであった。
うん、確かにその通りだな。この意見に関してはこの不良が正しい。
「お前ら見てるとイライラするんだよ」
「ウジウジしてよー、ほんと気持ち悪りぃな」
サッカーを中断してこちらに迫ってくる不良たち。
それに怯えてますます隅に追いやられ、随分と小さく固まるクラスメイト。
「さっきお前らジュース奢るみたいな話してたよな? なら俺らとサッカー勝負しようぜ。勝った方にジュース奢りな」
「いや、で、でも……… 俺たち絶対に勝てないじゃん……」
「あ? 何言ってるか聞こえねーよ! やんのかやらねーのかはっきりしろよ」
「や、やりません……」
「あ? どっちだよ!!」
「やりますっ!!」
「じゃあ早くコートに行こうぜ」
おっ、どうやらサッカーやるみたいだな。クラスメイトの奴、元気にやりますって答えてたけど勝てるのか? そもそも何で勝負することになったんだろう。
俺はというと、少し離れた場所でリフティングを続けていたのでみんなが何の話をしていたのか聞こえていない。聞こえたのはどっちだよとやりますの二言だけだった。
みんな仲良くサッカーできるならそれはとてもいいことだと思っているとクラスメイトの一人がこっちに走ってきた。しかしその顔を見る限りそうではないらしい。
「あの、試合することになったんだけど力貸してもらえませんか……?」
おーい。対応間違ってるぞ。不良にビビりすぎて俺にまで敬語を使うような始末。
グラウンドを見てみるとすでに試合が始められているようで、一方的に攻められている。ボールを持っていない人に思いっきりタックルしたりスライディングしたり、ボールをわざと顔面狙って蹴ったりととてもサッカーとは言えないものになっている。
そう、いろんな意味で攻められている状況だ。
「怒ってますよね……?いつも悪口言ってすみません。助けていただけませんか……?」
見入ってしまい返事をするのを忘れていただけなのだが、どうわら勘違いさせてしまったらしい。
「別にいいよ」
俺は一言だけ返してコートへ向かって歩いていく。
こうしてみるとまるでヒーローみたいに思えるが、実際そこまですごい奴ではない。少なくとも俺自身はそう思っているのだが、コートから俺を見るクラスメイトの顔は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせているので少し勘違いしても許してほしい。
「頼むバケモノ、終わらせてくれ」
「やっと来てくれたか!」
コートに入るなり、これまた雑にパスして地面に崩れるクラスメイトたち。
地面に座り込むクラスメイトと一人立っているロン毛の男、この変な光景にスポーツ科の奴が突っ込む。
「お前も英才科か? こんな変な奴でも入れるなら俺らでも入れちゃうんじゃね?」
「確かに~! ってか陰キャすぎて不気味だっての」
そう言ってケラケラ笑っている中、俺は相手のキーパーが前に出すぎていてゴールがガラ空きなのを発見し、センターサークルのところから思いっきりボールを蹴った。
そんな突然の俺の行動にその場の誰もが呆気に取られていた。
ゴールに向かって美しい放物線を描いて飛んでいくボールは誰にも邪魔されることなくそのままゴールネットを揺らした。
「何だあいつ」
「たまたまだろ、たまたま」
「いや、それにしてもあそこからあんなに綺麗に決まるか?」
この一つのプレーによってスポーツ科の奴の目の色がアスリートのそれに変わった。
体育の時間は後3、4分で終わる。
このアディショナルタイムくらいの時間だけはちゃんとしたサッカーをしてくるだろう。
俺は本気で運動してもいい相手に密かに心を踊らせるのであった。
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