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第二部
74.32 プロフィール
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32 プロフィール
3月、その日はビージェイの誕生日。
ファミリアのメンバーにその他もろもろ、彼の元にはかなりの人が集まった。ヤトも陰ながら祝福していた。
カイトはあれから、ずっとヤトの傍を離れなくなっていて、何度か、「ボクの視界からいなくなったらダメだからね」と過保護すぎるぐらいだった。そんなカイトにヤトは眉を顰めることもなく、「どこにも行かないさ」と返事を返す。
そして、ビージェイの誕生日を祝った次の日。ヤトは、ナナ、マリシャ、ビージェイをカイトのホームに集めた。
彼はかなり緊張した面持ちで、ゆったりとした広いソファーに腰かける4人に話をする。
「……んっん!今日――集まってもらったのは他でもない、……少し俺について聞いておいてもらいたいことがある」
その後、数分しても話し始めないヤト。リアルの情報を他人に話す抵抗感は、簡単にはなくならないのだろう。見かねたビージェイが起立して口を開くことになる。
「俺の本名は成宮万丈、歳は25で社会人、現在彼女募集中です!ネット関係の仕事をしていて、と言ってもPC関係はあんまし得意じゃないのでよろしく!」
「万丈、だからBJなんだね」
カイトが呟くと、ビージェイのに続いてマリシャが席を立つ。
「こういうのは年齢順だよね、 伊藤真理、大学3年生よ、前は1人暮らしだったけど、今は都内の実家でのんびりしてます、将来については今現在模索中です」
ビージェイが、女子大生か~大学懐かしいな~、と呟くと、さらに続けざまにカイトが席を立つ。
「 小野坂凜です、女子高生で、リアルで髪型は黒髪のツインテールにしているよ、もちろんその方が可愛いからね。ちなみに女の子の園である女子高に通っていて、しかも、お嬢様学校だからかなり所作は躾けられているんだ」
「リアルお嬢様……なんかいいよな~」
ビージェイの鼻の下が伸びる中、ようやくヤトが溜息混じりに口を開く。
「俺が話す場なんだが……」
彼はそう言うが、ナナも席を立ち先に話し出す。
「 平千晶です、もうすぐ高3になるはずだったんだけど、……どうなんだろう、部活で剣道をやってて、体育会系女子ってやつなのかな?小さい頃から竹刀を握ってます、……言うことはそれぐらいしかないかな」
ナナは、「結構自己紹介って難しいね」と頬を染めて照れる。
そして、ようやくヤトの番が回ってきた。
「……次は俺だな――」
彼が口を開いた瞬間に、何故かウサギが前に出る。
「私はシャドー。現状小さなウサギでしかないが、元はハイスペックなAI、artificial intelligenceなのだが、現状は役立たずのウサギだ。だが、キミたちの心の支えとなれるようこれから――」
その口を塞いだのはナナの2本の指だった。
心なしか、そのウサギの顔が笑んでいる風に見えたのはビージェイの気のせいではない。気を取り直してヤトは、はっきりとした声で自身を語り始める。
3月、その日はビージェイの誕生日。
ファミリアのメンバーにその他もろもろ、彼の元にはかなりの人が集まった。ヤトも陰ながら祝福していた。
カイトはあれから、ずっとヤトの傍を離れなくなっていて、何度か、「ボクの視界からいなくなったらダメだからね」と過保護すぎるぐらいだった。そんなカイトにヤトは眉を顰めることもなく、「どこにも行かないさ」と返事を返す。
そして、ビージェイの誕生日を祝った次の日。ヤトは、ナナ、マリシャ、ビージェイをカイトのホームに集めた。
彼はかなり緊張した面持ちで、ゆったりとした広いソファーに腰かける4人に話をする。
「……んっん!今日――集まってもらったのは他でもない、……少し俺について聞いておいてもらいたいことがある」
その後、数分しても話し始めないヤト。リアルの情報を他人に話す抵抗感は、簡単にはなくならないのだろう。見かねたビージェイが起立して口を開くことになる。
「俺の本名は成宮万丈、歳は25で社会人、現在彼女募集中です!ネット関係の仕事をしていて、と言ってもPC関係はあんまし得意じゃないのでよろしく!」
「万丈、だからBJなんだね」
カイトが呟くと、ビージェイのに続いてマリシャが席を立つ。
「こういうのは年齢順だよね、 伊藤真理、大学3年生よ、前は1人暮らしだったけど、今は都内の実家でのんびりしてます、将来については今現在模索中です」
ビージェイが、女子大生か~大学懐かしいな~、と呟くと、さらに続けざまにカイトが席を立つ。
「 小野坂凜です、女子高生で、リアルで髪型は黒髪のツインテールにしているよ、もちろんその方が可愛いからね。ちなみに女の子の園である女子高に通っていて、しかも、お嬢様学校だからかなり所作は躾けられているんだ」
「リアルお嬢様……なんかいいよな~」
ビージェイの鼻の下が伸びる中、ようやくヤトが溜息混じりに口を開く。
「俺が話す場なんだが……」
彼はそう言うが、ナナも席を立ち先に話し出す。
「 平千晶です、もうすぐ高3になるはずだったんだけど、……どうなんだろう、部活で剣道をやってて、体育会系女子ってやつなのかな?小さい頃から竹刀を握ってます、……言うことはそれぐらいしかないかな」
ナナは、「結構自己紹介って難しいね」と頬を染めて照れる。
そして、ようやくヤトの番が回ってきた。
「……次は俺だな――」
彼が口を開いた瞬間に、何故かウサギが前に出る。
「私はシャドー。現状小さなウサギでしかないが、元はハイスペックなAI、artificial intelligenceなのだが、現状は役立たずのウサギだ。だが、キミたちの心の支えとなれるようこれから――」
その口を塞いだのはナナの2本の指だった。
心なしか、そのウサギの顔が笑んでいる風に見えたのはビージェイの気のせいではない。気を取り直してヤトは、はっきりとした声で自身を語り始める。
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