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第三部
130.
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100人もいれば、必然的に索敵にすぐれた者もいて、ヤトたちの状況も全て筒抜けになってしまう。
モヒカン頭のファイスペイントを付けた男が、「相手は三方向に分かれて逃げてるようだ、いや、一組は足止めか?」と言う。
10人ほどの集団の先頭に立つ男がそれを聞くと、徐に前に歩み出て言う。
「私はUSのユニオンリーダー!マイクだ!これは最後通告だ!RUのユニオンリーダーナタリアを我々に渡せば!キミたちJPプレイヤーに手出しはしない!」
それはブラフだった。もし、その言葉に何者かがナタリアを捕らえて出てくれば、その時点で手間は無くなる。実際にそれでCNの時は、ユニオンリーダー一人をた易く屠れたのだ。
しかし、ブラフは相手を選んで使わなくては、相手によってはそれ自体を利用される場合がある。
「分かった、こちらでナタリアの身柄を捕らえてある、だから……もう少しこっちへ来てくれないか?姿を見せたい」
「……分かった!おい」
マイクはすぐに一人のプレイヤーを先行させる。そのプレイヤーは索敵に特化していて、トラップなどのアイテムにも秀でたスキル対策を持っていた。が、単にそれに頼るほど、単純な現象に反応できなくなる。
「がぁ!」
トラップを察知し足を止めた男は、その真上で忍んでいたタカキヤミに気が付くことなく、そのスキルと食らってしまう。
「雷槌――しばらく寝ていろ」
雷槌(らいつい)は夜叉の具足というアイテムの固有スキルで、そのスキルで攻撃された者は約半日ほど気絶効果が付与されて、アイテムによる回復も受け付けない。
「やはりトラップか!突撃だ!1人も逃がすな!」
建物を包囲していたプレイヤーが、ゾロゾロと内部へ入る中、マイクは数名に索敵範囲から立ち去る二つのグループの追跡を命令する。
タカキヤミには20程度のプレイヤーが対峙し、RU側にいたダヴィードにも20程度、JP側にも20のプレイヤーが追跡に出ようとしていた。
マイクがいる本隊は40程度残していたが、JP側の追跡に出た方角から悲鳴と腕の斬られたプレイヤーが逃げてくると、マイクはそちらへ向かおうとする。が、ダヴィードが止めていた20のプレイヤーの一人が援軍を求めると、いよいよ人数をさらに割く必要が出てしまい、結局両方に半々で追撃することになった。
「う!腕がぁああ!」
BCO内の状態異常の一つ【部位破壊】、これは頭を除く両手両足の部位を【斬】の属性効果のある武器で斬られた場合に発生し易い。がしかし、20人のプレイヤーが全員腕を斬られている状態は、異様な光景としか言いようがなかった。
「どうした!誰にやられたんだ!」
マイクの言葉に、「JPのトッププレイヤー……ヤトだ」と右手を切断されたプレイヤーが言う。舌打ちをしたマイクは、その手に歪な形の十字架を手にしていた。
マイク率いるプレイヤーたちの前に立ちはだかるヤトは、細長い鋭利な刀の装備、名を【斬首刀】と言い、部位破壊に特化したスキルを有する刀に属する武器を所持していた。
本来、即死効果の無いBCOで唯一即死する可能性がある場合が、頭部の部位破壊によるHP全損であり、それをするための武器が【斬首刀】などの刀である。
それは誰かが望んだ武器だが、システム的にヤトが手にすることになった武器。
「……どうした?かかってこないのか?」
ヤトの存在に息を呑むプレイヤーたち、その中でマイクは手元のアイテムを見ると口の端に笑みを浮かべた。それと同時に、タカキヤミがヤトの傍に現れる。
「ヤト、問題発生だ!」
「どうしたヤミ――」
ヤトがタカキヤミに視線を向けると、その手には何も持っていない上、視界内に現れたHPバーの上に謎のデバフが表示されている。
「チートアイテムだ……、装備が奪われストレージが開けない」
「……」
そして、次にダヴィードが合流すると、「こいつはぁぁちょいと面倒なことになったぜいぃぃ」とタカキヤミ同様に武器を持たない状態で言う。
ヤトたちは三人合流したが、敵も60名ばかりが合流してしまった状況で、マイクが不敵な笑みを浮かべる。
モヒカン頭のファイスペイントを付けた男が、「相手は三方向に分かれて逃げてるようだ、いや、一組は足止めか?」と言う。
10人ほどの集団の先頭に立つ男がそれを聞くと、徐に前に歩み出て言う。
「私はUSのユニオンリーダー!マイクだ!これは最後通告だ!RUのユニオンリーダーナタリアを我々に渡せば!キミたちJPプレイヤーに手出しはしない!」
それはブラフだった。もし、その言葉に何者かがナタリアを捕らえて出てくれば、その時点で手間は無くなる。実際にそれでCNの時は、ユニオンリーダー一人をた易く屠れたのだ。
しかし、ブラフは相手を選んで使わなくては、相手によってはそれ自体を利用される場合がある。
「分かった、こちらでナタリアの身柄を捕らえてある、だから……もう少しこっちへ来てくれないか?姿を見せたい」
「……分かった!おい」
マイクはすぐに一人のプレイヤーを先行させる。そのプレイヤーは索敵に特化していて、トラップなどのアイテムにも秀でたスキル対策を持っていた。が、単にそれに頼るほど、単純な現象に反応できなくなる。
「がぁ!」
トラップを察知し足を止めた男は、その真上で忍んでいたタカキヤミに気が付くことなく、そのスキルと食らってしまう。
「雷槌――しばらく寝ていろ」
雷槌(らいつい)は夜叉の具足というアイテムの固有スキルで、そのスキルで攻撃された者は約半日ほど気絶効果が付与されて、アイテムによる回復も受け付けない。
「やはりトラップか!突撃だ!1人も逃がすな!」
建物を包囲していたプレイヤーが、ゾロゾロと内部へ入る中、マイクは数名に索敵範囲から立ち去る二つのグループの追跡を命令する。
タカキヤミには20程度のプレイヤーが対峙し、RU側にいたダヴィードにも20程度、JP側にも20のプレイヤーが追跡に出ようとしていた。
マイクがいる本隊は40程度残していたが、JP側の追跡に出た方角から悲鳴と腕の斬られたプレイヤーが逃げてくると、マイクはそちらへ向かおうとする。が、ダヴィードが止めていた20のプレイヤーの一人が援軍を求めると、いよいよ人数をさらに割く必要が出てしまい、結局両方に半々で追撃することになった。
「う!腕がぁああ!」
BCO内の状態異常の一つ【部位破壊】、これは頭を除く両手両足の部位を【斬】の属性効果のある武器で斬られた場合に発生し易い。がしかし、20人のプレイヤーが全員腕を斬られている状態は、異様な光景としか言いようがなかった。
「どうした!誰にやられたんだ!」
マイクの言葉に、「JPのトッププレイヤー……ヤトだ」と右手を切断されたプレイヤーが言う。舌打ちをしたマイクは、その手に歪な形の十字架を手にしていた。
マイク率いるプレイヤーたちの前に立ちはだかるヤトは、細長い鋭利な刀の装備、名を【斬首刀】と言い、部位破壊に特化したスキルを有する刀に属する武器を所持していた。
本来、即死効果の無いBCOで唯一即死する可能性がある場合が、頭部の部位破壊によるHP全損であり、それをするための武器が【斬首刀】などの刀である。
それは誰かが望んだ武器だが、システム的にヤトが手にすることになった武器。
「……どうした?かかってこないのか?」
ヤトの存在に息を呑むプレイヤーたち、その中でマイクは手元のアイテムを見ると口の端に笑みを浮かべた。それと同時に、タカキヤミがヤトの傍に現れる。
「ヤト、問題発生だ!」
「どうしたヤミ――」
ヤトがタカキヤミに視線を向けると、その手には何も持っていない上、視界内に現れたHPバーの上に謎のデバフが表示されている。
「チートアイテムだ……、装備が奪われストレージが開けない」
「……」
そして、次にダヴィードが合流すると、「こいつはぁぁちょいと面倒なことになったぜいぃぃ」とタカキヤミ同様に武器を持たない状態で言う。
ヤトたちは三人合流したが、敵も60名ばかりが合流してしまった状況で、マイクが不敵な笑みを浮かべる。
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