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本編
解呪
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部屋をノックする音が聞こえ扉を振り向けば、数人の人達が一礼し入ってきた。
ヴァルは、その人達に鋭い視線を走らせながら厳しくチェックしている。
『リアに万が一があったらダメだから………
…………う~~~ん…………
この人は、魔力が少ない…こっちは聖の力が弱い……この人もダメ……後は……』
そう言いながら、一人一人全身を隈無く見ていく。
『んん?……あっ……この人…!この人なら、相性も良さそうだし……うん、魔力も聖の力も問題ないよ……』
そう言って笑顔で振り返った。
ヴァルが指定した女性は、目を限界まで見開き固まっていた。彼女の姿は、シスターや治癒士と違って、薄汚れたエプロンドレスを身にまとっていた。年の頃は、セシリアよりも少し上の感じだ。
「あ、あの、精霊様……彼女は教会の治癒士では無くて…教会に使える下女でして……」
『それがなに?……ぼくには、関係ないよ…。聖の力も感じるから、治癒も問題なく使えるはず……サポートはするし……』
「で、ですが……!」
『リアのため、妥協は…したくない……彼女じゃなきゃ、無理だよ』
「司祭殿……ヴァル殿の言う通りに、彼女にお願いします。他の者にお願いし失敗でもすれば、責任は司祭殿にとって頂きますよ?」
「くっ……分かりました。イオナ頼んだぞ」
「は、はい!頑張らせて頂きます!」
『じゃ、こっち来て……やり方、教える……』
「は、はい!!」
それからヴァルが、イオナさんと呼ばれた方を連れて、解呪の呪文を教え、私は教会の方達に清めの水で瘴気を清めた。
『ん、よし……じゃ、はじめる……リア』
「うん」
「セシリア様、わたし、頑張ります!」
「イオナさん、迷惑をかけますが、よろしくお願いします」
私がイオナさんに向かって頭を下げると、彼女は「とんでもありません!」と大きな声で否定し、「セシリア様のお力になれるなら、本望ですから」と言ってくれた。
『じゃ、娘……おまえに、我が加護を与える……』
ヴァルが宣言すると、ヴァルの周りの光の粒が輝き始めた。
何だかいつものヴァルじゃないみたい……威厳?のようなものを感じる……。
「始めます」
イオナさんの額に、聖の印が浮かび上がる。すると、彼女の周りに、ヴァルと同じ光の粒が現れ始めた。
『我の後に続け……
聖を司る精霊ヴァル・シエルよ、聖なる癒しの御手よ、その手を我が手に重ね』
「聖を司る精霊ヴァル・シエルよ、聖なる癒しの御手よ、その手を我が手に重ね」
『癒しの力を与えん、黒き闇の鎖を断ち切り……』
「癒しの力を与えん、黒き闇の鎖を断ち切り、呪いよ…汝が主の元に帰れ!解呪!」
イオナさんから放たれた光が、私を包む。
温かな光に包まれて、体が軽くなるようだった。
「成功したのか?」
『うん……大丈夫……解けてる』
「よ、良かったですぅ……」
イオナさんが、その場に座り込んだ。
「だ、大丈夫??」
「はいぃ~、少し気が抜けただけだから、大丈夫です~」
「セシリア?……大丈夫かい?」
「セリオスさん!…大丈夫です!…体がすごく軽いんです!!わぁ~」
心配そうな顔をするセリオスさんに、笑顔で答え、その場でクルクルと回った。
体が軽くなって、今ならば何でも出来そうな気になってくる。
ジャンプしたり走ったり、回ったり、転んだり……流石に転んだら、セリオスさん達に止められた。
『リア……嬉しい?』
「うん!!」
『リアが、嬉しいなら……ぼく、も嬉しい』
でも、さっきまで何ともなかったのに、何だか眠くなってきて……そのまま倒れるように眠った。
倒れそうになったセシリアの体は、シェイドによって抱きとめられ、ソファに運ばれた。
「セシリア?」
『……解呪……の影響、寝てるだけ』
ヴァルの言葉を受けて、セリオスが顔を覗き込めば、セシリアはスヤスヤと寝息を立てていた。
「ヴァル殿……ひとつ聞いても良いですか?」
『……なに?……』
「セシリアを……いえ、セリアを呪った者は誰ですか?」
『……なんで……?』
「…………」
『まぁ、良いけど……呪った人は知らないよ…ぼくと、出会う前の事だから……でも呪いは、呪い主に帰った……今頃は、苦しんでるんじゃない……?』
ヴァルは、本当に呪った人は知らなかった。
興味もないから、調べなかった……けど…予想は出来ていた。
彼女の父親の第1夫人だ。
それを彼らに言うつもりは無かった。
セシリアを大事にしてくれる人達だから、これ以上苦しむ必要は無いと思ったから。
ヴァルは、最高位精霊の中で以外にも、最も人に友好的だった。人前に姿を現すことはなくても……ましてや、セシリアが気に入った人間達。
ヴァルは、セシリアの為にも、彼らを守ると決めていた。その為に住処を、フラウゼル王国からセラフィム帝国に移してきたのだから。
もちろん……セラフィム帝国に引っ越す前に、ヴァルは自分に出来る報復もしっかりと行ってきた。
ヴァルは笑った。
今頃は、聖の最高位の力を失い、瘴気に溢れかえっている事だろう。
ヴァルは、その人達に鋭い視線を走らせながら厳しくチェックしている。
『リアに万が一があったらダメだから………
…………う~~~ん…………
この人は、魔力が少ない…こっちは聖の力が弱い……この人もダメ……後は……』
そう言いながら、一人一人全身を隈無く見ていく。
『んん?……あっ……この人…!この人なら、相性も良さそうだし……うん、魔力も聖の力も問題ないよ……』
そう言って笑顔で振り返った。
ヴァルが指定した女性は、目を限界まで見開き固まっていた。彼女の姿は、シスターや治癒士と違って、薄汚れたエプロンドレスを身にまとっていた。年の頃は、セシリアよりも少し上の感じだ。
「あ、あの、精霊様……彼女は教会の治癒士では無くて…教会に使える下女でして……」
『それがなに?……ぼくには、関係ないよ…。聖の力も感じるから、治癒も問題なく使えるはず……サポートはするし……』
「で、ですが……!」
『リアのため、妥協は…したくない……彼女じゃなきゃ、無理だよ』
「司祭殿……ヴァル殿の言う通りに、彼女にお願いします。他の者にお願いし失敗でもすれば、責任は司祭殿にとって頂きますよ?」
「くっ……分かりました。イオナ頼んだぞ」
「は、はい!頑張らせて頂きます!」
『じゃ、こっち来て……やり方、教える……』
「は、はい!!」
それからヴァルが、イオナさんと呼ばれた方を連れて、解呪の呪文を教え、私は教会の方達に清めの水で瘴気を清めた。
『ん、よし……じゃ、はじめる……リア』
「うん」
「セシリア様、わたし、頑張ります!」
「イオナさん、迷惑をかけますが、よろしくお願いします」
私がイオナさんに向かって頭を下げると、彼女は「とんでもありません!」と大きな声で否定し、「セシリア様のお力になれるなら、本望ですから」と言ってくれた。
『じゃ、娘……おまえに、我が加護を与える……』
ヴァルが宣言すると、ヴァルの周りの光の粒が輝き始めた。
何だかいつものヴァルじゃないみたい……威厳?のようなものを感じる……。
「始めます」
イオナさんの額に、聖の印が浮かび上がる。すると、彼女の周りに、ヴァルと同じ光の粒が現れ始めた。
『我の後に続け……
聖を司る精霊ヴァル・シエルよ、聖なる癒しの御手よ、その手を我が手に重ね』
「聖を司る精霊ヴァル・シエルよ、聖なる癒しの御手よ、その手を我が手に重ね」
『癒しの力を与えん、黒き闇の鎖を断ち切り……』
「癒しの力を与えん、黒き闇の鎖を断ち切り、呪いよ…汝が主の元に帰れ!解呪!」
イオナさんから放たれた光が、私を包む。
温かな光に包まれて、体が軽くなるようだった。
「成功したのか?」
『うん……大丈夫……解けてる』
「よ、良かったですぅ……」
イオナさんが、その場に座り込んだ。
「だ、大丈夫??」
「はいぃ~、少し気が抜けただけだから、大丈夫です~」
「セシリア?……大丈夫かい?」
「セリオスさん!…大丈夫です!…体がすごく軽いんです!!わぁ~」
心配そうな顔をするセリオスさんに、笑顔で答え、その場でクルクルと回った。
体が軽くなって、今ならば何でも出来そうな気になってくる。
ジャンプしたり走ったり、回ったり、転んだり……流石に転んだら、セリオスさん達に止められた。
『リア……嬉しい?』
「うん!!」
『リアが、嬉しいなら……ぼく、も嬉しい』
でも、さっきまで何ともなかったのに、何だか眠くなってきて……そのまま倒れるように眠った。
倒れそうになったセシリアの体は、シェイドによって抱きとめられ、ソファに運ばれた。
「セシリア?」
『……解呪……の影響、寝てるだけ』
ヴァルの言葉を受けて、セリオスが顔を覗き込めば、セシリアはスヤスヤと寝息を立てていた。
「ヴァル殿……ひとつ聞いても良いですか?」
『……なに?……』
「セシリアを……いえ、セリアを呪った者は誰ですか?」
『……なんで……?』
「…………」
『まぁ、良いけど……呪った人は知らないよ…ぼくと、出会う前の事だから……でも呪いは、呪い主に帰った……今頃は、苦しんでるんじゃない……?』
ヴァルは、本当に呪った人は知らなかった。
興味もないから、調べなかった……けど…予想は出来ていた。
彼女の父親の第1夫人だ。
それを彼らに言うつもりは無かった。
セシリアを大事にしてくれる人達だから、これ以上苦しむ必要は無いと思ったから。
ヴァルは、最高位精霊の中で以外にも、最も人に友好的だった。人前に姿を現すことはなくても……ましてや、セシリアが気に入った人間達。
ヴァルは、セシリアの為にも、彼らを守ると決めていた。その為に住処を、フラウゼル王国からセラフィム帝国に移してきたのだから。
もちろん……セラフィム帝国に引っ越す前に、ヴァルは自分に出来る報復もしっかりと行ってきた。
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