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本編
第8話 本当に家族
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「……だれ……ですか?」
「こら貴方達、カイムが不審がっていますよ」
「あ……俺、レライエだよ!会えてマジ嬉しい!俺の可愛いいも……」
バチンッ
(いも……?)
「レライエ、気が早いですよ」
水色の男の人に注意されて、最初に駈けてきた男の人がレライエと名乗った。他にも何か言おうとしてたけど、同じ髪色の男の人に頭を叩かれ言葉は途中で途切れた……でも、いもってなんだろぅ?
「僕は、レヴィです」
レライエさんを殴った男の人は、何事も無かったようにレヴィと名乗った。
「……おれは、ベリアル」
「私は、シトリーです」
「……私は、カイム……です」
他の人達も、レライエさんが殴られた頭を抱えしゃんがんでいるのを気にもせず名乗り始めた。そして、話があるからと、近くのお店に入ることになったの。
けれど……シトリーさんが、ふと立ち止まり私の隣に視線を向けて……
「そうだ。君の名前も、教えてくれる?」
そう、問いかけた。
姿も見せて欲しいと……
「っ……」
「……」
「どうしたの?」
「……だ、ダメなの……」
「ダメ?どうして?」
「……魔族……だから」
私は周りに聞こえないように、小さな、本当に小さな声で魔族だからと伝えた。私の言葉を聞いたシトリーさんは、一瞬驚いた顔をしたけどすぐに元の顔に戻って微笑んで、気にしなくて大丈夫だと言った。
「え?」
「もし他人の目が気になるなら、別の場所に移ろうか…僕達が止まってるホテルとか」
そうすれば、併設されているレストランで個室が取れるからと、どうかな?と、シトリーさんは言いました。
「ほら、こっちにおいで」
「う、うん」
私に手を伸ばして、エスコートするように背中に手を回し移動を促した。……けれど、地面には未だ蹲るレライエさんが……
「レライエ、いつまでそうしてるんですか。さっさと起きなさい」
「ちょ、レヴィ兄!蹴飛ばさないで!起きるからっ」
「…レライエ……」
「ベリアル兄ぃ~」
レヴィさんに蹴飛ばされて転がって、ベリアルさんって方が起こしてあげて、それでもシトリーさんやレヴィさんは無視して、私を促して歩き始めた。
そんな私達の後ろを、レライエさんとベリアルさんがついてきた。
「オネェ……」
「どうしよ……大丈夫、大丈夫だよね」
「ウン……ニゲルトキは、僕ガンバルッ」
「ありがとう……でも、私も頑張るからね。爆弾の一個や二個はあるんだからっ」
……師匠が、私が森に採取に行く時に持たせてくれたもの……あの時は、結局使わなくて済んだから。
・
・
・
シトリー達が止まるホテルに到着し、私達は個室に案内された。何故私を知ってるのか、何故声をかけてきたのか、私は……この時、真実を知った。
「ごめんね、急に」
「い、いえ……大丈夫です」
「君も、もうローブを外して大丈夫だよ」
その言葉に、マルバくんはローブを外した。
「デモ、ヘイキ?ココノヒト、怒ラナイ?」
「怒りませんよ。私達はハイディオス帝国の人間で、このホテルはハイディオス帝国の人間が運営してますからね」
内緒ですよ?と、唇に人差し指を当ててシトリーさんは笑った。けれど私達は、彼らがハイディオス帝国の人間って事に、ホテルの運営がハイディオス帝国の人間という事に驚きを隠せなかった。
何故なら、ヴィロン王国の人間はハイディオス帝国の人間を嫌っているから。ハイディオスの人間を、ヴィロンに入れることすら嫌っているから。
なのに、ヴィロン王国でハイディオス帝国の人間が店をやるなんて……本来なら不可能……
それをやってのけるなんて、シトリーさん達は何者なんだろう……
「ふふ、ハイディオスの悪口を言えば、ヴィロン王国の人間は信じ込みますからね。入り込むのは意外と簡単なんですよ」
私が、疑いの目を向けたからかな。シトリーさんが、言葉を付け加えた。……そんな事で入り込めるなんて……ヴィロン王国は、意外と……ちょろい?のかな。
……それより、彼らがハイディオス帝国の人間だという事にも驚いた。
「さて、本題に入りますね」
「は、はい」
「実はね、私達はある人を探してハイディオス帝国に来たんだ」
「ある人……?」
『サガス、カゾク』
……まさか……
うぅん、そんなはずない。
……だって、私は、捨てられたんだから……
「妹です。僕達の大切な……」
「……誘拐されたんです…… 赤ちゃんの頃に……」
「ずっと、探してたんだ!ハイディオスには居なかったから、ヴィロンを探しに来たんだよ!」
誘拐……?
「でもまさか、こんな所で出会えるなんて思っていませんでしたね」
「えぇ、こんなに早く見つかるなら、もっと早くにヴィロンに目をつけるべきでしたね」
「……君は、どうしてこの村に?」
「私は、シャマイムのアトリエに元々居たのだけど、追い出されたから……マルバくんと一緒にハイディオス帝国に行こうと思って……」
私達がこの村に来た経緯を、シトリーさん達に説明すると、話の途中から皆さんの表情が怖くなっていって……話が終わる頃には、顔を真っ直ぐに見れないくらい険悪に変わっていた。
「……全く、ヴィロン王国はクソなアホ共ばかりですね」
「なぁなぁ、もうさ、やっちゃっても良くね?俺の魔銃なら狙撃も暗殺も可能だぜ?」
……は?いま、不穏な言葉を聞いたのだけど……狙撃?暗殺?
「僕も、そうしてやりたいのは山々ですけどね……」
険しい表情のまま、私をチラッと見てレヴィさんは「今は辞めときましょう」と言った。
「あ、あの」
「なに?カイム」
「話を聞いてる感じだと、皆さんが言ってる妹って……まさか……」
私の名前も知ってたし……もしかして、本当に?
でも、間違ってたら……
期待して、裏切られたら……
わたし、もう……立ち直れない……
だから……
「「「「君だよ」」」」
4人が、同じタイミングで……
同じように、言葉を発した。
「あの時……何があったのか、君は知る権利がある。でも、残念ながら……私達も全貌をまだ掴めていません。なので、私達が知る範囲で全てお話しますね」
……ここで知った内容に、私はまたも驚きを隠せなかった。だって私が……
「こら貴方達、カイムが不審がっていますよ」
「あ……俺、レライエだよ!会えてマジ嬉しい!俺の可愛いいも……」
バチンッ
(いも……?)
「レライエ、気が早いですよ」
水色の男の人に注意されて、最初に駈けてきた男の人がレライエと名乗った。他にも何か言おうとしてたけど、同じ髪色の男の人に頭を叩かれ言葉は途中で途切れた……でも、いもってなんだろぅ?
「僕は、レヴィです」
レライエさんを殴った男の人は、何事も無かったようにレヴィと名乗った。
「……おれは、ベリアル」
「私は、シトリーです」
「……私は、カイム……です」
他の人達も、レライエさんが殴られた頭を抱えしゃんがんでいるのを気にもせず名乗り始めた。そして、話があるからと、近くのお店に入ることになったの。
けれど……シトリーさんが、ふと立ち止まり私の隣に視線を向けて……
「そうだ。君の名前も、教えてくれる?」
そう、問いかけた。
姿も見せて欲しいと……
「っ……」
「……」
「どうしたの?」
「……だ、ダメなの……」
「ダメ?どうして?」
「……魔族……だから」
私は周りに聞こえないように、小さな、本当に小さな声で魔族だからと伝えた。私の言葉を聞いたシトリーさんは、一瞬驚いた顔をしたけどすぐに元の顔に戻って微笑んで、気にしなくて大丈夫だと言った。
「え?」
「もし他人の目が気になるなら、別の場所に移ろうか…僕達が止まってるホテルとか」
そうすれば、併設されているレストランで個室が取れるからと、どうかな?と、シトリーさんは言いました。
「ほら、こっちにおいで」
「う、うん」
私に手を伸ばして、エスコートするように背中に手を回し移動を促した。……けれど、地面には未だ蹲るレライエさんが……
「レライエ、いつまでそうしてるんですか。さっさと起きなさい」
「ちょ、レヴィ兄!蹴飛ばさないで!起きるからっ」
「…レライエ……」
「ベリアル兄ぃ~」
レヴィさんに蹴飛ばされて転がって、ベリアルさんって方が起こしてあげて、それでもシトリーさんやレヴィさんは無視して、私を促して歩き始めた。
そんな私達の後ろを、レライエさんとベリアルさんがついてきた。
「オネェ……」
「どうしよ……大丈夫、大丈夫だよね」
「ウン……ニゲルトキは、僕ガンバルッ」
「ありがとう……でも、私も頑張るからね。爆弾の一個や二個はあるんだからっ」
……師匠が、私が森に採取に行く時に持たせてくれたもの……あの時は、結局使わなくて済んだから。
・
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シトリー達が止まるホテルに到着し、私達は個室に案内された。何故私を知ってるのか、何故声をかけてきたのか、私は……この時、真実を知った。
「ごめんね、急に」
「い、いえ……大丈夫です」
「君も、もうローブを外して大丈夫だよ」
その言葉に、マルバくんはローブを外した。
「デモ、ヘイキ?ココノヒト、怒ラナイ?」
「怒りませんよ。私達はハイディオス帝国の人間で、このホテルはハイディオス帝国の人間が運営してますからね」
内緒ですよ?と、唇に人差し指を当ててシトリーさんは笑った。けれど私達は、彼らがハイディオス帝国の人間って事に、ホテルの運営がハイディオス帝国の人間という事に驚きを隠せなかった。
何故なら、ヴィロン王国の人間はハイディオス帝国の人間を嫌っているから。ハイディオスの人間を、ヴィロンに入れることすら嫌っているから。
なのに、ヴィロン王国でハイディオス帝国の人間が店をやるなんて……本来なら不可能……
それをやってのけるなんて、シトリーさん達は何者なんだろう……
「ふふ、ハイディオスの悪口を言えば、ヴィロン王国の人間は信じ込みますからね。入り込むのは意外と簡単なんですよ」
私が、疑いの目を向けたからかな。シトリーさんが、言葉を付け加えた。……そんな事で入り込めるなんて……ヴィロン王国は、意外と……ちょろい?のかな。
……それより、彼らがハイディオス帝国の人間だという事にも驚いた。
「さて、本題に入りますね」
「は、はい」
「実はね、私達はある人を探してハイディオス帝国に来たんだ」
「ある人……?」
『サガス、カゾク』
……まさか……
うぅん、そんなはずない。
……だって、私は、捨てられたんだから……
「妹です。僕達の大切な……」
「……誘拐されたんです…… 赤ちゃんの頃に……」
「ずっと、探してたんだ!ハイディオスには居なかったから、ヴィロンを探しに来たんだよ!」
誘拐……?
「でもまさか、こんな所で出会えるなんて思っていませんでしたね」
「えぇ、こんなに早く見つかるなら、もっと早くにヴィロンに目をつけるべきでしたね」
「……君は、どうしてこの村に?」
「私は、シャマイムのアトリエに元々居たのだけど、追い出されたから……マルバくんと一緒にハイディオス帝国に行こうと思って……」
私達がこの村に来た経緯を、シトリーさん達に説明すると、話の途中から皆さんの表情が怖くなっていって……話が終わる頃には、顔を真っ直ぐに見れないくらい険悪に変わっていた。
「……全く、ヴィロン王国はクソなアホ共ばかりですね」
「なぁなぁ、もうさ、やっちゃっても良くね?俺の魔銃なら狙撃も暗殺も可能だぜ?」
……は?いま、不穏な言葉を聞いたのだけど……狙撃?暗殺?
「僕も、そうしてやりたいのは山々ですけどね……」
険しい表情のまま、私をチラッと見てレヴィさんは「今は辞めときましょう」と言った。
「あ、あの」
「なに?カイム」
「話を聞いてる感じだと、皆さんが言ってる妹って……まさか……」
私の名前も知ってたし……もしかして、本当に?
でも、間違ってたら……
期待して、裏切られたら……
わたし、もう……立ち直れない……
だから……
「「「「君だよ」」」」
4人が、同じタイミングで……
同じように、言葉を発した。
「あの時……何があったのか、君は知る権利がある。でも、残念ながら……私達も全貌をまだ掴めていません。なので、私達が知る範囲で全てお話しますね」
……ここで知った内容に、私はまたも驚きを隠せなかった。だって私が……
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