イケメンが目当てですが、何か、問題でも?

紫宛

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本編

第4話 騎士団内初仕事

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「今日から騎士団担当になる下女4人です。あなた達、挨拶しなさ…」
「今日から、騎士団兵舎担当になりました。シュリです!よろしくお願いします!」

侍女頭ゼルダさんの言葉に被せるように、食い気味に挨拶をする。
若干シルヴァン様が引いたけれど気にせず、目の前のジークベルト様を目に焼きつけるようにがっつり見る。

あー、もう天国!いつ死んでもいいわぁ~!
目の前にジークベルト様!素敵!

(むふふ、ふふ)

ジークベルト様はね!
人族と巨人族のハーフなの!2m程の高身長な上に、ガタイが良く引き締まった体が…!
左目に傷があって、強面で、無口で無骨だけど、とっても優しいのよ!
ゲームでは、アーリアヒロインを肩に乗せて移動してたし!

(あー!私もやって欲しぃ!!)



っても、……無理だよね……
ヒロインじゃないもん……

あの時に優しい言葉を貰って、頭を撫でて貰っただけでもラッキーだよね!

私がジークベルト様に気を取られている間、仲間の下女達が挨拶をしていた。

「メルナです」
「リオナです」
「カミナです!よろしくお願いします。シルヴァン様ぁ」

下女の1人カミナが、シルヴァン様が好きなのは知ってる。最初の時に話してたから。

うわぁ、めっちゃロックオンしてるわ。
シルヴァン様も、ニコニコと笑ってる…いや、目は笑ってないけど……

「よろしくね」

と、シルヴァン様が言えば、カミナだけじゃなく、3人とも目がハートになって「よろしくお願いします!」と言っていた。

「よろしくお願いします」

私も、両手を合わせ腰を90度に曲げて一礼した。
目はハートにならないよ、だってシルヴァン様が目当てじゃないもの!

「じゃ、仕事を伝えるね。まず、メルナとリオナは、騎士専用の食堂と厨房の手伝いを頼むよ。カミナとシュリは、洗濯を頼むよ。騎士全員のだから大変だと思うけど、頑張ってね」

「「「はい!!」」」
「はい」






これは……

……確かに嫌がるわ……みんな。

洗濯場に着いた私とカミナは目の前に広がる景色に絶句していた。

騎士全員の洗濯物が集められていて、恐らく騎士が交代で洗濯をしていたのだろう。

でも……

「どれだけ放置したら、こうなるのよ……」

そこにあったのは、洗濯物の山…山……やま…
汗とドロにまみれ、カビの臭いもする。
洗濯場と言うのは湿気が籠る、カビも発生するだろう。

みんな、洗濯物どうしてたのさ……

「最近は、侍女頭ゼルダに言って、城の下女達に頼んでいた」

私の疑問にシルヴァン様が答えた。

「はぁ」
「けど、何時までも頼めないからね。じゃ、よろしくね……時間になったら、適当に帰ってくれていいよ」

そう言ってシルヴァン様は、離れていった。
カミナも一緒に離れていった……


…って!おい!
カミナは、一緒の担当でしょ~~?!!
何で、シルヴァン様と一緒に離れてるのさぁ~!!

「ちょっと!カミナ……!」
「あっ、私はシルヴァン様のお手伝いをするわぁ!じゃ、頑張ってね」

シルヴァン様は、カミナを見ている。
黒く、ゴミを見るような目で……
そして、私と目が合うと、ニコッと笑った。

だから!目が笑ってないってば!

もの言いたげな視線をシルヴァン様に投げかけるが、シルヴァン様はそれを受けても尚ニコニコと微笑んでいた。

「カミナ嬢、俺に付いてきても任せる仕事はありませんから、シュリ嬢と共にこの場に残って仕事をしてくれませんか?」
「大丈夫ですわ、シュリが一人でやると言ってますから」
「は?」

(言ってないしっ!!)

「私がシルヴァン様のお世話を致します!部屋の掃除、お茶の支度、それに……」
「俺の世話は従者がいるので必要ありませんよ。では、頼みますね」

カミナの言葉を遮って今度こそ、私達を置いて離れていった。

「あー、最悪。何であんたなんかと一緒に洗濯なんて…しかも、ここは兵舎と離れてるし、シルヴァン様は行っちゃうし。私も食堂が良かったなぁ」

私だって同じ気持ちだし……
でも、ジークベルト様に会えたし、頑張っちゃうもんね!


昨日の今日で、また臭いと格闘する事になるとは思わなかったけど……

まずは、洗濯物を分けないとね!
まぁ、洗濯機なんて高度な物はこの世界には無いから、手洗いになるんだけどね。
だから、色落ちなんて心配はない!はず。

金具が着いているものと着いてないもの。
一応、色落ちしそうなものも分けとこう。
汗や泥汚れの酷いものと、そうじゃないもの。

仕分けが大変だけど、しっかりやっとかないと服が傷んでしまう可能性がある。

「よし!取り敢えず仕分けはこんな感じでいいかな?…あれ?…カミナ……?」

って居らんやん!アイツ、またサボったなっ!
えーー、また一人でやるのぉ……嘘でしょう…


洗濯板と桶を取りだし、トボトボと分けた洗濯物を持って外の水場に行く。

桶に水を入れて、洗剤を入れる。
少しの間、洗濯物を浸けて洗い始める。
ゴシゴシと丹念に洗う。

「カミナめ~~絶対に許さん~」


恨めしげな声が漏れるが、仕事の手は休めない。カミナの様に仕事を怠けて、ジークベルト様に幻滅されたくないっ!
ジークベルト様だけじゃなく、ルーファス様の耳にまで入って、軽蔑されたくないっ!


イケメンは見たいが、仕事はキチンとやる!
私はこれでも、根は真面目な日本人よっ!
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