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第18話
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◆神坂夏菜 視点◆
春華から冬樹が美波の家へ行き、その流れでうちにも来るというのを知り、待ちきれず春華とふたりで美波にお願いして、少しでも早く、長く冬樹と話をできるようにした。
午前中に美波を訪ね同席することを願ったところ本音では断りたいという気持ちが見えたけどあえて気付かない素振りで了承してもらった。美波には悪いけど、ここは私の気持ちを優先させてもらうことにした。
いざ話をすると冬樹は許してくれそうで、今日からすぐにとはいかなくても前の様な関係に戻れる予感がした。
また、今後のこととして冬樹が
「美波のように鷺ノ宮からひどい目に遭わされた人達と連携して対抗する必要があると思う。特に動画の映像は鷺ノ宮が逮捕されたせいで、他の奴が流出させる可能性が高まっていると思う。すぐに対応しないと取り返しがつかなくなるかも知れない」
と言った懸念を示し、既に冬樹を陥れた実行犯である二之宮凪沙とは話が通じていて、二之宮凪沙と美波の他に2人いる被害者とも夏休み前に接触するつもりでいるようで、その内の1人が3年生であることもあり、私も協力を惜しまないと約束した。
冬樹の言う通り鷺ノ宮が抑えられない状況になっているので美波や二之宮凪沙みたいな美少女とそういう事をしたというのを言いふらしたくなる奴が出てきてもおかしくないし、そういう動画は一度ネットに流出したら消すことはできなくなるから、その前に手を打たないといけないのはわかる。
ひどい目に遭わせた二之宮凪沙や、裏切った美波のためにそこまでできる冬樹はやっぱり優しい自慢の弟だと再認識したし、だからこそ最初から信じてあげられなかったことが悔しいし愚かな自分が憎くもなる。
それはそれとして、途中から会話に加わった美晴さんの態度がかなり変わった気がする。以前は姉という立場を強調している雰囲気があったが、今日は強調するどころか控えている。美晴さんは2年以上一人暮らしが続いているから、実家にいた時と感覚が変わっているのもあるかもしれないが、今日は私達と対等という印象が強い。
私も美波を含めた3人の姉という意識が常にあるから、一歩上の目線から見守るという視線になりがちで、それは高校時代までの美晴さんからも感じていたことだ。その違和感も気になりはしたが、まずは美波のための問題を片付けるのが最優先だと思い、意識の外側へ棚上げした。
美晴さんが大学の単位もほぼ取り終えて就職活動に備えていきたいから実家へ戻ろうかという話をしたり、私の受験勉強について夏休みに合宿へ行くかどうかなど雑談をしつつ、夕方になったタイミングで岸元家を御暇し帰宅した。
冬樹、春華と共にリビングへ入ると、突然冬樹が苦しみうずくまってしまい、すぐには良くなる気配がなかったので119番通報し救急隊員によって病院へ担ぎ込まれることとなった。救急隊員について行ったのは母さんで、父さんと春華と私、それに救急車に気付いて様子を見に来ていた美波と美晴さんも一緒に病院へ向かった。
検査の結果、脳などに異常はないから精神的なものではないかということだった。
要は私達家族は冬樹を追い詰める存在になってしまっていたことを突き付けられたのだ。
春華から冬樹が美波の家へ行き、その流れでうちにも来るというのを知り、待ちきれず春華とふたりで美波にお願いして、少しでも早く、長く冬樹と話をできるようにした。
午前中に美波を訪ね同席することを願ったところ本音では断りたいという気持ちが見えたけどあえて気付かない素振りで了承してもらった。美波には悪いけど、ここは私の気持ちを優先させてもらうことにした。
いざ話をすると冬樹は許してくれそうで、今日からすぐにとはいかなくても前の様な関係に戻れる予感がした。
また、今後のこととして冬樹が
「美波のように鷺ノ宮からひどい目に遭わされた人達と連携して対抗する必要があると思う。特に動画の映像は鷺ノ宮が逮捕されたせいで、他の奴が流出させる可能性が高まっていると思う。すぐに対応しないと取り返しがつかなくなるかも知れない」
と言った懸念を示し、既に冬樹を陥れた実行犯である二之宮凪沙とは話が通じていて、二之宮凪沙と美波の他に2人いる被害者とも夏休み前に接触するつもりでいるようで、その内の1人が3年生であることもあり、私も協力を惜しまないと約束した。
冬樹の言う通り鷺ノ宮が抑えられない状況になっているので美波や二之宮凪沙みたいな美少女とそういう事をしたというのを言いふらしたくなる奴が出てきてもおかしくないし、そういう動画は一度ネットに流出したら消すことはできなくなるから、その前に手を打たないといけないのはわかる。
ひどい目に遭わせた二之宮凪沙や、裏切った美波のためにそこまでできる冬樹はやっぱり優しい自慢の弟だと再認識したし、だからこそ最初から信じてあげられなかったことが悔しいし愚かな自分が憎くもなる。
それはそれとして、途中から会話に加わった美晴さんの態度がかなり変わった気がする。以前は姉という立場を強調している雰囲気があったが、今日は強調するどころか控えている。美晴さんは2年以上一人暮らしが続いているから、実家にいた時と感覚が変わっているのもあるかもしれないが、今日は私達と対等という印象が強い。
私も美波を含めた3人の姉という意識が常にあるから、一歩上の目線から見守るという視線になりがちで、それは高校時代までの美晴さんからも感じていたことだ。その違和感も気になりはしたが、まずは美波のための問題を片付けるのが最優先だと思い、意識の外側へ棚上げした。
美晴さんが大学の単位もほぼ取り終えて就職活動に備えていきたいから実家へ戻ろうかという話をしたり、私の受験勉強について夏休みに合宿へ行くかどうかなど雑談をしつつ、夕方になったタイミングで岸元家を御暇し帰宅した。
冬樹、春華と共にリビングへ入ると、突然冬樹が苦しみうずくまってしまい、すぐには良くなる気配がなかったので119番通報し救急隊員によって病院へ担ぎ込まれることとなった。救急隊員について行ったのは母さんで、父さんと春華と私、それに救急車に気付いて様子を見に来ていた美波と美晴さんも一緒に病院へ向かった。
検査の結果、脳などに異常はないから精神的なものではないかということだった。
要は私達家族は冬樹を追い詰める存在になってしまっていたことを突き付けられたのだ。
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