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第20話
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◆神坂冬樹 視点◆
病院での一夜が開け、早い時間から医師が様子を見にきてくれた。久し振りに祝日がある三連休の真ん中の日曜だというのに、仕事をさせている俺を心配してくれている気持ちが強く伝わり感謝しかない。
朝のルーティーンが終わると検査と問診が終わり、今日のところは帰宅して良いと判断をしてもらった・・・来週もう一度診察に来ないといけないのではあるが・・・
面会可能時間になると同時に母さんと美晴姉さんが来てくれたので、もう退院の許可をもらっているからと話をしラウンジで待っていてもらうことにして、すぐに出発する支度を行い病室を出た。
「冬樹くん、私がお家まで付き添うからね!」
「わたしは冬樹の近くにいない方が良いと思うから美晴ちゃんのお言葉に甘えてお願いすることにしたわ」
「え・・・でも、美晴姉さんに悪いですよ」
「悪くない!私が冬樹くんを心配でずっと見ていたいの!
むしろ、いま冬樹くんをひとりにしてしまう方が心配でいやだよ。お願いだから私に付き添わせて」
「ありがとうございます。俺も美晴姉さんに一緒にいてもらった方が心強いので、お気持ちに甘えさせてください。よろしくお願いします」
「母親として本当に情けないけど、今は美晴ちゃんしか頼れないの。申し訳ないけど、よろしくね」
「任せてください。冬樹くんは私にとって大切な人なので、自分のためにもしっかり介添えします」
「それと、冬樹。ここへ来るまでに美晴ちゃんと話していたのだけど、しばらくの間わたし達からは直接連絡しないようにするわね。急ぐ場合以外は美晴ちゃんに間に入ってもらってやり取りをしようと思うの。
でも、それはあなたのことが心配だからだという事はわかってほしいわ。信用を失う事しかしてないけれど、わたしにとってあなたは大切な息子だから、落ち着くまではあなたの心を刺激したくないの・・・」
「母さんの言いたいことはわかりました。あの時は何もかもが嫌になって拒絶する態度を取ってしまっていたけど、俺もちゃんとわかってもらえる様に流されずに強く伝えれば良かったんだと、今ならわかるし・・・
今は美晴姉さんに甘えて気持ちの整理をしたら今度こそちゃんと話をしに行きたいと思うので、待っていてください」
「もちろんよ!いつでも帰ってきて良いのだからね。わたしだけじゃなく、お父さんも夏菜も春華もみんな待ってる。それは嘘じゃないから」
「わかりました。それでは、できるだけ早く会いに行くようにします」
病院の入口で母さんと別れ、美晴姉さんと一緒にタクシーに乗って俺の住むマンションまで帰った。
マンションのエントランスに入るといきなり声を掛けられた。
「神坂君!良かった!」
「二之宮さん、どうしたの?こんなところまで来て」
「どうしたもこうしたもないわよ!昨日からずっとメッセージが既読にならないし、心配してたんですよ!」
「そっか、それはごめん。バタバタしていたから、ずっとスマホを見てなかったよ」
二之宮さんへ返事をしつつスマホを見ると、二之宮さんからのメッセージを着信しているのが確認できた。
【これからのことを相談したいので、明日神坂君のお家へ行っても良いですか?】
【真夜中になっても既読にならないので心配です。気付いたら時間は何時でも良いので返信ください】
【一晩経っても既読にならないのが心配なので、神坂君のお家へ行きます。気付いたら連絡をください】
「何度も連絡をもらっていたのにごめんね」
「それはいいですよ。でも、本当に良かったぁ」
「あの、お話しているところにごめんなさい。冬樹くんのお友達かしら?
とりあえず、お部屋に戻って落ち着けてからお話をしない?」
「そうですね。美晴姉さんも、この後お時間ありますか?」
「大丈夫だよ。冬樹くんのために全部予定を空けてきたから何日だって時間はあるよ」
「えっと、こちらは神坂君のお姉さん?
夏菜先輩以外にもお姉さんがいらしゃったのですか?」
二之宮さんはさすがに生徒会長をしている姉さんのことは知っていたようで淀みなく疑問を投げかけてきた。
「挨拶が後回しになってしまってごめんなさい。
私は冬樹くんの幼馴染みの岸元美晴と言います」
病院での一夜が開け、早い時間から医師が様子を見にきてくれた。久し振りに祝日がある三連休の真ん中の日曜だというのに、仕事をさせている俺を心配してくれている気持ちが強く伝わり感謝しかない。
朝のルーティーンが終わると検査と問診が終わり、今日のところは帰宅して良いと判断をしてもらった・・・来週もう一度診察に来ないといけないのではあるが・・・
面会可能時間になると同時に母さんと美晴姉さんが来てくれたので、もう退院の許可をもらっているからと話をしラウンジで待っていてもらうことにして、すぐに出発する支度を行い病室を出た。
「冬樹くん、私がお家まで付き添うからね!」
「わたしは冬樹の近くにいない方が良いと思うから美晴ちゃんのお言葉に甘えてお願いすることにしたわ」
「え・・・でも、美晴姉さんに悪いですよ」
「悪くない!私が冬樹くんを心配でずっと見ていたいの!
むしろ、いま冬樹くんをひとりにしてしまう方が心配でいやだよ。お願いだから私に付き添わせて」
「ありがとうございます。俺も美晴姉さんに一緒にいてもらった方が心強いので、お気持ちに甘えさせてください。よろしくお願いします」
「母親として本当に情けないけど、今は美晴ちゃんしか頼れないの。申し訳ないけど、よろしくね」
「任せてください。冬樹くんは私にとって大切な人なので、自分のためにもしっかり介添えします」
「それと、冬樹。ここへ来るまでに美晴ちゃんと話していたのだけど、しばらくの間わたし達からは直接連絡しないようにするわね。急ぐ場合以外は美晴ちゃんに間に入ってもらってやり取りをしようと思うの。
でも、それはあなたのことが心配だからだという事はわかってほしいわ。信用を失う事しかしてないけれど、わたしにとってあなたは大切な息子だから、落ち着くまではあなたの心を刺激したくないの・・・」
「母さんの言いたいことはわかりました。あの時は何もかもが嫌になって拒絶する態度を取ってしまっていたけど、俺もちゃんとわかってもらえる様に流されずに強く伝えれば良かったんだと、今ならわかるし・・・
今は美晴姉さんに甘えて気持ちの整理をしたら今度こそちゃんと話をしに行きたいと思うので、待っていてください」
「もちろんよ!いつでも帰ってきて良いのだからね。わたしだけじゃなく、お父さんも夏菜も春華もみんな待ってる。それは嘘じゃないから」
「わかりました。それでは、できるだけ早く会いに行くようにします」
病院の入口で母さんと別れ、美晴姉さんと一緒にタクシーに乗って俺の住むマンションまで帰った。
マンションのエントランスに入るといきなり声を掛けられた。
「神坂君!良かった!」
「二之宮さん、どうしたの?こんなところまで来て」
「どうしたもこうしたもないわよ!昨日からずっとメッセージが既読にならないし、心配してたんですよ!」
「そっか、それはごめん。バタバタしていたから、ずっとスマホを見てなかったよ」
二之宮さんへ返事をしつつスマホを見ると、二之宮さんからのメッセージを着信しているのが確認できた。
【これからのことを相談したいので、明日神坂君のお家へ行っても良いですか?】
【真夜中になっても既読にならないので心配です。気付いたら時間は何時でも良いので返信ください】
【一晩経っても既読にならないのが心配なので、神坂君のお家へ行きます。気付いたら連絡をください】
「何度も連絡をもらっていたのにごめんね」
「それはいいですよ。でも、本当に良かったぁ」
「あの、お話しているところにごめんなさい。冬樹くんのお友達かしら?
とりあえず、お部屋に戻って落ち着けてからお話をしない?」
「そうですね。美晴姉さんも、この後お時間ありますか?」
「大丈夫だよ。冬樹くんのために全部予定を空けてきたから何日だって時間はあるよ」
「えっと、こちらは神坂君のお姉さん?
夏菜先輩以外にもお姉さんがいらしゃったのですか?」
二之宮さんはさすがに生徒会長をしている姉さんのことは知っていたようで淀みなく疑問を投げかけてきた。
「挨拶が後回しになってしまってごめんなさい。
私は冬樹くんの幼馴染みの岸元美晴と言います」
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